ひめゆりの涙・・・沖縄旅行記その2
いや~、実は沖縄旅行に行ってきたんですよ~。なので、今日はその報告を、と思いまして~。って、1ヵ月以上前のことだろー!?ええ、すみません、なんとか2回目の旅行記を書く時間ができたので・・・ちょっと今回のはあまり適当には書けない内容なので、空き時間にパパッと、というわけには行かなかったんです。-----------------------------------------------------------3回目の沖縄旅行にして、今回初めてひめゆりの塔を訪ねました。そこで起こった、ちょっとだけ不思議な体験です。※これは、ひめゆりの塔じゃないよ! ひめゆりの塔の横にあった、なんか別の慰霊碑(笑)。 ひめゆりの塔はどうやら撮らせてもらえなかったようです。沖縄旅行4日目は本島南部めぐりです。那覇滞在中にずっと借りていたレンタカーで国道331号線を南下し、琉球ガラス村を堪能した後に、ひめゆりの塔を目指しました。ひめゆりの塔に近づいたのは、すぐわかりました。それまで道の周りには店らしき店はなかったのに、突然お土産物屋さんがたくさんあるところにさしかかったからです。ひとりのおじぃが、「ひめゆりの塔無料駐車場こちら」という看板を持って立っています。奥さんと、ああよかった、無料の駐車場があったんだね、と話しながら、その駐車場に左折して入りました。すると、そのおじぃが近づいてきて、「このチケット持って行ってね~。 帰りにあの建物の中でハンコもらってきたら無料だよ~。」と言って、ボクに紙切れをくれました。車を置いて、とりあえずその建物に入ってみると、事務所か何かなのかと思っていたら、そこはお土産物屋だったのです。その時に、気づきました。結局、そのお土産物屋に呼び込まれたんだな、と。正直言って、あまり面白い気はしませんでした。あたかも、ひめゆりの塔の駐車場であるかのように装って呼び込まれた上、店に入らないと無料のハンコがもらえないシステム。ひめゆりの塔の入り口には、おばぁたちが花束を売っています。「献花」と書かれていました。「お参りするならコレ持って行かないとダメだよ~。」と口々に叫んで観光客の気を引きます。ここでも「商売」なのか、と、さっきからの陰鬱な気持ちを引きずったまま敷地内に入ったら、目の前に何か小さな慰霊碑があります。さて、これは何だろう、と家族4人で前に立ったとたんに、隣にいた奥さんが、顔を押さえて泣き始めたのです。声を上げる、というほどではありませんが、涙が止まらない、そんな感じです。子供たちは、何が起こったのかわからず、おろおろしています。ボクは、泣き止むまでそのままにしておいたほうがいい、と直感したので、子供たちには「大丈夫だよ、大丈夫だから」と落ち着かせて、奥さんが泣き止むのを待ちました。5分くらいそうしていたでしょうか。奥さんがやっと落ち着きを取り戻したので、「どうした?」と聞いてみたら、自分でもよくわからないけど、突然涙があふれてきて止まらなくなってしまったそうです。奥さんもボクと同じように、駐車場や土産物屋などのことで、たくさんの人が亡くなったこの場所でどうしてそんな騙しに近いやり口で商売するんだろう、と、怒りにも似た気持ちを持ったまま、慰霊碑の前に立ったのです。亡くなった人たちも、そんな気持ちで見てるんじゃないのかな、そんな気持ちが降りてきたのかな、そう2人で話しました。その小さな慰霊碑の脇にある、さらに小さな古ぼけた石がひめゆりの塔であることを知ったのは、その後のことでした。・・・・あの、おじぃおばぁの商売を完全否定するつもりは、ないんです。彼らだって生活がかかってるし、観光客がくるんだったら商売のネタにするのは世の常識です。でも、ここは神社やお寺の門前町ではなくて、痛ましい戦争被害者を弔う施設です。それを大事にした商売の仕方をしてほしかった、そんな気分なのです。しかし、沖縄のおじぃおばぁはたくましいね。改めてウチナーンチュのたくましさを見た気がします(笑)。まあ、これはこれで、沖縄の一面を知る、大事な経験だったなあ、って、今となっては思っています。