「こにゃこ」
野良犬はいないのに、何故、野良猫はいるのだろう。狂犬病はあるけど、狂猫病はないから、保健所も見逃してくれて、現在にいたるのだろうか。最近、我が棲息地帯には、「こにゃこ」が登場した。相方が、やたらと、かわいがり、夜、帰ると、家のまで、餌付けしたり、猫じゃらしで、遊んでいたりするので、話だけではなく、私も、「こにゃこ」と顔見知りになったわけだが、私が、ダッコしようとすると、いやがる。私が、餌をあげようすると、いやがる。赤ん坊になついてもらえない親戚のオヤジのような、疎外感を味わい、かわいいけど、「こにゃこ」は、難しいのです、と思っていた矢先、本日の雷雨。ドアを開けると、「こにゃこ」が、空いた皿をがりがりなめている。そこで、気を利かした私は、すかさず、「わんこそば」の要領で、冷蔵庫から、ミルクを取り出し、チャージした。無心で、ミルクをむさぼる、「こにゃこ」の背後から、おそるおそる、指で近寄り、頭をタッチ。動かない。逃げない。動きが、一瞬、ぴくっと、止まったが、そのまま、ミルクをなめつづける。ゆっくり、抱き上げてみる。みゃー、みゃーないている。私は、いっときのあいだ、「こにゃこ」のダッコに成功したのであった。