テーマ:読書(8608)
カテゴリ:読書
将軍家斉の御膳を料理する江戸城の台所人、鮎川惣介は、優れた嗅覚の持ち主。 家斉に料理の腕を気に入られ、御小座敷に召されることもしばしば。 ある日、惣介は、幼なじみの御広敷の添番・片桐隼人から、大奥で起こった不可解な衣装櫃の盗難事件を聞く。 下手人に納得がいかない隼人とともに、惣介は事件を調べはじめるが、京からやってきた謎多き料理人・桜井雪之丞が彼らに付き纏い、事件には何やら陰謀めいた臭いが漂いはじめるー。 ★主な登場人物 ★鮎川惣介(そうすけ) 江戸城御広敷(おひろしき)御膳所台所人。 将軍家斉の食事を作る*御家人*。 *(江戸時代)御家人とは* 一万石未満の将軍家臣のなかで、将軍への謁見(つまり将軍にお目見えできる)のが旗本、 謁見できないのが御家人です。 ★片桐隼人 惣介の幼馴染。御家人。 大奥の管理警護をする添番(そえばん)。 ★桜井雪之丞 京から来た料理人。 世継ぎ家慶(いえよし)の正室・楽宮喬子(さぎのみやたかこ)の料理番。 ★曲亭馬琴 戯作者。「南総里見八犬伝」が人気を博す。 ★徳川家斉 十一代将軍。 ●第一話 小袖盗人● 大奥、中年寄の部屋から、小袖14枚、帯2本が消えた。 犯人が捕まるが、何の為に盗んだのか謎だらけ。 ●第二話 師走の人殺し● 人殺しには二種類ある。 目的(理由)のある殺人と、快楽のための殺人と。 ●第三話 火付け● 火事が相次ぐ。 鼻の良い惣介が、油が撒かれた臭いを嗅ぎ分ける。 ●読書メモ ◎は私のコメント。 ●第一話 小袖盗人● ●十一代将軍家斉(いえなり)公の食事は、御広敷(おひろしき)の御膳所(ごぜんしょ)で、 惣介を含む四十人の台所人が、交代勤務で作る。 その分量は毒味の分も含め毎回十膳ずつ。 ●町人や農民に普及している煎茶は煮出して飲む。 それとは違い、青茶は急須に茶葉を入れて、上から湯を注いでいれる。 ●御膳所で使うことを禁じられている食材は葱だけではなかった。 韮(にら)、辣韭(らっきょう)、鞘豌豆(さやえんどう)、秋刀魚、鰯(いわし)、牡蠣(かき)・・・ 挙げればきりがない。 ●九州の大名は老中になれない。 ●江戸の店で売っている豆腐には、どれも必ず紅葉の型が押してある。 そういう決まりなのだ。 ●真鍮の獅噛火鉢(しがみひばち) ●田沼意次は(おきつぐ)は、その美貌と気配りで大奥の支持を得て、足軽の子から老中にまで 昇りつめた。 ●第二話 師走の人殺し● ●木戸番小屋では、毎年、師走に入ると焼き芋を売り出すことが許される。 ●何なら御家人株を売って一家で町人になってもよい。 ◎■御家人株と御家人くずれ■ 江戸時代中期以降、富裕な町人・農民が多額の持参金をもって困窮した御家人の養子となったり、家格を買ったりすることが盛行しました。 こうして買い取られた権利を御家人株といい、売却した者は御家人くずれと呼ばれました。 ●第三話 火付け● ●町火消が出番の時に羽織る刺し子袢纏は、組の名を書いた揃いの紺地だ。 この袢纏には裏に「水滸伝」の豪傑やら龍虎決戦やらの勇ましい絵柄が描いてある。 火を消し終えると絵柄の方を表に着て、凱旋行列よろしく帰るのだ。 ●「けっぺたを嫌というほど張り飛ばしときやすんで、許してやっておくんなさい。」 ◎ほっぺたと同じように、けっぺたという使い方をしている。 ●(火消の)纏持ち(まといもち)になるには、何よりも男前と頭のよさが必要だ。 ◎今も昔もイケメンが有利なようだ。 ●(如月八日)この日は【御事始め】で、武家も町屋も、竿の先に笊(ざる)をつけて軒先に高く掲げていた。 天から降る宝を受けるための笊である。 にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2023.04.13 00:15:06
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