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ファピーの風の花

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2006.12.24
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カテゴリ:在日関連
日本人がいちばん 力道山を知らない。「みんな日本人」という夢 !

『力道山』は、日韓両国の共同製作、プロレスラー・力道山を題材とした映画。韓国では2004年12月に公開され、日本では2006年3月より全国上映され映画です。
主人公はこの作品の役作りのため8Kg体重を増やし、プロレスを学び、韓国俳優が必死で日本語特訓をした日韓合作の力作です。是非、時間がありましたら是非ごらんください。
rikidouzan hankua-ronn


私事ですが、昔、子供の学級担任が家庭訪に来た世間知らず?の教師が必ず発する言葉に「奥さんは、いつ日本に来られたんですか?日本語お上手ですね、奥さんは入籍されてますか?(日本以外の東アジアは夫婦別姓です)」と、ピント違いな質問をされたり、感心されたりの繰り返しでした。毎度、その誤解を解くのに嫌気がさしながら説明する度に、「人権教育を声高に叫ぶ教師が、結局、何も勉強してないのか!」、と思い知らされる日常でした。今も、多くの在日外国人が、同じような体験をしてるんだろうな~と思っています。


日本に生まれ育ったら日本語ができるのは当然、なのに、この社会は、いともかんたんに「外国人」と決め付けて色分けしてしまう。違いを違いとして受け入れるよりも、完全な異邦人と捉えた方が楽だからでしょうか。


毎日の生活の中でこんな「初歩的」な問題を理解できないか?と思ってた時、8年前に出た『もう一人の力道山』(イスンイル著)と言う本に出会いました。今も私の本棚の片隅にあります。以前から、「日本の」戦後復興のシンボルである力道山が、現在の北朝鮮出身であるというのに興味を持って必死で読みました。



著者は関係者一人ひとりの記憶に埋もれた過去の断片から、今までだれも描かなかった在日コリアンとしての力道山の苦悩の日々を書いています。



アメリカ大リーグのハンク・アーロンがベーブ・ルースの記録を破る前後、人種差別的な脅迫状に悩まさ

れつづけていたいたという事実は昔ではなく、たかが二十数年前の出来事です。


隠身辺警備が必要だった当時のハンク・アーロン
http://hochi.yomiuri.co.jp/column/hiruma/news/20060509-OHT1T00504.htm



しかし、アーロンは脅迫状に対して毅然とした態度をマスコミに示して、見事に最多本塁打の記録を達成しました。
そして、今、現役を引退して久しい、ハンク・アーロン氏が、その脅迫状事件のことを「あれは昔の話だ」という言い方では決して語らない事でしょう。彼は、「脅迫手紙が過去のものではなく、これからも我々は人種差別に対して闘っていかなければならない」と明言しているのが印象に残っています。

ところで、「日本の」本塁打王・王貞治は在日中国人であり、そのハンクアーロン氏の記録を日本球界の中華民国国籍を有する王貞治氏が塗り替えたのも、何かの因縁でしょうか。

最多通算安打数を誇る「日本の」安打王・張本勲は在日コリアンであり、彼らが「日本」記録を打ち立てようとしたとき、ハンク・アーロンのような人種差別的な圧力があったのだろうか?もちろん、ないわけがないだろう。


ここでブログをアップして、色んな人間模様を見直すと、自分が気づかなかった、様々な事実に出会ったり、又、いろんな人から教わる話の中から、在日を通して「人として」の人間像を覗けて、毎日学んでいます。



決して、在日だから・・・と強調したり、突っ張ってる考えはありません。それだけはご理解ください。
「スポーツは強ければよい、楽しめればよい、」と言いますが、少なくとも、その主人公である人々は
その違いの中で生きてきたのは事実です。そして、又、今も、その中で生きてるのは事実です。


ただ、ここに日本の二面性があると思います。

多くの日本人たちはこここにあげた、力道山、王貞治、張本勲が「日本の」ヒーローであると素朴に思い応援していたに違いありません。もちろん日本人のファンの相当数が、「彼らが日本人でない」ことを知っています。しかし、「そんなことは大きな問題ではない」というのが共通の意識ではなかったでしょうか。これが一見、民族・人種問題に寛容な日本社会の一面であるかの様にも思えます。


しかし別の角度で見れば、王貞治に昔、日本人風の名前を使うような圧力があったり、張本がじっさいに通名に変えざるを得なかった社会的な圧力が存在します。(事実、中途で本名(張勲)宣言を球団に申し入れて却下されています。これが民族・人種問題に不寛容な日本社会の一面であるのも事実です。



