[ぴんころ今昔物語]の記事一覧 | 歌うヒトヅマのおバカなブログ

基準

以前、トーチャンの友人が小学4年生の男の子を連れてウチに遊びに来た。父が訊く。「ぼーず、なんて名だ?」「サダノリッ!!」「そうか。いい名前だな。どんな字を書くの?」「えっとねぇ・・・」ぼーず、少し考えて・・・・「サダノリのサダに、サダノリのノリ(*￣∇￣*)bｷｯﾊﾟﾘ!!」うん正しいね・・・正しすぎるよ、アンタ。※あくまでもどこまでも“オレ基準” そうそう、さっき楽友の乃梨のりさんの日記を読んでいたら、痛ぁい過去を想い出しました・・・その昔、実家の近くに、長所を見つけるのがたいそう難しい女の子Cちゃん一家が引っ越してきました。いつ見てもスケスケヒラヒラのおネグ姿のお母さん。それとは対照的に、存在感が限りなくゼロに近い生気のないお父さん。ガリ勉メガネのお姉ちゃん。例えばCちゃんを大目にみたとしても、“なんだか変わった家だな”感は否めなかった。Cちゃんとはクラスは違ったが、近所だし同じ4年生。さっそく遊んでみると、彼女の話のほとんどは明らかに作り話なのに話の腰を折ることは許されず、あいづちや納得を強要される。夕飯の時刻が迫ったので「帰るね」と言えば延々泣かれるし、欲しくもない壊れたおもちゃや得体の知れない幼虫を無理矢理もらわされたり、「今日は遊ばない」と言うと勝手に人のウチに上がり込んだりするので、当然ひと月もすると皆に敬遠されるようになりました。ある日の休み時間。Cちゃんが「理科の教科書忘れちゃったの～。今日わすれたらワタシ廊下に立たされちゃう。　ぴんころちゃんにしか頼めないんだよぉ～、お願い貸して～：・。・゜゜・(≧◯≦)・゜゜・。ﾋﾟｨｰｯ」とギャースカうるさいので、仕方なく貸してやることにした。1日が経ち2日経っても戻ってこない教科書。催促するも、のらりくらりかわしては逃げてしまうCちゃん。仕方なく、あたしはしばらくの間、隣の席の子に教科書を見せてもらっていて「ぴんころはまた教科書忘れたのかぁ～」と先生に叱られていたんです・・・※改めて書くとなんかすげーマヌケだなそして1週間後、堪忍袋の緒が切れた少女ぴんころは意を決して彼女の家に直談判に行きました。昼下がりだというのに例によって例にもれずスケスケキャミソールにフルメイクで出て来た彼女の母親。あいにくCちゃんは不在とのことだが、事情を話すと彼女の部屋に通してくれた。しばし二人、無言で探す、探す、探す。・・・・・・数分後、勉強机の棚の隅に見つけたもの。それはぴんころお手製のカバーをかけたままの理科の教科書でした。「あっ、おばさん、ありました!! あたしの教科書っ」この棚にこれがあることはおかしいんです、そう否定するかのように慌てて手に取ると・・・そこにはマジックで堂々と4年6組　S山C子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Σ(Ｔ▽Ｔ;) !!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Σ(Ｔ▽Ｔ;) !!Σ(Ｔ▽Ｔ;) !!思わず顔を見合わせる二人。するとCちゃんママ、おもむろに口を開いた。「ねぇこれ、Cちゃんの教科書じゃない!! だってほら、名前が書いてあるわよぅ!!」嗚呼、なんて言ったら信じてもらえるのだらう・・・「おばさん、これあたしの手作りのカバーなんです。裏見て下さい。ほら、あたしの名前」ずっとCちゃんちにあった教科書ならば、ぴんころがそこに名前を書くことは不可能である。するとCちゃんママ、般若のような表情をさささと崩し、不敵な笑みを口の端に浮かべながら「・・・きっとCちゃん、どこかでなくしちゃってす～ごく困ってたのねぇ。　(カバーをびりりと破り捨てて)はい、これ持って帰ってっ!」と、あたしの顔の前に教科書を突き出した。・・・何かがおかしい。おかしすぎる。ここは多分ガツンと言ってやるべきタイミングなはず。だけど10歳かそこらのぴんころ、つたないボキャブラリーの中から今の心情を的確に言いあらわしつつCちゃんママをたしなめるセリフなんて当然出てくるはずもないし、そんな度胸もない。※しかも相手は妖怪おネグばばぁだし仕方なくただひとこと、「・・・ありがとうございます・・・・」そう言って彼女の家を後にした。苦手な女子にモノを貸してあげ、代わりに先生に怒られて、ちゃっかり横領されたものを自分から取りに行ったうえにお手製カバーまで破り捨てられ、謝っていただくどころかお礼まで言ってしまったあたし。一連の出来事にはあくまでもどこまでも一方的に“Cちゃん側基準”が適用されており・・・その毒気にすっかり当てられてしまったいたいけな少女ぴんころだったのでした。そして、その後も何度か泣き落とされて教科書を貸してしまったのでした・・・※ヲレのばかあほとんまっ!!!え? 今のあたしからは想像もつかないって?!!確かに今なら7倍は言い返せるが、頼られると意外に弱いところはあまり変わってない気もするな・・・あと学習しないとこもか～っ?!（;´▽｀

