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メキシカン・アメリカンな暮らし

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アメリカ生活ばんざい!~過去日記集~


原材料~食べ物編~


2008.10.04
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私が住む町には巨大な空軍基地や陸軍基地が幾つかあり、町は軍基地を支える町として発展してきたことでも知られている。
また、現役軍人の人口もさることながら、気候が温かくて住みやすいことからも退役軍人の人口も多く、町は"Military City, U.S.A.(ミリタリーシティー(軍の町)、U.S.A.)"というニックネームまでついているほどである。

そんな軍の町でも、ある特定の空軍基地があった地域では、軍による地下水汚染・土壌汚染問題を巡り、長年に渡って今も戦い続けている人たちも居るという。
この特定のある地域というのが、現在は空軍基地の再編で閉鎖された基地の辺りなのだが、環境基準数値を遥かに超えるほどのTCE及びTricloroehtylene(トリクロロエチレン)と呼ばれる物質が地下水や土壌から検出され、同時に、その軍基地に長年勤めていた人たちや軍基地周辺に住んでいた住民たちに肝臓ガン患者、またはALS(筋萎縮側索硬化症)患者が多く見つかるなど、深刻な問題は今も病気と訴訟という形で続いているのである。

ちなみに、このTCE及びTricloroehtylene(トリクロロエチレン)と呼ばれる物質は、発ガン性物質が含まれている化学物質としても知られており、工場周辺などでも検出される傾向にある物質だそうで、実際、例の汚染された地域では、肝臓ガンにかかる割合が他のテキサス州内の町に比べて約2倍にものぼるという。

それでも政府側は、TCE及びTricloroehtylene(トリクロロエチレン)による環境汚染と軍基地周辺の住民や元基地従業員らの発ガン率の関連性に根拠を見出す証拠がないと判断を下し、被害者たちも責任追及が出来ずに途方に暮れているといった状況だ。

軍が長年の月日をかけて徐々に有害物質を取り除く作業をしたこともあってか、汚染された地域も徐々に縮小していっているようだが、そんな中、なんと『元空軍基地周辺の肝臓ガン発生率の高さ、実はコーントルティーヤが原因? 研究者グループが調査に乗り出す。』という内容のニュースが報道されたのである。

もう少し正確に言えば、とうもろこし製品が肝臓ガンの原因の一つではないかという内容であったのだが、インタビューに応じていた研究者代表は、とうもろこしに時折発生する毒性のカビが肝臓ガンを起こす可能性があるというアフリカの研究結果や、過去にテキサス州南部で行われた研究においては特定のとうもろこし製品から発ガン性のある物質が検出されたことなどを話し、肝臓ガンは環境による要因や遺伝、食生活などの要素が統合されて発生する傾向にあり、とうもろこし製品はその要素の一つなののではないかなどと主張していた。

メキシコ系が多く住むこの町、そして、テックス・メックス料理が有名なこの町ではやはり「コーントルティーヤ」と表現した方が視聴者を惹きつけるだろうというニュース番組局側の目論見もあったようで、レポーターが終始コーントルティーヤにこだわりつつ報道をしていたのが印象的であったが、研究者の話を伺う限りでは、コーントルティーヤも研究対象に当たることはどうやら間違いないようである。

ちなみに、この研究には、$90,000(約950万円)もの費用が使われると想定されており、大学の研究助成金や軍資金を通して市民の税金が使われることになるのだとか、、、。
そういうこともあって、このニュースを受けてインタビューを受けた人々や視聴者たちの反応は冷ややかなものが多く、『コーントルティーヤと肝臓ガンの関連性よりも、検出した発ガン性物質と肝臓ガンの関連性にもっと力を入れてくれ。はっきり言って税金の無駄だ。』、『コーントルティーヤが肝臓ガンの原因だったら、メキシコ人は今頃全滅しているはずだし、テキサス人の半分はいなくなっているはずだね。』、『市民を馬鹿にし過ぎ。』などという意見もあったりという具合で、中には、余りにも呆れ過ぎてただ笑い飛ばす人も、、、。
そして、なぜTCE及びTricloroehtylene(トリクロロエチレン)が検出され続けている地域で、今更とうもろこし製品の発ガン性と住民たちの肝臓ガンとの関連性を疑うのかという見方の方が遥かに多い。

私も、今回のこの研究ばかりは政府側の責任転嫁の行為にしか見えないと思うのだが、今はただただ例の空軍基地汚染訴訟問題がこのままうやむやにならないようにと願うばかりである。






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Last updated  2008.10.05 19:35:16
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