この一見相反する態度は、日本社会が「まあまあ、そう目くじら立てずに。力道山も王貞治も張本勲も日本人なんだ」という曖昧さの中に”犯罪的なまでの日本人への同化意識が巣食っている”と少し辛口で言い放てば反発を買うでしょうか?つまり、日本に住む人間には2種類しか存在しない。日本人か外国人である。そして、力道山、王貞治、張本勲は、本人たちがどう思っていようと、日本人が認めた「日本人」である、という強力な同化意識でしょう。




この本の出版の後、明らかになった事実を元に追加された、「補遺 力道山の鞄」として巻末に納められている証言では、「日本のヒーロー」と祖国統一の夢に引き裂かれていった力道山最後の日々を垣間見ることが出来ます。



おそらく当時、街頭テレビで力道山の空手チョップに熱狂した人々のほとんどは、彼が朝鮮の出身者であることを知らなかったでしょう。(当時の私もそうでした)
その点では、王貞治や張本勲と事情が違うし、たとえ知っていたとしても、日本人は彼を「日本人」として受け入れ、声援を送ったでしょう。別の言い方をすれば、力道山が自分の出自にかかわらず、「日本人」というアイデンティティーを受け入れる限りにおいて声援を送ったと思います。



力道山こと金信洛の心は、彼が日本で得た名声によって3つに引き裂かれていた。
ひとつは飽くまで彼を「日本の」ヒーローとして、つまり、悪役「外人」レスラー VS 正義の「日本人」力道山として活躍させようとする日本プロレス興行界、2つめは、彼の実の兄や娘が暮らす北朝鮮と日本でそれに対応する組織である総聯、3つめは、日本と同じ「西側」である韓国と日本でそれに対応する組織である民団。



(ちなみに、力道山はもともと力士として日本に呼ばれたが、相撲をやめて日本のプロレスを起こしたのは、この本によれば角界の人種差別が原因とのことである。たしかに、高見山、小錦、曙の昇格問題はまだ記憶に新しいでしょう。



力道山が刺殺されたのは、東京オリンピックを間近にひかえ、南北合同選手団を要請する国際オリンピック委員会と、南北別々の選手団を主張する2つの朝鮮が対立していた時期です。(結局、参加したのは韓国選手団だけ)



「日本の」ヒーローとして成功すれば成功するほど、自分の出自を隠さなければならない皮肉、しかも冷戦の激化にともない、2つの祖国に引き裂かれる思い。それが、日本人の決して知ることのなかった力道山の苦悩であり、同時に、今なお残る在日コリアンの苦悩の側面であると、この本に書かれています。
韓国人の視点で見た、それも8年前の本なんで、多少の時代のギャップや認識の違いは否めません。



先ほど、ハンク・アーロンの事に触れましたが、まさに力道山の生き方は、在日コリアンの抱える苦悩を凝集していたという意味なのでしょう。力道山の苦悩も又、「過去のこと」ではないということでしょう。



日本社会の同化意識、つまり、日本人と外国人を峻別して、相手が日本人である限りにおいて「寛容」であり、外国人としての違には拒絶するという意識は、非常に根深いのも日本と言う社会の特徴でしょうか。
アメリカの人種差別のように、問題が先鋭化しない分、かえってタチが悪いとも言えるかもしれません。



聖徳太子の唱えた「和をもって尊しとなす」日本人は、日常生活に「違い」を持ち込まれることを本能的に嫌っている様に思えます。だからほんのかけらでも、民族とか人種とかいった「違い」を持ち込まれると、「そう堅いこと言うなよぉ」と、逃げるのかも知れません。



女性差別にしても、民族や人種の差別にしても、日本社会は「違い」がまったく存在しないという居心地の良い「単民族」のなかに生きて、その夢見心地を破られると、異常に違和感を感じるのが日本人的であると、私の目には思えてなりません。。その”違和感”が「排他」という表現にあらわれている。



日本社会で力道山が戦後復興という「夢」のスターである限りにおいて彼を受け入れ、今も彼の功績を称えていると思います。



しかしその影で、多くの在日コリアンたちが力道山と同様の辛酸をなめていたことを、きれいにスルーしてしまっているのは最初の教員のレベルを見ても判る事実です。



力道山も王貞治も張本勲も、日本人の「夢」の中ではあこがれの「日本の」ヒーローでしょう。
ただそれが「夢」である限りにおいて。



在日外国人に対して「あなた日本語お上手ですね」と言い続ける社会、その「夢」にすっかり慣れてしまい、重要な感覚を完全にマヒさせ、人の痛みが判らなくなってしまった社会ですが、このブログが”知ること”の手がかりのきっかけになってくれたらと、思い続けて”在日”を市民として、個人として"語って行く”つもりです。コツコツト・・







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Last updated  2006.12.25 20:23:08
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