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2024.10.03
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テーマ:読書備忘録(1394)
カテゴリ:読書

街道をゆく(1):湖西のみち

『街道をゆく』の旅で司馬遼太郎が最初に訪れたのは「楽浪の志賀」と呼ばれた湖西であった。
日本人の祖形を求める司馬さんは、車で湖西のみちを北上しながら、「楽浪」は朝鮮半島(新羅)の楽浪と関係があるのか、繋がりの痕跡をさがす。
古い漁港の北小松は「高麗津」、近江最古の神社である白鬚神社は「新羅神社」ではないか。
安曇川町の集落では、水辺を好んで居住してきた安曇族に思いをはせる。
朽木谷へ入ると、この長大な渓谷を退却した織田信長の凄みに心を奪われた。
信長を助けた松永弾正と朽木元綱にも話は及ぶ。
朽木氏の館があった野尻、さらに市場という集落を抜け、岩瀬の曹洞宗興聖寺、境内に残る足利義晴の庭園跡を再訪した司馬さんは、かつて見た情景を語る。

●日本には小松という地名が無数にあるが、周防大島の漁港小松が高麗津であったように、ここもあるいは高麗津だったのかもしれない。
●水走りの傾斜面に田畑がひろがっているのだが、ところがこの付近の川は目に見えない。
この村のなかの溝をのぞいてはみな暗渠になっているのである。
この地方のことばではこの田園の暗渠をショウズヌキという。
●白鬚神社●
近江最古の神社で、祭神は猿田彦。
琵琶湖中に立つ大鳥居が印象的。
本殿は国の重要文化財。
●(略)最近、白髭は新羅のことだという説もあった・・・(略)。

●河海に面した砂地のことを、
「スカ」
と古くはよばれた。
後世、須賀の字をあてたりする。
蜂須賀、横須賀などの須賀がその好例だが、それとシカ(志賀)は関係があるのか。
●朽木渓谷●
越前朝倉攻めの折、織田信長が京への退却の途についた山道「鯖街道」が通る。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

街道をゆく(1):竹ノ内街道

古代の倭王権についての興味を胸に、若き日本語学者、ロジャ・メイチン君を道連れにして石上神宮を訪れた。
うっそうとした「布留の森」を歩き、崇神天皇の時代に思いを馳せる。
次に、山辺道に沿って南下して大神神社でも森を歩き、その御神体である三輪山と古代王権について考えた。
大阪への帰り道は、そこから奈良盆地を横断し竹内峠を越えることにした。
叔父のことなどを思い出しながら、司馬さんの母方の実家があった竹内集落を抜けたところで車が故障し、止まってしまう。
筆はそこで留められている。
街道をゆく(1):葛城みち
葛城地方の古代に思いを馳せながら葛城古道を南下した。
笛吹部の先祖・笛吹連を祀る笛吹神社から、葛城氏の先祖・一言主神を祀る一言主神社へと進みながら、一言主神と雄略天皇、鴨氏の一族とされる役行者(役小角)などを思い起こし、葛城の古代氏族と倭王権の関係を考える。
さらに鴨氏の先祖を祀る高鴨神社へ至り、その周辺の景観は古代から変わっていないのではないかと思う。

●大和石上(いそのかみ)へ
●明治になって皇居が東京にうつるにおよび、いまでいう皇居警察が諸門を警備したが、最初のうちのの採用資格は、薩長土(薩摩、長州、土佐)の三藩の出身者とこの戸津川出身者にかぎるとされていた。
●葛城坐一言主神社●
延喜式に載る古社。
「葛城の神」一言主神を祀る。
「一言さん」と呼ばれ広く親しまれている。
奈良県御所市森脇432

ひとこと はがきの名文コンクール

動画:街道をゆく:竹内街道・葛城みち(司馬遼太郎「街道をゆく」)

街道をゆく 北のまほろば (夏)
街道をゆく:北のまほろば(冬)
街道をゆく27因幡・伯耆のみち
街道をゆく7:甲賀と伊賀のみち
街道をゆく3:肥薩のみち
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Last updated  2024.10.03 00:09:53
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