2020文楽錦秋公演第一部源平布引滝その1義仲と実盛
今日は文楽の錦秋公演第一部に行ってきた。今年1月に文楽にでかけ、その後コロナで公演が中止になり、10か月以上たっての見物ということになった。公演時間も短くして、通常は2部制にしているが今回は3部制になっている。私も日を変えて全部見たいところだが、感染者増加ということで第1部だけを見に行った。検温消毒はもちろん、座席についても、1席もしくは2席間をあけるようになっており、使えない席は写真のように文楽で使われる衣装からとった模様の紙でおおわれている。人のいるところに向けて写真を撮れなかったので、ごく一部だけ。今回は時代物 源平布引滝(げんぺいぬのびきのたき)(豆知識)史実であるかどうかはともかくとして、源平盛衰記などに木曽義仲(きそよしなか)が平家方の武士である斎藤実盛(さいとうさねもり)を「命の親」といったという逸話があり、なんらかの面識があったと思わせる節がある。記録によれば実盛は手塚光盛(てづかのみつもり)という義仲の部下にうちとられたことになっている。源平布引滝は、それらの事実や伝承をうまく取り入れ、そこに至る経過を描いた話である。今回の演目は3段目から始まるが省略された段のあらすじ平治の乱で源義朝がやぶれて平家全盛の時代、後白河法皇は義朝の弟で平家について戦った木曽義賢(きそよしたか)に源氏の象徴である白旗を授けた。義賢は平家に服従すると見せて源氏再興の機をうかがい、源氏の白旗を守っているが、ことあらわれて討ち死にした。その最後の時、近江の百姓九郎助と娘の小まんが訪ねてくる。小まんは、義賢の奴・折平(実は源氏の一族多田蔵人行綱)との間に、太郎吉という子をもうけていた。義賢は、二人に腹に子を宿した妻の葵御前と源氏の白旗とを託す。(なぜこの白旗が大切かと言えば、法皇自らが授けた旗でいわば官軍の錦の御旗のようなもの、味方を募るにしても、旗の存在は大きな威力になる)次はこの演目について、咲寿太夫さんからの解説があるのでお聞きください。