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2021.01.28
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テーマ:国内旅行(1458)
カテゴリ:国内旅行

■2020.11.29(日)
下関市の港の近くにレトロな建物がある。
そのひとつ、旧秋田商会ビルに行った。

旧秋田商会ビル
1905(明治38)年に設立された秋田商会は、木材業や海運業を手がける会社として、下関の発展の牽引役となりました。
同ビルは1915(大正4)年の竣工。
その大きな特徴は、屋上に庭園を備えていることです。
鉄筋コンクリート造の建物は社屋兼住居で、1階には建物の約3分の2を占める広い事務室と応接室、小室、階段室が設けられました。

事務所が洋風の建築である一方、2・3階の住居には書院造が取り入れられていて、和洋折衷のユニークな造りが特徴です。
なんといっても珍しいのは、屋上に茶室のような離れ座敷があること。建物の周囲には樹木を植え、今から100年以上も前に屋上庭園をつくっていたのです。

また2・3階の書院造は重厚さがあり素晴らしく、3階は大広間が設けられています。
さらに最新鋭の設備も随所に取り入れられました。
和風のシャンデリアを自在に上げ下げできる装置、トイレや浴室の華やかなタイル、

料理や荷物を運べる小型のエレベーター(ダムウエーター)などを見ると、秋田氏に“新しいもの好き”な一面があったことが伺えます。
ダムウエーターは屋上まで届くように設置されているので、屋上から景色を見渡しながらたびたび宴会を開催していたようです。


屋上へのらせん階段。使用禁止になっている。

▲屋上の緑は植え込み。▼茶室も造っている。


▲凝ったデザインの玄関。

▲裏口は、パリのメトロでみかけるアールデコ風の飾りがついている。

埋め立て前は、このあたりまで海があった。
この建物の丸い屋根の部分は、灯台として使われていたそうだ。

▲旧秋田商会ビルの隣の建物は、郵便局。
同社の創業者・秋田寅之介夫は、港のすぐ前にビルを構えることで、当時中国などの連絡に重きを置いていた。
そして、郵便局の近くにビルを置くことで郵便で全国の様子をいち早く知り商売に生かした。

下関南部(なべ)郵便局
旧秋田商会ビルの向かい側に建つ「下関南部(なべ)町郵便局」は、現役の郵便局舎としては日本最古の建物です。
明治33(1900)年に建てられ、平成13(2001)年に国の登録有形文化財に登録されました。

レンガ造りのしっかりしたたたずまいと、落ち着いた色調が素敵な建物です。
現役の郵便局である一方、中庭にはカフェがある。

▲正面の丸ポストも現役。なんと、旧赤間関局の郵便用具職人が丸ポストの生みの親というからさらにびっくり。


金子みすゞは、下関に住んでいたので、この郵便局から雑誌社に詩を送ったのではないだろうか。

旧秋田商会ビルから道を隔てて旧英国領事館もある。
地図で「唐戸」というのが沢山あるが、かつて唐の船が行き交っていた名残りだろうか。

かつては、この近くに下関駅があって、九州への連絡船に乗り換える人で賑わっていた。
もちろん、汽車に乗って商売人が来たので、秋田商会は、この地にビルを作ったわけだ。

海底トンネルを通って、福岡県へ。

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Last updated  2021.01.28 00:06:44
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