テーマ:読書備忘録(1394)
カテゴリ:読書
「災害は忘れた頃にやってくる」と、しばしば弟子たちに語っていたという物理学者の寺田寅彦。
しかし彼は、次のようにも語っている。 (天災を)忘れているおかげで今日を楽しむことができるのだという人があるかもしれないのであるが、それは個人めいめいの哲学に任せるとして、 少なくとも一国の為政の枢機に参与する人々だけは、 この健忘症に対する診療を常々怠らないようにしてもらいたいと思う次第である。」 *能登地震からはや、一か月以上たつ。 *大地震で能登が揺れた後も、自民党が金銭問題で揺れに揺れているという悲劇・・・。 内容紹介(出版社より) 地震列島日本に暮らす我々は、どのように自然と向き合うべきかーー。 災害に対する備えの大切さ、科学と政治の役割、日本人の自然観など、今なお多くの示唆を与える、寺田寅彦の名随筆を編んだ傑作選。 ●内容紹介(「BOOK」データベースより)● 長い時を経て日本列島に築かれた文明の本質を、自然科学と人文学の両面から明らかにした寺田寅彦。 その鋭い考察は、地震列島に生きる私たちへ、今なお新鮮な衝撃を与え続けている。 日本固有の自然風土と科学技術のあり方を問う「日本人の自然観」、災害に対する備えの大切さを説く「天災と国防」、科学を政治の血肉にしなければ日本の発展はないと訴える「政治と科学」ほか、日本人への深い提言が詰まった傑作選。 ●目次(「BOOK」データベースより)● 天災と国防/津浪と人間/流言蜚語/政治と科学/何故泣くか/震災日記より/颱風雑俎/災難雑考/日本人の自然観 「災害は忘れた頃にやってくる」と、しばしば弟子たちに語っていたという物理学者の寺田寅彦。 彼ほど災害について考えぬいた科学者は同時代に例をみない。 彼の災害観のエッセンスがつまった随筆集が「天災と日本人」。 文明が進歩すればするほど災害による被害は甚大になるという洞察をもつことができたのは、科学者でありながら夏目漱石門下の文人だったことも大きい。 災害に向き合うためには、日本人が古来からもっている自然観をもう一度見つめることで、人間と自然との「つながり」を根底から考え直す必要があると寺田はいう。 ★寺田寅彦の本2022年末くらいに読んだ。 興味深い箇所がいっぱいあって、一度に書ききれない。 とりあえず、メモしておく。 ●寺田は、文明が進歩すればするほど災害による被害は甚大になるという洞察を持っていたという。 実は、この考え方、この本を読む前に私も思っていた。 ●(略)寺田寅彦は物理学を学んだ地震学者だった。 尺八の音響学的研究をはじめ、電気花火、ガラスの割れ目、金平糖の生成などの現象を独自の視点から分析し、その好奇心はとどまるところを知らなかった。 夏目漱石を師と仰いで科学随筆の分野にも新たな境地をひらき、俳諧のジャンルにも一家言を持つ 人間的な幅の広さを持っていた。 一個独立した専門家でありながら、同時にその専門の枠をのりこえる感性豊かな複眼思考の科学者だったといっていいだろう。 著者情報(「BOOK」データベースより) ★寺田寅彦(テラダトラヒコ)著★ 1878~1935年。東京生まれ(高知県出身)。 東京帝国大学物理学科卒業。理学博士。 東京帝国大学教授、帝国学士院会員などを歴任。 東京帝国大学地震研究所、理化学研究所の研究員としても活躍。 物理学者、随筆家、俳人 にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.02.05 00:02:29
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