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カテゴリ:カラダ
和食の話が続きますが・・・
食文化の専門家である小泉武夫さんは、「食育はまず大人から」と力説する。 食文化研究のため、世界各地を旅して回っている。現地の学校を訪ね、子供たちの食事風景も努めて見ることにしているが、いつも日本との違いを痛感する。 「食事の前に必ず感謝の言葉を唱えるのは日本と一緒ですが、日本の子供たちの『いただきます』は形式的で、心がこもっていませんね」 生産現場と消費者が分断されている日本では気づきづらいが、食べ物は、すべて動物や植物。つまり「生き物」を殺して食べる。 「いただきます」には本来、「あなたの命をいただきます」という意味が込められているのだが、日本ではどうか。国内の小中学校に授業や講演に招かれ、この話をすると、子供たちは途端に黙り込むという。 「アフリカでは飢餓に苦しむ人が何百万人もいるのに、食料自給率が40%しかない日本では、日々300万食の残飯が捨てられている。そんな状況で、食べ物を大事にする意識が子供たちに育つと思いますか」 その海外では、きまって和食がほめられる。和食は世界中から注目されているのだ。「まず栄養バランスがいい。カロリーのとり方も理想的。しかも、食材そのものがヘルシーだ」と。 「こんな食事は地球上どこを探しても和食だけ。それなのに、当の日本人がどうして食べようとしないのか」と憤り、その原因は子供ではなく親にあるのでは、と見る。 子供は和食の味や魅力を知る前に、油っこくて味の濃い洋食に慣れてしまう。その味覚を作り上げたのは家庭の食事だ。 「だから、子供を責めるのは筋違い。悪いのは親。親の問題なのです。まず親が反省しないと」と手厳しい。洋食は、和食よりも調理が簡単な場合が多い。フライパンで焼きさえすれば食べられる肉に対して、魚を食べるにはウロコを取って、はらわたを取り除き……と手間がかかる。だから親が和食を避けたがる理由は、理解できないわけではない。 「それでも」と続ける。「文明は世界中どこでも通用しますが、文化は特定の地域や民族にしか通用しない」。日本人が日本にしかない和食文化を捨ててしまったら、日本という国はのっぺらぼうになる。「もっと国の形、国の顔を大切にしなければ」と訴えるのは、このためだ。 日本人の食事が西洋風に変わったのは、せいぜいここ40年間ほどのこと。日本人には日本人の体に合った食事というものがあるのに、変化のスピードが速すぎるのも気がかりだ。 いま、ぜひ子供に食べさせてほしいものが、4品目あるという。まず、ワカメやヒジキなどの「海藻」。加えて、ニンジンやゴボウといった「根茎」、「魚」、大豆をはじめとする「豆」だ。 いずれも、日本人の健康を支えてきた和食の代表選手だが、最近は食わず嫌いのせいか旗色が悪い。あなたの家の食卓には、これらの品目がどのくらい並んでいるだろうか。(聞き手・中島達雄さん) (2005年7月16日 読売新聞より) 1日に1回の食卓にはこの4品目の内1品目は登場させたいものですね。海藻・根菜・魚・豆の4品目だけで良いんですから何とか実現できそうですよね。子供たちの為にも今日からチャレンジしてみませんか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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