『愛の妙薬3』(歌いました編)
またしても、またしても・・。ブログ書くのがご無沙汰になってしまいました・・。と、いうのもいろいろあったり忙しかったり、風邪を引いてしまったりしてでついついパソコンから足が遠ざかってしまいました。今日からまた復活!!できれば、いいなぁと思っております・・。前回のブログでは、私達の発表の宣伝をさせていただいたところ、たくさんの応援コメントをいただき本当にありがとうございました。本当に勇気付けられましたし、頑張ろう!!という気にもなっていたのです・・。が・・、あのように威勢のいい理想を書いていたりしたのに、全く情けない話なのですが、発表の日は当初予定していたとおりの公演が出来ませんでした・・。と、いうのも私の私生活上の不始末からかみさんに多大なショックを与えてしまい、とても歌を歌えるような状況にないところまで追い詰めてしまったのが発端でした。その不始末が発覚した日の夜には、本番会場での練習という重要な日だったのですが、とても練習が出来る状態ではなく私の方で練習をキャンセル。翌日になっても状況は変わらないため、本番一週間前にして発表会の中止を決断しました。とても歌を歌えるような状況ではない精神状態でしたし、そんな不安定な状態で楽しい歌など歌えるわけも無い、そう思って中止を申し入れたのが火曜日でした。すると翌水曜日に、今回の発表会のお膳立てをしてくれた劇団の友人から「方々に迷惑がかかるから、今回だけは何とかやって欲しい」とお申し出をいただきました。自分の不始末が発端で方々に迷惑をかけてしまったことに気付かされ、再度、公演ができないかどうか、かみさんも含めた関係者へ頼みこみました。なんとか公演できるよう関係者の皆さんは取り計らってくれましたが、一方でネモリーノ役の方には断られてしまいました。ご自分がやる気を出してこの発表にかけていたのに、重要な練習を勝手にキャンセルされた上、勝手に公演中止まで決められてしまったのですから、断られるのも当然です。公演の企画者であるのに、プライベートな問題で全体に迷惑をかけてしまったという、あってはならないことをしてしまった上に、オペラの楽しさを少しでも人に知って欲しいと考えていながら、オペラに興味を持って一生懸命やっていた人のやる気を殺いでしまったのですから、お話になりません・・。実際、一番やる気を出していたのが彼でしたし、正直一番、彼の歌を皆さんに聞いて欲しかっただけに、自分の情けなさが身にしみます・・。一時中止を決めたために木曜日は練習が出来ず、急遽金曜日の夜、つまり本番の前日の夜8時にピアニストの家へ行って練習をさせてもらいました。当初『愛の妙薬』から6曲を予定していたのですが、肝心要のネモリーノがいないとなると、出来る曲は予定の中から3曲くらいしかない。そこで、自分達が歌ったことのある曲を何曲か選んでやろう、という風に考え、相談したのですが「ろくに練習してないものをお客さんに見せたらお客さんに失礼!」ということになり、結局、3曲で勝負することにしました。3曲しかないとは言っても、30分くらいにはなるので、形にはなるだろう・・。その後、帰宅し、夜中の4時近くまで曲と曲の間をつなぐナレーションを考えたり、プログラムを作成したりして本番を迎えました。会場は平間の部屋に簡易の袖幕を仕立てたもの。とにかく土壇場でごちゃごちゃしただけに、照明等は凝った事はせず(できず)、普通の室内灯のもとでの発表となりました。それでも、劇団のスタッフの方がBGMで工夫をしてくれて開演が分かるようにメリハリを付けてくださったりと助けていただきました。開演前には「これから音楽室にてオペラの演奏会があります」なんていう室内放送も入ってしまったためでしょうか。袖に隠れていても、お客さんが入ってきたざわつきが感じられ、次第に緊張してきます。冒頭は私(ドゥルカマーラ)のアリアです。“ジャジャ~ン”という伴奏とともに、袖から出てきた私。客席を見てびっくり!!。この会場は確かに『松戸青少年会館』という場所です。が、あきらかに、“青い年の人”よりも“少ない年の人”の人口の方が多いのです・・。まぁ、本当にオペラのオの字も知らない人、といったらいいでしょうか・・。中には小さい子連れのお母さんが、オペラって見たこと無いから見てみたいといってきてくださった方もいたようです。正直かなり緊張しました・・。今回の舞台は部屋のドアを開けっ放し。つまり、演奏の途中でも自由に出入りできるのです。演奏が聞こえて興味が沸いた人には自由に入ってもらうというのが目的でしたが、気に食わなければ、いつでも自由に席を立つ事が出来る・・。とっても厳しい環境でした・・。確かに、何人か席を立たれてしまった方もいらっしゃいました。でも、一生懸命見て聞いてくれる方々も大勢いてくれましたのでそれが支えでなんとか歌うことが出来ました。私の歌詞に♪または~魔術師!!