ひとしずく

今日もマジメにヨガ→HIPHOP→エアロ(スミスでない方)と頑張ってきた。HIPHOPの先生(♂推定26歳)がちょっとカワイイので、特にその時間は必要以上に張り切っている乙女なぴんころなのでした♪└(♥ｏ♥）┐♪芸歴?!10数年の間には、事務所の提携だったり自分で探したりでいろんなスポーツクラブやダンススクールに通った。踊るのは歌うのと同じくらい好きなんです。でもどうにも続かなかったんだなぁ・・・行くのメンドイし、汗かくしって。※遊ぶ方がとにかく忙しかったとも言うそれがこのところ、まとまった時間がとれるようになったおかげもあって出席率急上昇!!ウチでの仕事も家事も、スポーツクラブのプログラムに合わせて段取る毎日なワケです。あのですね。通う回数を増やしたばかりで何なんですが、早速身体が変わってきた(ような気がする)んです。スタイルもさりながら、なんだか疲れにくくなったぞう。もちろん精神的にもとても良いみたい。今や汗が滴り落ちるたびに絵も言われぬ快感を感じます。サウナのように動かずして絞り出すのでは得られない、さわやかな、あくまでさわやかなひとしずく・・・ 10年ほど前のとある午後。トーチャンがいつにも増してどぎつぅ～い下ネタをかましてきた。すでに成人で、もうウチも出ていたぴんころ、「まぁ今さらカマトトぶっても仕方あるまい」と応戦して笑いを2倍にふくらませ、父娘でガンガン盛り上がっていたことがある。すると横で黙っていたカーチャン、突然立ち上がり、「アンタも知らんフリぐらいできるでしょっﾍ(｡≧O≦)ﾉ」と、ぴんころをでっかいグウで殴ったのでした・・・※あれはほんまにいてかった・・・そんなアケスケなトーチャンいわく、ぴんころは“酔ったイキオイでできた子供”だという。小さい頃、えらくごーじょっぱりでワガママでかわいげのなかったぴんころは(今と一緒?!)カーチャンに叱られると本当に声が出なくなるまで泣き続けていたらしい。また「薬を飲まないとベランダに出すよ」と脅されると「いいもんっ。でるもんっ!」と捨て台詞を吐いて自ら外に出ていたらしい。気合いだけは昔から人並みではなかったのである。※さぞかし育てにくい子供だったことだろう。因果応報だけは勘弁願いたい・・・この話が出るたんびに父は言う。「仕方ない、仕方ないよなぁ。　　　おまえは酔っぱらったときのひとしずくなんだから(￣へ￣)b」そーそ、ひとしずくっ♪しこたま飲んだあげくのひとしずくなんだから、仕方ないよねぇっ≧(´▽｀)≦ｱﾊﾊﾊ・・・ってバカッ!!(*ﾉωﾉ) ｲﾔﾝ失敗作なのは、間違いなく、そんなアナタの子だからですっ。

