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2021.02.08
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テーマ:読書(8608)
カテゴリ:読書
■柳宗悦■
日本民芸館を設立し、初代館長をつとめた柳宗悦。
自ら創始した民芸運動の仲間たちと各地へ赴き、「手回りのもの」あるいは「下手物」と蔑まれてきた手仕事のなかに、誰も気づかなかった「民藝の美」を発見しました。
本書では、名もなき工人による無名の美を綴った「雑器の美」他4編と愛用品を紹介する「くらしの形見」を収録します。

■柳宗悦■という題の文庫本を買った。
民藝が大好きな私だが、柳宗悦の書いたものを読んだことがなかった。

この本は、無印で買ったもので、「MUJI BOOKS」という。
■ずっといい言葉と。■
「少しの言葉で、モノ本来のすがたを伝えてきた無印良品は、うまれたときから「素」となる言葉を大事にしてきました。

人類最古のメディアである書物は、くらしの発見やヒントを記録した「素の言葉」の宝庫です。

古今東西から長く読み継がれてきた本をあつめて、
MUJI BOOKSでは「ずっといい言葉」とともに本のあるくらしを提案します。」

●読書メモ●
この本の気に入ったフレーズを書いておく。
沢山ありすぎて、一度には書ききれないのだが・・・。
◎は私の感想。
●用いずば器は美しくならない。
器は用いられて美しく、美しくあるが故に人は更にそれを用いる。
人と器と、そこには主従の契りがある。
器は仕えることによって美を増し、主は使うことにより愛を増すのである。


●原料が失われたら、むしろその工房は閉じられなければならぬ。
材料に無理がある時、器は自然の咎めを受ける。
また手近くその地から材料をえることなくば、どうして多くを産み、廉きを得、確かなものを作ることができよう。
一つの器の背後には特殊な気温や地質やまたは物質が秘められてある。
郷土の薫り、地方的彩り、このことこそは工芸に幾多の種を加え味いを添える。
天然に従順なものは天然の愛を受ける。


◎どういう民家が美しいのかという話。
その土地の材料を使ったものが美しい。
日本だと藁ぶきの屋根の民家が美しいと感じる。
またイギリスなどでは、石のスレートを使った家が多いのは、石のが産地があるからだ。

まさに、上記の
「また手近くその地から材料をえることなくば、どうして多くを産み、廉きを得、確かなものを作ることができよう。
一つの器の背後には特殊な気温や地質やまたは物質が秘められてある。」

と一致する。

コッツウォルズ■では、どの家もどの家も同じ石で作られている。

コッツウォルズストーンと呼ばれる石がこの地方の産物で、それを使った、はちみつ色の家並みは美しい。
 柳宗悦のような審美眼の人、実は他にもいる。

茶の湯の千利休。
千利休は、
捕らえた魚を入れる魚籠( びく) も花篭に、

 井戸のつるべを水指にした。
飾らない「用の美」を美しいと感じる人だ。


もう一人は、アールヌーヴォーの騎手の■ウィリアム・モリス。
「用の美」を認めた一人だ。

コッツウォルズのバイブリーを訪れた時、「世界で一番美しい村」と言った。
バイブリーには、17世紀にたてられたアーリントン・ロウという小さな家が並んでいる。
その建物はかつて近くのアーリントン・ミルで縮絨するための布を供給する織工が住んでいた。

派手でもない小さな家を美しいと認めたのだ。
バイブリーは、今では世界中の人が訪れる観光地になっている。
 柳宗悦は、戦後間もない頃、バーナード・リーチを日本によび、その旅日記、■バーナード・リーチ日本絵日記■を日本語に翻訳している。
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Last updated  2021.02.08 21:14:41
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