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新大久保駅、転落事故から、今日で 李秀賢さん救助死から6年
自己犠牲の心息子から学ぶ 李秀賢さん救助死から6年 母・給食ボランティア 父・学生支援 「日韓の懸け橋」支えに 1月25日17時7分配信 西日本新聞 【釜山25日藤崎真二】東京都新宿区のJR新大久保駅で2001年1月、ホームから転落した人を救おうとした韓国人留学生李秀賢(イ・スヒョン)さん=当時(26)=が亡くなって26日で6年。尊い犠牲を忘れまいという共感の輪は切れることなく、なお悲しみが癒えない両親の新たな力になっている。27日には日韓合作映画も公開される。「日韓の懸け橋」を目指した秀賢さんの遺志を胸に、両親はボランティア活動や学生支援に汗を流す。 韓国・釜山市内のマンション。「スヒョンイアボジ(秀賢の父さん)」「スヒョンイオモニ(秀賢の母さん)」。父・李盛大(イソンデ)さん(67)と母・辛潤賛(シンユンチャン)さん(57)は今もこう呼び合う。思い出が詰まった1室には、日韓両国などからの手紙約2000通のファイル、大好きだった自転車雑誌などが並ぶ。盛大さんはパソコンの前に座り、秀賢さん自作のホームページ(HP)を開いた。今もメールが寄せられるという。 「事故の後、HPがあるのを知りました。最初見たときは、いっぱい泣いてしまって最後まで読めなかった。読み終えたのはだいぶ後になってからです」。潤賛さんは何度も涙をぬぐった。 「息子が受けた大きな愛を周囲の人に分けたい」と、潤賛さんは毎週月曜、同市内の公園でお年寄りへの給食ボランティアを続けている。事故後に建立された追慕碑に花を手向けるため毎日公園に通っていたころ、偶然見かけた活動だった。早朝の買い出し、調理など苦労は絶えないが、息子への思いが活動を支えてきたという。 事故後、秀賢さんの命を犠牲にした行動は感動を呼び、多くの見舞金が寄せられた。盛大さんの寄付金で秀賢さんの母校には奨学基金が、日本には外国人就学生向けの支援基金「エルエスエイチアジア奨学会」(東京)が創設され、これまで281人を助けた。 「秀賢の分も、残った人には頑張ってほしい」。奨学金に込めた思いを語る盛大さんらの心の中には、秀賢さんが若いまま生き続ける。街で見かける若者の笑顔が重なり「見るのがつらくて下を向いて歩くこともある」。 潤賛さんは言う。「後悔があるとすれば、強い人間になってほしいと、あまりほめて上げなかったこと。もう少しほめて上げれば良かった」 2人は、東京で行われる慰霊祭に参列するため25日、日本に向かった。出発前、「息子に会えるような気がする」と盛大さん。潤賛さんも「いつも温かく迎えられ、日本に行くと元気をもらえます」と話した。 26日には映画「あなたを忘れない」の試写会に行く。日本での生活など秀賢さんの半生を描いた作品。「映画が、日韓両国民お互いの理解につながってくれたら」。2人は声をそろえた。 =2007/01/25付 西日本新聞夕刊= お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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