アーティスト

真のアーティスト。それは規制概念にとらわれず、自由な発想で斬新な作品を創造する者。・・・こう定義してもよろしいのではないでしょうか。ぴんころ母がASAH○も驚くスーパードライな人物であることは既にお伝え済みなので今日はぴんころ父について語ろうとおもふ。トーチャンは正月恒例の家族オセロ大会で、自分が負けそうになるとその場で新しいルールを創ってしまうような人物である。※例：「一度カドをとったひとはもうとれないんだよー! しらねーのか?!」　・・・箱には書いてないようですがっ?　弟(当時7歳)なんぞは泣いちゃってますがっ?また、設計図まで描いて造った藤棚は見事にナナメっててめでたく洗濯物干しとして認知され、犬小屋に至っては家主ブンタに軽ーく入室拒否されるという伝説のぶきっちょさんでもある。時は昭和の50年代、日曜の昼下がり。ぴんころ少女はリビングでお気に入りの塗り絵に励んでいた。慎重に太枠をフチ取ってから、色鉛筆を傾けてキレイに塗りつぶす。この塗り方がマイブームであった。めずらしくトーチャンが「パパにも塗らせて～♪」と隣に座る。近ごろ会話も減っている父娘間のコミュニケーションをはかる作戦だろう。久しぶりの共同作業は、お互いなんだか照れくさいようなコンコロモチである。ぴんころは傍らにあったもう一冊の大切な塗り絵のとっておきのページを開きはみ出し厳禁であることをキツーく言い渡した上で、参加を許可した。2冊の塗り絵に仲良く取り組む父娘。自分の作業に熱中するフリをしながらもぴんころは時々目のスミでトーチャンの手の動きをチェックする。放っておくといつものマイルールを適用され、下手を打たれかねない。時々のぞき込んでは確認してみると“塗られ待ち”の少女○ャーロットが履いている編み上げブーツにいたっては、わざと先端を白く塗り残し“皮革のツヤ”を忠実に再現するなど、さすが大人らしい表現力である。トーチャンはちょっとした「写実派」ぶりを発揮していた。---------ほどなくして---------すっかり油断したぴんころの視界にぼんやりと映し出されたもの、それは何ぞ円を描くよな父の大胆な腕づかい・・・見れば、ベストが、黄緑の、ぐるぐる模様@@@で塗りつぶされている・・・よ。　「え゛ー!! 何これっ!　　キレイに塗ってって、キレイに塗ってって、あれだけ言ったのにぃ～っ」(ノ＞▽＜。)ノ））ｷﾞｬﾋﾟｨｰ!!と絶叫する少女ぴんころにトーチャンがひとこと。「きれいに塗れてるでしょ。だってこれはウールのベストなの。　冬だから、草原は寒いの」・・・毛糸のチョッキを着た女、若草の少女○ャーロットちゃん。・・・風邪を引かずに済んだ女、若草の少女○ャーロットちゃん。思いつきませんでした。○ャーロットちゃんの体温調節のことまでわ。嗚呼、たしかにはみ出してない、はみ出してないよ・・・トーチャ～ンッ(>

