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2021.05.21
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テーマ:読書(8620)
カテゴリ:読書
■ことばの食卓■
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
食べものに関する昔の記憶や思い出を感性豊かな文章で綴るエッセイ集。
【目次】(「BOOK」データベースより)
枇杷/牛乳/続牛乳/キャラメル/お弁当/雛祭りの頃/花の下/
怖いこと/誠実亭/夏の終り/京都の秋/後楽園元旦/上野の桜/
夢、覚え書

 武田百合子といえば「富士日記」が有名だがまだ読んでいない。
なのに、「ことばの食卓」を選んだのは、緊急事態宣言で図書館も閉まるかもしれない。
そうなった時の、「非常食」的な感じの本なので、食べ物の本にした。

同時に購入したのが、■「ロッパ食談」。
去年の春に図書館が閉まった時は、「もの食う話」というのを買った。
私は本当に食べることが好きだなと自分でも思う。(昨年のコロナの時)

今回初めて知ったのだが、武田百合子は、作家の夫の運転手と夫の原稿の口述筆記などをしていたという。
夫の死後、夫と過ごした富士山荘での日記『富士日記』を出版し、処女作にして高い評価を受けたという。
 1925年生まれの筆者の、小学生時代のお弁当のことが出ていて興味深かった。
●読書メモ●  ◎は私の感想。
●一日と十五日だったか、戦地の兵隊さんの御苦労を偲んで、梅干一つと御飯だけの「日の丸弁当の日」があった。
机の間を回って先生が点検した。
蓋をあけると、いつものようにおかずが入っていることがあって、どきりとする。
もうそのときは、のんきに暮らしている(と思っていた)家の大人全部を恨む。


◎武田百合子の生家は裕福だったそうだ。
普通の家の子供だったら、普段からずっと、日の丸弁当だったから贅沢な悩みである。
●家の近い生徒は、都合でお昼を食べに帰ってよいことになっていた。
「食べ」といった。
校門から「食べ」の生徒が、ばらばらと抜きつ抜かれつして、切り通しの坂を走り去って行く。
真昼間の表から駆け込んだ茶の間は、藤棚の陰で令んやりと暗い。


◎あった、あった、私の中学生の頃も、食べに帰る人がいた。
私もたまに帰った。
もちろん、粗末なお昼を食べるのだが、考えると、食べる物もなくて、水だけ飲んで我慢した人もいたのではないだろうか・・・。
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Last updated  2021.05.21 00:22:27
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