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カテゴリ:アメリカの文化・慣習
アメリカに着たばかりの頃はレストランに行くのも苦痛だったが、とかく一番厄介に思えたのがこれでもかという程の沢山の選択肢を与えられた事であった。
朝食の卵なら、どんなスタイルで焼くかという質問に始まり、ステーキについてはその焼き加減は当たり前として、サイドは何がいいか、じゃがいもならどんな調理法がいいか、サラダはガーデンサラダとシーズンサラダのどれがいいか、ドレッシングはどれがいいか、スープはどの種類がいいか、パンはWhole wheat(ウィート:全粒粉パン)、 White(ホワイト)、Rye(ライ:ライ麦パン)、Sour dough(サワードウ:イーストを入れずに、小麦粉やライ麦などの粉を原料とした天然酵母で作られたパン)があるがどれがいいかなどと、時に選択肢同士の違いもさっぱり分からず、おたおたしてしまう事が多かったくらいだ。 特にアメリカに来たての頃は、即座にどれがいいか決められない上に、ウェイターの英語が全く聞き取れなかった事もあり、訳が分からぬまま取り合えず聞き取れたものを注文したものだった。 そういう状況だったので、注文をし終えた後はまるで問い詰められた者のように気疲れした挙句、テーブルに到着した注文の品を見ては「こんな筈じゃなかったのに、、、」とがっくりした事もしばしばであった。 そんな私がアメリカで外食が楽しいと心から思えるようになったのは、ようやく「選択する事の便利さ」を楽しめるようになってきた頃からだと思うが、こちらに良く出てくる選択肢を少し載せてみたい。 ~卵~ 目玉焼きは目玉焼きじゃないのかと思ってしまうが、かため、やわらかめにもそれぞれ正式な名前があり、微妙に違うので覚えておいた方がいいだろう。 *sunny-side up(サニーサイドアップ)・・・片面焼きの目玉焼き。黄身はやわらかく、液状。 *over easy(オーバー イージー)・・・両面焼きの目玉焼き。黄身はやわらかく、液状。 *over medium(オーバー ミディアム)・・・両面焼きの目玉焼き。黄身は半熟。 *over hard(オーバー ハード)・・・両面焼きの目玉焼き。黄身は固い。 また他にも、 *scrambled egg(スクランブルドエッグ)・・・日本語にもなっているので、説明は要らないと思うが、いわゆる炒り卵の事。 *poached egg (ポーチド エッグ)・・・落とし卵。酢を少々加えたお湯に卵を割り入れて作る。 *Coddled egg(カドルド エッグ)・・・いわゆる半熟卵だが、作り方はユニークだ。沸騰前に火を止め、蓋をして熱を封じた中に暫く置くか、またはとろ火でじっくりゆでていく。 *Boiled egg(ボイルド エッグ)・・・ゆで卵。Hard(ハード。またはHard boiled(ハードボイルド))か Soft(ソフト。またはsoft boiled(ソフトボイルド))。半熟卵は後者にあたる。 *Omelet(オムレット)・・・オムレツ。プレーン、チーズ入り、マッシュルーム入りなどを注文出来る事もある。うちの夫は朝食に『炒めたトマトと玉ねぎを入れたオムレツを、、、。』と頼むのだが、メニューに載っていなくても、『うちにはそのメニューはありません。』と言われる事なく作ってくれる事が多かったりする。 ~ステーキの焼き加減~ *Black and blue(ブラック・アンド・ブルー)・・・肉の表面に軽く焼き色をつける程度なので、肉はまだ全体的に冷たい。レア中のレア。Pittsburg steak(ピッツバーグ ステーキ)、 Pittsburg rare(ピッツバーグ レア)、またはPittsburgh-style(ピッツバーグスタイル)とも言われている。 *Very rare(ベリーレア)・・・肉の表面は焼けているが、肉はまだ生焼け状態で、冷たい。 *Rare(レア)・・・牛肉のたたきに近いが、アメリカのステーキは分厚い事をお忘れなく。肉の表面は焼けているが、中心部分とその周辺はまだ赤くで、冷たい。 *Medium Rare(ミディアムレア)・・・肉の表面は焼けており、中心部とその周辺はまだ赤いが、温かい。 *Medium(ミディアム)・・・肉の表面は焼け、肉の中心部周辺は多少焼けているが、中心部はまだ赤い。 *Medium Well (ミディアムウェル)・・・良く焼けた状態で、中心部はピンク色をしているが、ちゃんと火が通っているのが分かる。 *Well Done(ウェルダン)・・・ 肉の中心部まで火が通り、良く焼けた状態。 赤い部分も血も見られない。 焼き直しをお願いする事も可能なので、食べる前にステーキをちょっと切ってみて確認するのも良いだろう。 ***ステーキは焼き加減だけではなく、肉のどの部分を頂きたいのか問われる事もあるが、その辺についてはいつか詳しく説明したいと思う。 ~じゃがいも~ *Mashed potato(マッシュポテト)・・・茹でたじゃがいもを熱いうちにつぶして、バターや牛乳、調味料などを加えたもの。 *French fries(フレンチフライズ)・・・日本でいう、フライドポテト。 *Baked potato(ベイクドポテト)・・・じゃがいも丸ごとをオーブンに入れて焼いたもの。バターを載せるか、サワークリームを載せるか聞かれる事もある。また、俗にloaded baked potato(ローデド ベイクドポテト)というものがあるが、これはサワークリーム(若しくはバターも)、あさつき、ベーコンを細かく刻んだものが、載っているものである。 *Double-baked potato(ダブルベイクドポテト)・・・じゃがいも丸ごとをオーブンに入れて焼き、一旦取り出して、そのじゃがいもを半分に切って中身をくりぬく。そして、くりぬいた中身を潰して、バター若しくは牛乳(またはエバポレートミルクなど)を加え混ぜ、じゃがいもの皮に入れ戻す。あとは、チェダーチーズなどを上に載せて、オーブンに戻すという料理。焼き上がった後は、サワークリームやあさつき、ベーコンを刻んだものなどを載せる事も。 *Potato skin(ポテトスキン)・・・皮付きで、ダブルベイクドポテトとほぼ似ているが、ダブルベイクドポテトよりも薄い。サイド(副食)というよりも、アパタイザー(前菜)としてメニューに載る事が多い。 ~サラダドレッシング~ メーカーに寄っても原材料は違ってくるが、大体の目安でイメージして頂きたい。 *Ranch(ランチ)・・・マヨネーズ、バターミルク、玉ねぎ、ハーブなど。アメリカで一番人気のドレッシングだと言われている。 *Thousand island(サウザンアイランド)・・・卵、マヨネーズ、チリソース、グリーンオリーブ、ピクルス、玉ねぎ、トマトペーストなど。チリソースが入っていても辛くなくて、ほぼオーロラソースに近い味。 *Italian(イタリアン)・・・オリーブオイル、ワインビネガー若しくはレモンジュースがベースになっていて、ハーブなどが加えられている。ハーブの種類はメーカーによっても様々。 *Blue cheese(ブルーチーズ)・・・ブルーチーズ、マヨネーズ若しくはバターミルク、酢(ワインビネガーなど)、その他、サワークリームやマスタードが加えられている事もある。 *French(フレンチ)・・・オリーブオイル、レモンジュース若しくは酢など。ケチャップ若しくはトマトソース、パプリカなどが加えられている事もある。 *Honey mustard(ハニーマスタード)・・・蜂蜜、マスタード、ワインビネガー若しくはサイダービネガー。マヨネーズが加えられている事もある。 *Caesar(シーザー)・・・オリーブオイル、レモンジュース、半熟卵、パルメザンチーズ、ハーブなど。アンチョビフィレが入っている事もある。 *Olive Oil and Vinegar(オリーブオイル&ビネガー)・・・オリーブオイル、ワインビネガー、レモンジュースなど。 ***サンドウィッチ屋さんに行くと、パンの長さ、パンの種類、チーズの種類、ハムの種類などを聞かれる事もしばしばですが、近いうちにその事についても詳しく載せたいと思います。 ~注文で迷ったら、、、~ 助けになるかは分からないが、私が取った方法を幾つか紹介したい。 その1:メニューで「お薦めマーク」を探してみる。-------「当店お薦め」などとマークがついている場合もあるので探してみる。 その2:メニューの中で、自分が食べられそうな項目をまず絞っていく。-------パスタかサンドウィッチを食べたい気分なら、そこの項目以外は見ないで、項目内で一番食べてみたいものを決める。 その3:「What do you recommend?(何がお薦めですか?)」 と聞く-------大抵は、店で人気のあるメニューや本日のお薦めメニューを教えてくれる。ウェイター&ウェイトレスさんによっては、個人的に好きなものを教えてくれる場合もある。 心から満足出来る外食をするには、やっぱり遠慮をせずに聞く事も大事。皆さんも、アメリカでの外食を是非楽しんで下さいね! 参考HP: “Where do salad dressings get their names?” http://home.howstuffworks.com/question515.htm お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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