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カテゴリ:読書
普通のほんの少し先にある狂気 ●内容紹介(「BOOK」データベースより)● 近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性のことが、気になって仕方のない“わたし”は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導する。 『あひる』、『星の子』が芥川賞候補となった話題の著者による待望の新作中篇。 主人公の「わたし」=黄色いカーディガンの女は、「むらさきのスカートの女」と友達になりたいと思っている。 しかし、「むらさきのスカート」と「わたし」は、同じ職場で働いているわけではない。 同じアパートに住んでいるわけでも、幼馴染でもない。 名前さえ知らないから「むらさきのスカートの女」(以下、むらさきと呼ぶ)と呼んでいるくらいだから・・・。 しかし、なんとなくこの「むらさき」から風変わりな女というイメージが漂う。 「わたし」は、「むらさき」のことを調べる。 家も調べて、勤務状況も調べた。 ちょっと変わってるなと思う「わたし」。 むらさきのスカートの女が同じ職場で働き出すように仕向け、まんまと同じ職場で働くようにする。 いつも紫のスカートを履いている女の人と友達になりたいと思いストーカーしている黄色いカーディガンの女の物語。 中盤から終盤にかけては流れが変わってきて不気味さを増しながら結末に向かう。 都会に生きる孤独な人間のストーカー的な狂気を描いているということなのだろうか。 ところで、この本の表紙には、水玉模様のスカートから出た4本の足が描いてある。 裏表紙には、リンゴの絵。 これらは、何を意味するのだろう。 訳が分からないうちに終わった感があったが、リンゴは、「愛の象徴」ということ。 「わたし」が「むらさきのスカートの女」に性的な欲望を持っていたのなら、あそこまでの執拗なおっかけが納得できる。 かつて読んだ■芥川賞作品「コンビニ人間」■をなぜか思い出した。 気に入った作品だと読後、ドラマ化するなら主人公は誰だろうなどと妄想する私だけれど、 「むらさきのスカートの女」も「コンビニ人間」もそんな妄想をしなかったのは、私向きの作品では無かったからだろうか。 本のしおり紐は、もちろん、むらさきだった。( ̄ー ̄) にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.01.24 22:45:54
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