文豪ミニ

本屋には独りで行くのがいい。ぴんころはほぼ毎日本屋に立ち寄っている。店内をくまなく廻り、自分のペースで何十分でも立ち読みしつつ金を出すほどでもない本を冷やかし、独りニヤついてみたりブツブツと悪態をついたりもする。これが・・・たぁんのすぃ～っv(≧∇≦)v ｲｪｪｰｲ♪※時々ヒトが変な目で見ることは気にしなくてよいでせう少しコゼニが入った日には、「本のドカ買い」。とりあえず読みたいのを何冊でも、端から買っちまう。レジに時間がかかり、後方長蛇列構成員すべての両のマナコから“まだかよねーちゃん光線”が放たれようが、帰りの電車で荷物が重くて手がちぎれそうになろうが、なんのその。「どれから、どの順で読むか」このことで頭はいっぱいなのだから。ああ・・・ヲトナって素晴らしい!!天晴成人!!v(°∇^*)ｳﾞｨｳﾞｧｯこれは駄菓子屋で食べる順を決めかねるほどの量をバカ買いし、子供たちに憧れの目で見られる時の爽快感にちと似ている。※実際は大人たちにニラまれているのだが我が両親は共に編集者なので、育った家にはいつもたくさんの本があった。学校の図書室には絶対置いてないような、ちょっとキワドいやつ(といっても裸でムツミアウていど・・・いやいや充分ですね)も自由に読めて、その点においてのみマッコト良い家庭でした。学校に居場所の見つけられなかったぴんころは(8/29記参照)自然に本や雑誌が唯一のお友達となる。※けっして文学少女ではない。好きだったのは悪書ばかり小学4年生時分、千葉の片田舎ではいっこうに「スカウト」の兆しもなく、ぴんころは歌手が無理なら小学生作家になろうと、児童向けのSF小説を書いていた。平日は放課後から夜中まで。休みの日には一日中。それはそれは黙々と執筆活動に専念していました。もちろん専用のシャープペンとノートを買いそろえてね。※今と同じく、まず形から入るタイプだったのでした処女作は『不思議な鳥かご』。これは10ページくらいの短いの。～あらすじ～　鳥かごについた2色のボタン。　どちらを押してもまったく異なる2つの別世界に連れて行ってもらえます。　さて、主人公の押したのは何色のボタン・・・?!こんなかんじのお話で、絵本のイメージで書きました。続いて中編の『竜宮村の仲間たち』。これなんて挿絵付きで12章くらいまで書ききったんだ。小学生にとっちゃあ、まぎれもない超大作だ。～あらすじ～　サユリが浜辺で拾った子猫ゴロウ。　ある日、サユリはゴロウとテレパシーを通じて言葉のやり取りができることに気づく。　日に日に深く心を通わせる1人と1匹はたくさんの思い出を作っていくが　別れの時は突然にやって来た・・・・竜宮小学校に通っているサユリちゃんは、たしか7章くらいで、すごくカッコいい転校生に一目惚れをする。ぴんころは0・Iくん(はつこひのお方)への自分の気持ちとスッカリWらせながら“サユリあまずっぱいこひを知る”のシーンを微に入り細にわたり書いてて、SF小説ながらもちゃあんとラブロマンスが盛り込まれ、小学生読者諸君の期待に応えることを忘れていないのであった。数ヶ月の執筆を終えて未来の文豪(未ダ成ラズ)ぴんころは静かに筆を置いた。それを早速カーチャンに読ませる。「やっとできたぁ～。カーチャンが第一号読者だよ(´ー｀)」するとカーチャン、読後にひとこと言い放った。「ラストが・・・安易!（-.-）」小学生に向かって安易! 小4なりの力作を前に安易ってアンタ・・・!!Σ（￣ロ￣lll)しかもオチにダメだし・・・オレは新人漫才師かっ=3これを機にぴんころの夢はまた、アイドル歌手へと戻り、専用ペンとノートは学習机の引き出し奥深くへとしまわれたのでした。子供は褒めて育てましょうよ、ねっ、ねっ、ヲクサン!!!!

