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悲憤慷慨する彼にお相手役の保積もお手上げ。 そこへ美貌の歌人恬子が現れ、博多津の唐物商へ誘う。 道真は、書画骨董の目利きの才を発揮し、生気を取り戻す。 その頃、朝廷に出す書類に不正が発覚し、府庁は窮地に。 事態を知った道真は、自ら奇策を…。 朝廷を欺き、意趣返しなるか! 日本史上最も有名な左遷された男の活躍をユーモアのなかに描く歴史小説。 京から大宰府に左遷され泣き暮らす道真だが、美術品の目利きの才が認められる。 大宰大弐・小野の窮地を救う為、奇策に乗り出すが……。 朝廷への意趣返しなるか! 書き下ろし歴史小説。(解説/縄田一男) ★澤田瞳子(サワダトウコ) 1977年京都府生まれ。 同志社大学大学院博士前期課程修了。 専門は奈良仏教史。 2011年デビュー作『孤鷹の天』で第17回中山義秀文学賞を最年少で受賞。 12年『満つる月の如し仏師・定朝』で第32回新田次郎文学賞と第2回本屋が選ぶ時代小説大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) ●メモ● ◎私のコメント ◎菅原道真をはじめ、実在の人物がいる。 ★次官・大弐(だいに)小野葛絃(くずお) 有名な文人・小野篁(おののたかむら)の子ども。 わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと人には告げよ海人の釣舟 小野篁(おののたかむら)・・・百人一首より。 なお、能書家として有名な小野道風は、小野葛絃(くずお)の子どもで篁の孫。 花の色は移りにけりないたづらに我が身世にふるながめせし間に 小野小町 小野篁(おののたかむら)の孫として、美貌の歌人・恬子(しずこ)こと小野小町も登場している。 ●権帥とは、大宰府の長官・帥(そち)の補佐職。 ◎菅原道真は、権帥という待遇で大宰府に来た。 しかし、仕事はさせてなならない、給料もでないという待遇だった。 ●季禄とは在京職事官(しきじかん)及び大宰府、壱岐、対馬の官人に年二回与えられる特別賞与。 もっとも保積が任官してこのかた、季禄が春秋ともに下された年は一度もなく、 二年に一度、いや三年に一度も給付があればよいとせねばならぬ有様であった。 ●壺折にしていた袿(うちき)を手早く被(かず)き(略) ◎壺折◎ 小袖・袿 (うちき) などの裾 (すそ) をたくし上げ、腰のあたりを紐 (ひも) で結び留めてから折り下げること。 ◎被(かず)き◎ きぬかずきのこと。公家や武家の婦女子が外出の際、顔を隠すために、頭から背に垂らしてかぶり、両手をあげて支えた単(ひとえ)の衣。かつぎ。 ●これまで学者の身で大臣まで登り詰めた人物は、まだ奈良に都があった古(いにしえ)、時の女帝より厚い信頼を寄せられた大学者・吉備真備(きびのまきび)しかいない。 ●(略)唐人たちが暮らす「唐坊(とうぼう)」や新羅人の暮らす「新羅坊」といった街区が広がり・・・(略) ●(略)日本語に唐語(からことば)、新羅語、稀に吐蕃(とばん)・突厥(とっけつ)の言葉まで飛び交うこの街は・・・(略) ◎吐蕃(とばん)=チベット 突厥=6世紀中頃から8世紀中頃までのモンゴルのこと。 ●「ああ、あれは訳語屋(おさや)ですわ」 ◎訳語屋(おさや)=通訳 ●(略)おもむろに取り出した蝙蝠(こうもり)で雨を避けながら(略)。 ◎《開くとコウモリが羽を広げた形に似るところから》薄い骨の片面または両面に紙を張った扇。紙には詩歌や絵を描く。扇子。 にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2023.02.24 00:03:00
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