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カテゴリ:読書
【内容情報】(「BOOK」データベースより) 呉服太物問屋の若旦那・綾太郎は、着物の染み抜きなどをなんでもこなす着物始末屋・余一のもとへ打掛の始末を頼んだ。 毛嫌いする余一を困らせようと、生地が弱りすり切れた打掛を渡したのだが、その仕上がりは非の打ちどころのない出来栄えだった。 余一に対して、何としても一泡吹かせたいと願う綾太郎。 そんなある日、彼は古着屋の六助を伴い、余一に想いを寄せるお糸の飯屋を訪れた。 血の気が多い職人や人足などの男達を前に、てきぱきと働くお糸を見て、綾太郎は彼女に惹かれはじめるがー(「藍の糸」より)。 大好評、連作短篇時代小説。待望の第二弾!! 【目次】(「BOOK」データベースより) 藍の糸/魂結び/表と裏/恋接ぎ 【著者情報】(「BOOK」データベースより) 中島要(ナカジマカナメ) 早稲田大学教育学部卒業。2008年、「素見(ひやかし)」で第二回小説宝石新人賞を受賞。 若き町医者を描いた初長編『刀圭』でデビュー。 受賞作を含む短編集『ひやかし』を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) ■「着物始末暦 しのぶ梅」■に続く、シリーズ第二弾。 ●読書メモ● ●一口に「藍染」と言っても、染める回数と時間によって色合いは異なる。 甕覗(かめのぞき)、水浅葱、納戸(なんど)、縹(はなだ)、紺・・・名前が変わるに従って、 色がだんだん濃く青くなる。 ●藍染は染めれば染めるほど、色が濃く、生地が丈夫になる。 だから仕事で使うには紺がいいのだ(略)。 「藍染は切り傷の血止めになるし、まむし除けや虫よけにもなる。 丈夫な上に火にも強いから火消しの袢纏も藍染だが、どれも決まって紺色だ。」 ●「八百善の料理切手」 八百膳は江戸で指折りの料亭で、そこの料理切手はかさばらない進物としてお武家や大店の主人に人気がある。 ●風流人が多く住む根岸は江戸のはずれに位置している。 ■根岸の里(現・台東区根岸)は■江戸時代、ウグイス初啼きの名所であり、自然の趣き豊かな地として多くの風流人が別荘を建てて住んでいたそうです。 ■根岸の里は■ 「江戸名所図会」には「呉竹の根岸の里は上野の山陰にして幽趣あるが故にや。 都下の遊人多くはここに隠棲す」とあり、画人として有名な酒井抱一は文化6年(1809)から下根岸の雨華庵に住んだ。 「山茶花や根岸は同じ垣つづき」の句があり、根岸紅と称する山茶花があった。 天保6年(1835)には文人だけでも30名を超えたという。 だが、天保12年(1841)1月5日の火事で縦四町、横七町が焼亡した。その後天保改革で武士・町人の百姓地居住が禁止され、一時は原野のように寂れたという。 ●百徳きもの 「子供の無事な成長を祈って、他所(よそ)の家から端切れをもらってきものを作るんでさ。 百軒から集めるんで百徳とか、百接(ひゃくつなぎ)とかいうらしい。」 などと地方によってさまざまに呼ばれています。 これは, 『百軒からもらい集めた布で着物を縫って,子供が丈夫に育つのを祈る。』 『子宝に恵まれますように願ってお寺に奉納する。』 と言い,布が貴重であった時代の着物と結びついた信仰によるものです。 昔は,布が高価でしたから, 「小豆三粒ほど包める布は捨てるな」と戒めあって,誰もがいとおしむように小さな布片をも捨てずに,大切に残しておきました。 長寿の人,徳のある年寄りの人,健康な人,親切な親戚の家々などから小裂をもらい受け,その方の徳が授かりますように,たくさんの幸せに巡り合うことができますようにと祈り,幼子の幸福を着物に託しました。 端裂には人知の及ばない力が宿ると信じ,村の子供の誰もを慈しみ,子を思う気持ちを一つの着物に”寄せ”あわせたのでした。 ●背守り (略)人の顔には目があるから前を見ることができるが、あいにく背中には目がついてねぇ。 代わりに背縫いの目が見守ってくれるのさ」 しかし、地さな子供の着るものには肝心の背縫いがない。 そこで必要のない縫い目を「背守り」として入れるのだ(略)。 ■背守り練習帳■ にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2020.03.30 00:06:51
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