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カテゴリ:読書
【内容情報】(「BOOK」データベースより) 森鴎外の小倉在住時代の足跡を、十年の歳月をかけてひたすら調査する田上耕作とその母。 はかばかしい成果は得られず、病、貧困に一層落ち込んでいくー「或る『小倉日記』伝」。 芥川賞受賞の表題作。 【目次】(「BOOK」データベースより) 或る「小倉日記」伝/菊枕/火の記憶/断碑/笛壷/赤いくじ/父系の指/石の骨/青のある断層/喪失/弱味/箱根心中/解説 『三田文学』1952年9月号に発表、翌年に第28回芥川賞を受賞した。 福岡県小倉市(現・北九州市小倉北区)在住であった松本清張が、地元を舞台に、森鷗外が軍医として小倉に赴任していた3年間の日記「小倉日記」の行方を探すことに生涯を捧げた人物を主人公として描いた短編小説である。 それまで朝日新聞西部本社に勤務しながら執筆活動を行っていた清張が、上京後小説家に専念するきっかけとなった作品。 主人公の田上耕作は、生まれながらの神経系の障害で片足が麻痺しており、言葉もうまくしゃべれない。 しかし、勉学に秀でていて、美貌の母親と貧しい生活をしている。 その主人公、田上が森鴎外の日記も空白を埋めようとしたきっかけは、「でんびん」という言葉を鴎外の書いた書物に見たからだ。 「でんびん」とは、「伝便」と書く。 明治時代、郵便制度が出来ていたが、それを使うとかえって遅くなる。 近場なら、「伝便」を使って直に届けた方が早いというので使うのだ。 そのため、「伝便屋」は、腰に鈴をつけ、走り、耕作は幼い頃、その鈴の音を聞いた記憶があるのだ。 表紙に鈴が描いてあるのは、そのためだ。 1951年に発表され、直木賞候補になった■西郷札■。 翌年1952年に「或る「小倉日記」伝」で芥川賞って、どんだけ才能豊かなんだよ、松本清張!!! *会社を辞めたのは、芥川賞をとった3年後。 自分の才能で生活できるのかと不安に思っていたそうだ!!! もちろん、その才能をねたんだ人もいて、その人が、 「松本清張の「或る「小倉日記」伝」がすごいんじゃない。 小説のネタになった森鴎外がすごいんだ」なんてことをいったそうだ。 すると朝日新聞社の広告の仕事をしていた清張がカンカンになって怒ったという話を小倉の朝日新聞社に働いていた頃の清張とよく昼食に行った人が残している。 この小説の主人公、田上耕作は実在の人物だということを「解説」で知ってびっくり!! 無名の好事家の哀切な生涯を作品化する主体的な感情移入が、ここに定立するのである。」 (解説) 作品集の中には、無名に終わった学者の悲哀を描いた作品が複数ある。 しかし、作者のこの後の活躍は皆の知る通りだ。 また、鴎外が軍服を着ている時と脱いで私服になった時には、人間が違ったなど、面白いネタも書いてあった。 自らの美貌と才気をもてあまし日々エキセントリックになる、ぬい。 夫にも俳句にも見放され、死だけが彼女をむかえてくれたー「菊枕」。 ■花衣ぬぐやまつわる紐いろいろ■ の作者、杉田 久女(ひさじょ)の物語。 久女ってこんな人だったの?と思ったが、娘が清張の作品に怒ったとか・・・。 田辺聖子の作品も読んでみたい。 にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.05.30 14:27:32
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