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カテゴリ:カラダ
ビタミンやミネラルを補うサプリメント(栄養補助剤)が人気だ。一粒に栄養素が濃縮されているので、不足分を簡単に摂取できる。反面、過剰摂取の問題も指摘されるようになってきた。
緑黄色野菜に多く含まれるビタミンA、植物油に含まれるビタミンE、果物に豊富なビタミンC。いずれも細胞内の活性酸素の働きを減らす「抗酸化作用」を持つ。サプリメント人気は、こうした健康効果への期待の表れだ。 健康に必須なこれらの栄養素だが、とればとるほど効果も大きいのだろうか。 国立がんセンター予防研究部長の津金昌一郎さんは「90年代から、欧米を中心に数万人規模の臨床試験がいくつか報告されているが、過剰摂取に注意を促す結果が出ている」と指摘する。 代表的なのは、体内でビタミンAに変わるベータカロチンについて、ヘルシンキ大学などが喫煙者約3万人を対象に行った試験だ。 一方のグループにベータカロチンのサプリメントを食事とは別に1日20ミリ・グラム(日本人の平均摂取量の約10倍)ずつ5~8年飲み続けてもらい、飲まないグループと比べた。喫煙者の肺がん予防に、ベータカロチンが有効ではないかと期待した試験だったが、飲んだグループの方が肺がん発生率が18%上昇するという逆の結果が出た。脳血管疾患の死亡率も20%高くなった。 ビタミンEについても、今年1月、米・ジョンズホプキンズ大学の研究者らが、これまで欧米などを中心に行われた19の臨床試験(対象者数計13万6000人)を分析した結果を発表した。その結論は、ビタミンEを1日約400ミリ・グラム以上(日本人の平均摂取量の約30倍)摂取すると、死亡率を高める可能性がある、というものだった。 こうした試験結果について、津金さんは「ビタミンEやベータカロチンは脂溶性で摂取するほど体内に蓄積される。健康維持に必要な栄養素でも、『適量』があり、とりすぎは逆効果になる」と指摘する。 一方、水溶性のビタミンCは摂取後、数時間で尿と一緒に排せつされるため、とりすぎの心配は少ない。 このほかのビタミンやミネラルで死亡率やがんの発生率に関する大規模なデータはないが、厚生労働省は、過剰摂取による副作用(筋肉痛や肝障害など)が認められるビタミンなどについて、上限量を示している(表)。 日本人はサプリメントが必要なほど栄養不足なのだろうか。国民栄養調査(2002年)の結果を見ると、男女とも若い世代でカルシウムの摂取不足が見られたが、そのほかのビタミンやミネラルは、おおむね必要量を満たしていた。 国立健康・栄養研究所健康影響評価研究室長の梅垣敬三さんは「基本的には食事からの栄養で十分。一人暮らしや食が細くなるお年寄りなど、どうしても栄養が偏りがちになる人の場合は、サプリメントを利用する意味がある」と話す。 サプリメントで過剰摂取のおそれがあるのは、栄養素が濃縮されていることと、同じ栄養素を含むのに気づかず何種類も併用するケースがあるからだ。 臨床試験での摂取量や厚生労働省の上限量は、通常の食事での摂取量の数倍から数十倍。つまり、食事で摂取する限りは過剰摂取の心配はない。 梅垣さんは「まず食事を見直すこと。不足する栄養素を補う場合も、安易に使い続けるのはよくない」と呼びかけている。 最近は、医師や薬剤師、栄養士で、サプリメントに関する知識を持つ人も少なくない。医師や栄養士で組織する日本臨床栄養協会はサプリメントアドバイザー、国立健康・栄養研究所は栄養情報担当者(NR)という専門資格を認定している。いずれも、病院や薬局などに勤務し、情報提供や相談に応じているという。 (摂取目安)(上限量) ビタミンA(600μgRE)(3000μgRE) ビタミンD(5μ)(50μg) ビタミンE(8mgα-TE)(700mgα-TE) ビタミンB6(1.2mg)(60mg) カルシウム(700mg)(2300mg) リ ン(900mg)(3500mg) 亜 鉛(7mg)(30mg) 葉 酸(240μg)(1000μg) (2005年8月1日 読売新聞様より) 僕も最近の学会で「ベータカロチンは喫煙者には要注意!」と言う報告を聞いて、恐ろしくなったのを覚えています。基本的に油に溶けるビタミンや金属の亜鉛等は取り過ぎに注意が必要だと思いますよ。それでもサプリメントを取りたいサプリメント初心者は食事と同様にバランスの良い「マルチビタミン」のようなものから始めるのが良いと思われます。本当に不足しているのは、数十年言われ続けていますが「カルシウム」だけなんですね。 マルチビタミン食品特集 カルシウム特集 お父ちゃんの為なら⇒中年オヤジの若返り@ドットコム お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Aug 1, 2005 03:10:49 PM
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