♪という歌詞があるので、そこではマジックに使う伸びるステッキを持ってきて伸ばして客席を喜ばせたり、それなりの工夫はしました。もう1曲は友人の結婚式でも歌ったアディーナとドゥルカマーラの二重唱。かみさんに対して大変辛い思いをさせてしまったのにも関わらず、かみさんはしっかりと歌ってくれました。子の曲は一番練習を積んできただけに大分安心して取り組めました。そして3曲目はアディーナの長丁場のアリア。曲の途中にネモリーノがどうしても登場するので、そこは仕方なく私が楽譜を見ながら歌うことになりました。本当なら、こういう事はしたくなかったのです。さっきまでドゥルカマーラだった者が突然、違う人物を歌う・・。オペラの内容を理解している人ならともかく、知らないで見ている人は混乱してしまうから・・。それでも聞いてくださっていた方々はしっかり耳を傾けてくださっていました。そして、地元のケーブルテレビのカメラもこの時入りました。なんで私の歌のときじゃなくてかみさんの時なんだ??なぁんて、ひがんだりして!そんなこんなで無事1回目が終了したのが1時半。劇団の人によると「13時が一番人の入りがいいから、2回目はお客さんはほとんどいないかもよ」とのこと。確かに、休憩の間館内をうろうろしてみると、会場入りした時には物凄い人でごった返していたのに、この時は既に館内は寂しい状態・・。こりゃ、2回めはどうなるんだぁ??っと、あらぬ不安が頭をよぎります。2回目が開始される前に袖に入った時点ではあまりお客さんの入っている雰囲気がしない。自分のやる気を鼓舞するのも含めて、おもいっきり遊んで楽しんでやろう!!そう思いました。で、マジックステッキの調子を見るため、ちょっと2,3回振ったら、“ピョン!!”とステッキの先が吹っ飛んでしまったのです!で、慌てて修理するものの直らない・・。始まってしまったので仕方なくステッキなしで飛び出してみるとびっくり!!!2回目も結構なお客さんが入っている!といっても20人弱くらいですが・・。しかも、前の方に女性の方2人に男性の方1人、大人の方が座っている。後方にも子供も大人も青年も座っている。しかも前の方に座っている大人の方たちが非常に暖かいまなざしで聞いていただいているというか見てくださっているというか、とにかく勇気付けられてしまいました。2重唱の時には前の方の席に男の子3人組が移動してきて結構面白がって聞いてくれているので、私も彼らに語りかけるように歌ったりしました。そうすると反応も良く大喜びしてくれます。途中一人の子が飽きて席を立とうとしたときも「だめだよ。あと1曲あるんだから」と他の2人が制止したりしてるんです。ちょっと感動でした。かみさんの最後のアリアも長丁場ですが、子供達も多い中、皆さんじっくり聞き入ってくださっていました。1回目もそこそこ反応は良かったと思いますが、2回目はもっと良かったかな、そう思いました。おかげで私もかみさんも、歌い手は2回目の方がのびのび歌えたという実感が持てました。2回目が終わり、帰る準備をしていると、見ていた大人の女性同士で、「なんか、わたしも一緒に歌いたくなってきちゃったわっ」なんて言っている声を聞き、とっても嬉しくなってしまいました。かみさんの歌に触発されていたようで、歌マネをしていたのが印象に残りました。そして、廊下を歩いていると、その女性達の隣に座られていた男性がいらっしゃったので、「ありがとうございました」とご挨拶したところ、なんとその方、オペラのCDやDVD,コンサートなどのレヴューをご自身のブログで展開されているtaqkさんだったのです!!taqkさんは本当にオペラ、特にベルカントオペラにはお詳しい方でたくさん聞き込んでいらっしゃる方なだけに、今回の発表会、本当に物足りなかったと思いますが、私のブログの方にもコメントや掲示板に感想を記していただいて、本当にありがとうございました!わざわざ遠方から足を運んでいただいたのに、ろくにご挨拶もせず、大変失礼してしまいました。本当にありがとうございました。ハプニングがありながらも、いろいろな皆さんのお陰で、何とか発表を果たす事ができ、少しはオペラに興味を持ってもらうという目標も持ってもらえたかな、と思っています。私が失ったものについては、これから自分が取り返してゆくしかありませんが、何はともあれ、今回はやってよかった、そう思いました。また、いつか、もう少し充実した形で、そしていいオペラを広められるようなコンサートができるよう、自分自身、歌い手としても人間としても精進してまいりたいと思います。最後に、見に来てくださったお客様(特にtaqk様)、ブログで応援してくださった皆さん、劇団の皆さん、短い期間でしたが、一緒に練習をしてくれた皆さん、そしてかみさんに感謝いたします。ありがとうございました。(いただいた応援コメントのレスは必ずします!失礼をお許し下さい)