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テーマ:大人のお稽古(778)
カテゴリ:舞台・稽古雑感
(長すぎたので・・Vol1からの続きです・・・・)
ひょぇぇっ、そうすると、自分でも不思議なほど、開放された声が出てくるのです。なんて歌いやすい、気持いいっ!って感じです。自分自身にバリバリ響いてくる事は無いものの、声が、そのまま飛んでいく感じ・・。おおっ、こういう感覚を知るという事が、レッスンかぁ・・。この感じを感じ取れるだけでも、3万円の価値はあるって感じでした・・。 かなりみっちりな指導の後「Poi?」 えっ!?他の曲は?って・・。準備はこの2曲のみ。でも他にも歌えって言う・・。それなら、と『トロヴァトーレ』(ヴェルディ)の「Il Balen del suo sorriso」。よりによって、憧れの人の前で、憧れのルーナ伯爵のアリアを歌うなんて!我ながら、なんて大胆不敵、厚顔無恥と思いながらも、ええいっ!!とばかりに。これだって、私が歌うのとマエストロが歌うのでは雲泥の差。とにかく愛に燃え、情熱に狂える殿様(?)の思いが溢れんばかりに凝縮された声にのせられている・・。とても敵役の歌とは思えないような、明るく、伸びの豊かなレガート。こういうのはマネしようと思っても出来るもんじゃありません・・。私のような素人では・・。でも、幸いだったのは、『トロヴァトーレ』は実際に歌い演じ、かなり自分なりに研究した事、その時のMさんの訳詞が実にイタリア語の求めている、そしてその言葉から導き出されているヴェルディの曲想をよく捉えていたので、原語で歌いなおしてもまったく違和感無く表現できたかな、そう思います。もちろん、イタリア語のディクションや音程などでいっぱい指導をうけましたが・・。 で、ここで休憩。小田さん「あと3分くらい残ってますから。」もう、そんなに歌ったのかぁ・・。いや、確かに歌った。というかそれくらいの充実度は満点・・。体全体を楽器にして歌っている、ような気がしているのでかなりハード。でもそれ以上に充実感が全身を包み込みます。次の方の指導を一通り見させていただいた後、またレッスン。またまた「違う曲を」というので、今度は『トラヴィアータ(椿姫)』(ヴェルディ)の「Di Provenza」。言わずと知れたバリトンのアリアの名曲中の名曲。バリトンの歌の中では高音部分が曲全体を支配しているような感じでかなり難しい。しかも、おバカ息子を切々と説得するお父さんの歌なので、求められている音と役柄が、下手をするとマッチせず妙な歌になってしまう危険性が大きいものです。私も若いときに何度か歌って、その憂き目にあっております・・。今回、この曲が一番、準備できていないものでした・・。まぁ、残り3分だからいいかぁ、なんて軽い気持ちで挑戦したのが運のツキ・・。yやっぱり音程と言葉の指導を受けました・・。そしてここでもアウグスティーニ氏はガッツリ歌ってくれます。父親の温かさ、そして寂しさ、頑なな思い、そんな色々な表情をこのアリアでも聞かせてくれます・・。さすがに今の私には出来得ない、そんな歌唱でした。この曲はいつかまた機会があったときの宿題にしたいな・・・。でも、マエストロの録音が出来たからこれでしっかり勉強を・・・、 小田さん曰く「あのっ、これ録画できてます?さっきの状態と違うんだけど・・」そうなんです。今回のレッスン、録画と録音をしていたのですが、実は一回目のインターバルの時に電源を落としてしまい、その後『トラヴィアータ』に入ったとき電源を入れるのを忘れていたのです。録音も同じ・・。するとマエストロ曰く「録画用にもう一回歌え!」いやいや、制限時間がとっくに過ぎているからと断って席に着こうとすると 小田さん「あと10分くらいあります。もう1曲何か歌えって言ってますけど、どうします?」 ひょぇぇぇぇぇっ!まだ歌ってよかとんかいねぇ・・・。カラオケなら大喜びでマイクを握っているところですがクオリティの高いものを求めようとしている時に、このドッと来た状態であと何を満足に歌えるか、それが心配でしたが、ここで、アマチュアの怖いもの知らず、世間知らずが鎌首もたげ「どうせ、おいらの歌にクオリティもへったくれもにゃあだし、この際、歌わせてもらえるなら、指導してもらえるならやってしまおう!」とばかりにガツンと持って行きました。『アッティラ』(ヴェルディ)より「Dagli immortali vertici」。このオペラはかつてヨーロッパ全土を征服する勢いで人々を恐怖に陥れたフン族の王アッティラを描いた作品。この歌はアッティラの宿敵、ローマの老将エツィオの歌う歌です。アッティラとの休戦協定を結ぼうとしているローマ皇帝へ嘆き、祖国の為に命を捧げた男の気持を切々と歌う歌、そして、後半はアッティラ暗殺を持ちかけられ、喜び勇んで歌うカバレッタ。私、この曲、非常に大好き。まあ、時間も無かったせいもあったのでしょうが、マエストロも多少満足して聞いてくださっていたようでした。しかし、マエストロが歌うと、やっぱり声の圧が全然違う。しかも、こんなマイナなーオペラでさ、まったく譜面を見ずに、歌詞からなにから、全て暗譜で歌える。いかにヴェルディのオペラのパートを自分のものにされているか・・。とにかく圧倒的でした・・。 本当に、この2日間、私にとって夢のような、そして非常に貴重な時間となりました。 私自身がちょっと不思議に感じたのはヴェルディを得意とする歌手がみえてのレッスンなのに、モーツァルトだとかイタリア古典歌曲等でレッスンを受けられる方が比較的多く見受けられた事。普段のレッスンでそういった曲をやられていて、基礎からしっかりと歌わなきゃと思われてのことだとは思いますが、やっぱりイタオペの本場の人なのだから、イタオペっぽい曲を挑戦して、その歌唱から、表現から、いろいろなものを吸収できたのではないかな、そう思います。こんなアマちゃんなことを言っているのは、アマちゃん故だからでしょうか・・・。 家に帰って、喜んで録音したMDを聞こう!と思ったら・・・・ ぬわんと、マイクが変なところに刺さってて1,2日とも録音に失敗あまりにショックでした・・。でもビデオは撮れていたのでよしとするか・・・。 最後に、自分は子育てで自由も効かない中、夫の勝手な思いを許可してくれたかみさんに、本当に感謝です。ありがとうねっ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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