メキシカン・アメリカンな暮らし

元職場にはフィリピン系アメリカ人が多かった所為か、フィリピン料理に触れる機会が一気に増した。
フィリピン料理は私の口に合いやすく、初めて食べる筈なのに何だか故郷を感じる点でもとても気に入っている。

職場の人々は本当に面倒見が良くて、食事の面倒まで見てもらう事も何度かあったが、ルンピアにパンキット、バナナトロンなど数々のフィリピン料理を堪能させてもらった。
その中でも私が特に気に入っているのは、前回紹介したカルデレタと、Adobo(アドボ)という煮込み料理である。
今日はそのAdoboについてお話したい。

Adoboはスペイン語で『マリネード（漬け込み）』という意味だが、この料理は酢としょう油を使い煮込む料理である。
Adoboはフィリピンの代表的な料理であり、「Adoboを食べにフィリピンの家々を渡り歩いたとしても同じ味に出会う事はない」と言われているほど、それぞれの家庭の味が顕著に出る一品なのだそうだ。
そういった点では、何だか日本のカレーのような感じだろうか。
ケチャップやウスターソースを入れたり、すったりんごや黒糖を加えたりなどなど、同じカレーなのに色々な家庭の味がある、、、とても面白い料理だ。

さて今回は紹介するのは、私の尊敬する元ボスであり、「私のアメリカのお母さん」と呼んでいたAnita（アニタ）さんのレシピである。
まず鶏肉か豚肉を用意し（両方使っても良い）、フライパンで炒める。
両面がキツネ色になったら一旦皿に取り出し、同じフライパンににんにくと微塵切りにした玉ねぎを加え、炒める。
油が全体的にまわったら、先程取り出した肉を戻しいれる。
そして、しょう油、酢、オレガノ、バジル、こしょう、塩、水を入れ、弱火でことことと煮て出来上がりだ。
出来立てのAdoboを温かいご飯の上にのせて頂くのがまた最高なのである。

あゝ、温かい白ご飯にAdobo、、、。
残業した後は、いつもアニタさんが作ったご飯を食べたものだ。
Adoboを食べる度にあの頃を懐かしく思い出すのだが、もう一つの思い出はアニタさんの『いつか貴方流のアドボをご馳走してね。』という一言である。
彼女がAdoboのレシピをタイプして下さった時の言葉なのだが、いつかお手製のAdoboを持って訪問出来たらいいなと思っている。

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