カテゴリ:四国へようこそ
大寒のこの時期、人がまばらなこの場所をゆるり歩くのが好きだ。 今年は例年に比べても寒さ厳しく、ニュースから流れる遠方の大雪に震えている。 こちらは有難くも雪はなく、他県ほど冷えこみもキツくはないが、それでもひときわ寒さが応える。 その中にあって、ほんの少し寒さの緩んだ昨日の午後、私は一人栗林公園を訪れた。 梅もちらほら咲き始めている。 これほどまでに冷たいと、春はまだまだ遠いところに感じてしまうが、膨らんだ蕾は私たちより一足早く春の気配に気づいているのかもしれない。 ぴんと張り詰めた空気の中で見る松の緑は、年が明けてひと月足らず、すでに弛んできた私の心を正してくれるかのよう。 心が浄化される気がする。 2時間ばかりのんびりと身を置いた。 そして、冷えた体は讃岐のあん餅雑煮で温めよう。 といいつつ、昨日は先にお腹の中を温め済。 おかげで寒さを感じることなく一歩一景を楽しめた。 讃岐のあん餅雑煮。 それは、出雲地方の小豆雑煮と京都の白味噌雑煮が一緒になったような実に不思議な存在である。 出雲地方から伝わった小豆の食文化は、餅の餡として変化し、汁は京文化が伝わり白味噌仕立てになった。 味噌汁の中に餡餅が入っていると考えると、それだけで違和感を覚える人もいるだろうが、白味噌との相性は思いのほかよい。
白味噌といっても京都の西京味噌のように甘くはなく、どちらかといえば辛め。 餅をかじって中から餡が出てきて、それが煮干しの旨味がでた出汁と渾然一体となる。 これが、なんとも旨いのだ。 古い雑誌にはそんな風に紹介されていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.01.24 20:52:19
|
|