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テーマ:政治について(20201)
中国の温家宝首相の訪日は、全体的におだやかなムードの中でおわりましたね。 実に6年半ぶりの中国首相訪日。 首相就任前には中国に対して厳しい批判を展開していた安倍首相ですが、持論よりも実をとった形にみえます。 先日の従軍慰安婦問題でもそうでしたが、安倍首相が議員時代に主張してきたような歴史認識論というのは、その是非はともかくとして、現在の国際社会には受け入れられないものであり、首相という立場からは発信しえないものだということが、改めて確認されたように感じます。 世論調査で安倍首相の不支持の理由をみると、「実行力がない」というものが上位に挙がっています。 一口に不支持層といっても、政策や主張そのものへの不支持ではなく、従来してきた主張通りに行動しないことへ不満を持つ人が少なからずいるのでしょう。 諸外国との摩擦が大きい問題では低姿勢をとりつつ、安倍首相の本来の支持層である強硬保守の人々の不満を満たすために、国内問題である教育改革、アメリカが待望する憲法改正などには、どんどん強硬な姿勢になっていくように思います。 国民投票法案については、最低投票率の規定の無いことを始めとする、各方面から指摘されている問題点は切り捨て。 「憲法記念日までの制定を目指す」なんて、結婚記念日じゃあるまいし、そんなものに合わせて決めることか(怒) 「改憲のハードルをいかに低くするか」ではなく、「国民の意見をいかに反映させることができるか」という観点を法案に反映させて欲しかった。 自分の望む結果さえ出れば、そのプロセスはどうでもいいのか。 そんな人たちが「教育改革」と声高に叫ぶなんて、ちゃんちゃらおかしいという感じです・・・。 参院が「良識の府」としての存在感をどう示すのか、大変気になります。 なんにしても7月の参院選を控えて悩ましいのが、野党の情けなさ・・・。 安倍首相は「憲法改正を参院選の争点に」とのたまっていましたが、積極的に改憲を支持する人は自民党に投票するでしょうし、拙速な改憲を支持しない人は民主党には入れないような気がします。 (つまり民主党に投票する人は少ないのでは、という意味です。) 民主党も結局は改憲勢力なので、「改憲反対」という人が投票するには危険を感じるのではないでしょうか。 (小沢党首も、元をただせばバリバリの改憲論者だし、単なる対抗軸作りとして反対しているとしか思えません。) 今、切実に思うのは、穏健または中道とカテゴライズされるような、「特に左派でも右派でもないけれど、そんなに急いで憲法を変える必要はないんじゃないの?」という人の受け皿がない、ということです。 実際はそんな人が一番多いように感じるのですが、どうでしょうか。 先日、残念ながら三選を果たしてしまった我が都知事様は「改憲」どころか「憲法無効主義者」です。 彼は幾度となく「私はあの憲法(日本国憲法全体を指す)を認めない」という発言を繰り返しています。 2003年の都議会(予算特別委員会)での質疑で、自身の発言について「憲法99条の憲法尊重擁護義務違反ではないか」と質され、「99条違反で結構であります。私はあの憲法を認めません。」と答えています。 雑誌のインタビューとか、オフレコの会話とかじゃないですよ。 都議会の質疑応答ですよ!? 自分が認めないから守らなくてもいい、なんて、俺様ぶりもここまでくるとびっくりですが、こんな人が首都の知事を三期も務めることに、本当に本当に疑念を感じずにはいられません。 国民投票法案に話を戻しますと、この法案が成立・施行されたとして、憲法改正を発議するというのは改憲派にとっても諸刃の剣です。 いくら姑息な手段を使って、セコい法案を通しても、いざ国民投票にかけてみて賛成が過半数に満たなかった場合、改憲論議は事実上お終いになってしまうからです。 国民の信託を受けた以上、同じ条項に関して何度も発議できるものではありません。 (原案の発議に必要な、衆院もしくは参院での2/3以上の賛成、というのもかなり高いハードルだといえます。) だからこそ、世論が改憲に傾き今なら勝てる、と思ったときにしか出せない、一度きりの賭けのようなものではないでしょうか。 法案が成立した場合、実際に施行されるのは公布から3年後。 安倍首相の思う形での憲法改正に反対する個人ができることは、選挙による意思表示の他にも「世論形成」があります。 3年間。 長いようですが、年齢を重ねた今となってはあっという間かもしれません。 憲法についてはまだまだ知らないことばかりなので、来る(であろう)その日に向けて、勉強したいと思います・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 15, 2007 01:59:35 AM
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