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カテゴリ:アメリカの文化・慣習
「アメリカの家は土足が普通だ」ということはアメリカに来る前から聞いていたこととはいえ、アメリカに来た当初はやはり戸惑ってしまい、土足で家に上がることに対してかなり躊躇したものだ。
特にアメリカには、カーペットが敷き詰められている家が多いのだが、靴で人様の家のカーペットを踏むことに対して未だに罪悪感さえ感じてしまい、アメリカでは一つのマナーとされている、「玄関マットで靴底を何度もこすり、ゴミや汚れを予め落としてから家へ入る」ということをちゃんと行なったとしても、やはり土足でお邪魔することをためらう自分がどこかにいるのである。 アメリカに来たばかりの時は、ある知人の家で1ヶ月ほど居候をしていたのだが、その家もトイレとキッチン以外はカーペット張りで、土足オーケーの家庭であった。 驚いたのが、みんなが土足で歩いている床の上を赤ちゃんがハイハイしていたり、『Five-second rule!(ファイブ セカンド ルール!:落ちた食べ物を5秒以内に拾えば食べれるという、アメリカで広く信じられている迷信。また、Three-second rule(スリー セカンド ルール)というのも良く聞かれる。)』と言いながら、床に落ちた食べ物を拾って食べたりということが普通になされていたことである。 「土足」イコール「本人でさえ恐らく何を踏んできたか分からないような靴で家の中を歩き回ること」、などという考え方をする私には理解し難い行為なのだが、土足という選択肢があることにはもちろん批判心はない。 実は、こうして土足に対して躊躇してしまうことをうんぬん語っている私も、自宅では土足禁止を全面的に取り入れている訳ではなく、玄関からすぐそこのベッドルームまでは土足も可ということにしている。 というのも、玄関土間がとても狭く、大人2人立てばもう窮屈になるくらいのサイズで、しかも靴を脱ぐ為に腰を下ろせるような段差もないからだ。 また、夫の独身時代の頃からの習慣ということもあって、靴置き場がベッドの下になっているのだが、そのことも関係している。 家の一部を土足可にしたせいか、土足でどかどかと入ってくる人に対して不愉快な気持ちを抱くことも昔よりは減ったのだが、どうやら土足で構わないという人ばかりでもないようで、特に業者の中には、靴を脱ぐか脱がまいかを考えてくれる人も少なからずいる。 例えば、訪ねる家に住んでいる人に合わせて土足か靴を脱ぐかを決める人や、靴を履いて作業をすることが原則とされている業種でも、Disposable shoe covers(ディスポーザブル シュー カバーズ:靴の上から被せる使い捨てカバー)を用意している人、あるいは、雨が降っていて靴に泥がついている場合は、カーペットの上に段ボール箱を敷き詰めて、ダンボール箱の上のみを歩いたりする人もいる。 私が話した業者さんによれば、人種に限らず、家の中では靴を脱ぐという選択肢を選ぶ人もますます増えているのだそうで、靴を脱ぐようになった理由も「家を綺麗に保ちたいから」という理由から「裸足が気持ちいいから」という理由までと実に様々だそうだ。 中には、玄関のドアや庭先に『Thank you for taking off your shoes.(靴を脱いで下さるようお願いいたします。)』や『Remove your shoes, please.(靴は脱いで下さい。)』などのサインをかけているところや、口頭で靴を脱ぐことをお願いするところ、また、わざわざdisposable shoe coversを用意してくれるところまであるのだとか、、、。 こうしてみると、「アメリカの家」イコール「土足オーケー」とも一概には言えなくなっているのではないかと思うのだが、そういった意味でも、土足で入るか靴を脱ぐか迷う場合には、Disposable shoe covers(ディスポーザブル シュー カバーズ)を携帯する、、、、、、もとい、『人の家に入れば人の家に従え』が役に立つのではないかと思う。 Shoe cover 追記: Disposable shoe covers(ディスポーザブル シュー カバーズ)は、Open house(オープンハウス:売りに出している家を一般公開するイベント)などのイベントでも用意されているのを良く見かけたりします。尚、Shoe coversはmedical supplier(メディカル用品専門店)やindustrial supplier(インダストリアル サプライアー:工業・産業用品専門店)などで売っているそうです。 また、オンラインショップでも入手可能なようです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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