きらきら、に逢いたくて

小学校の頃、ぴんころはまったくもって「団体生活」というものになじめなかったわけです。1年生のしょっぱなでは、プロフィールの通り、じゃんけんに負けて劇の主役を取り損ね、以後保険室に引きこもりました。※芋掘りの絵に吹き出しを書いて先生に注意され、泣きながら白絵の具で消した日の晩には、「あした、がっこうやめるってきめたから」とカーチャンに言ったそうです。2年生、一列に並べと言われるたびにいつもちょぴっと前後左右にはみ出してしまうことを先生に注意されまくり、キレて運動会をさぼりました。※本人は大まじめにまっすぐ並んでいるつもりなんだからさぁー3年生では「キキララと雲のまち」という空想ごっこにハマって、まったく勉強についていけなくなりました。※教室から空を見て「だいたいあのへんが雲のまち2丁目で、あの木の上あたりが床屋とバス停で・・・」とかcity mapみたいのをしんけんに作っていた4年生の時、髪を巻き、マニキュアをして学校に行ったらば担任の先生に目をつけられてさんざんな思いをしました。※カーチャンのしわざです。「かわいいから大丈夫」ってゆったぢゃん・・・(ー.ー)ゞそして5年生になると、ぴんころはついに筋金入りのいじめられっ子になってしまいました。理由はね、「服装が皆となんか違うから」「皆と一緒に行動しないから」「○○ちゃん(リーダー格)に従わないから」いや、その通りなんすけど。これがクラス持ち上がりでたっぷり2年間の“無視地獄”。今みたいに暴力的ないじめこそなかったにしろ、11・12歳の子供にとって、これは相当なしうち。遠足で班を作る時もおべんと食べる時も、いつもひとり。だから学校のイベントなんて大っ嫌いだった。当時は両親も仲悪くて、夜になると家中に怒声が響いてて、あたしの居場所はいつだって空想の中にしかありませんでした。ピンクレディーになって皆の前で歌い踊る自分。聖子ちゃんと一緒にベストテンに出演する自分。誰もいなければいつだって歌ってた。そして2年間、ぴんころはへっちゃらな顔をして小学校に通い続けました。あ、これは大人になってから聞いた話なんですが。ある日、カーチャンは担任に呼び出されたそうだ。「ぴんころちゃん、学校でいじめられています。ご家庭ではいかがですか?」と。カーチャン、少し考えて。「・・・そうですか。全然知りませんでした。でもほっといて下さって結構です。本人なんにも言ってこないうちは私も口出しするつもりありませんから」と答えたそうな。ぴんころはそんな一見冷たいカーチャンに今ものすごーく感謝しています。なぜなら誰にも相談せず、まいにち重い足を運んで学校に通い、孤立無援なクラスの中でキゼンとし続けることを選んだ小さな女の子のプライド、ちゃあ～んとわかってくれてたんだなー、って想うから。さてさて、大人になったぴんころは、ピンクレディーにもなれず聖子ちゃんと共演もできていない。だけど歌う人になった。ぴんころがかれこれ7年続けているラテンバンドは、おっきなバンドのバスで全国の学校(主に小学校)へ赴き、「音楽教室」という名の体育館ライブを行っています。この仕事が20代の頃とは比べ物にならないくらい、肉体的につらくなってまいりました。機材とメンバーを積み、日本列島を縦横無尽に走るバンドバス。移動→ちょっと休憩→そこらでめし→また移動と繰り返す、ブロイラー寸前のあたしたち。一度なぞ台風でフェリーが欠航、九州は宮崎まで陸路でがんばり(がんばったのは主に運転手だけど)朝の4時にホテル入りして9時から本番やった時には「あしたやめよーかなー」とかチラリ(´･ω･｀;)想ったものでした。でも・・・今日も体育館のステージに立って小さなお客様たちを見回すと、悩んだり不安な気持ちでいる子供の顔、あたしはすぐにわかります。そんな子が、トークや歌、ダンスにだんだんとひき込まれ、音楽の世界にひたり、ラストのぐるぐるパレードの頃には“きらきら”本当に明るい笑顔になってくれてる時がある。そういう瞬間に出逢えた時、あたしは思わずポロリと泣いちゃいます。今だけ、今だけでもいろんなこと忘れてくれたらいーなーって。そう、歌ってる時だけがHappyだった11歳の自分に「大丈夫だよ。シアワセになれるよ」って言ってあげたくて、ぴんころはこの仕事を続けているのかもしれません。

音楽屋はぢめのいっぽ

時はぴんころ高校1年、16歳の冬。バンドブーム到来の少し前。クラスでギャルバンドを結成するにあたり、パート決めが行われた。中学時分は手作りチケットを配り、放課後の音楽室で「歌のリサイタル」を開いていたぴんころ、はじめはもちろんボーカル志望でした。でもボーカルをやりたいってコはすでにいて、これがあたしよか全然上手かったので内心くそーとか思いながらも楽器で一番目立てそうなギターを選んだんです。女の子でエレキギターやってるって、当時は本当にめずらしかったしね～。ある1月の寒ぅ～い日、まったくの初心者(でも心はすでに名ギタリスト)のぴんころは、勇ましくもたった独りでラ○ックス楽器館に赴いた。今おもえばギター買うのに何故にラ○ックス?なんですが、その時は電気通すモンならとりあえず秋葉原っしょ、っておもったんですわ・・・えへ (///ω///)右も左もわからぬぴんころが予算とデザインだけで選んだ白×黒のストラトを長髪、極細黒パン(楽器屋店員定番。ただし1980年代のハナシ)の兄ちゃんが♪ぢゃっ、ぢゃっ、ぢゃー、りろりろりろりろ～♪と試奏してくれます。んで店員の常として「どーお? 値段のわりに結構音いいっしょ?」とかって訊いてくるわけです。ギターの弦が6本だってこと、一週間前に知ったばかりの小娘に。なのに“あたし、音とかよくわかんないんでー”とかいうのも照れくさく(いや、すでにバレバレなんだけど)、「はい、じゃそれでいーでぇっす」と即決したのでした。※そもそも3万円のギターに音質など期待してはいけないと後に知るこの時、あたしはものすごく楽観的かつ浅はかな勘違いをしていた。「まぁ2～3ヶ月、このぴんころさまが本気で練習すりゃー、あの兄ちゃんくらいはチョチョイと弾けるようになるだろう」だってすごく簡単そうに弾いてたから。だってすごく簡単そうに弾いてたからぁ～っ!!!・・・思わず2回申し述べてしまいました。もちろん認識の甘さは帰宅後のお弾き初めにてすぐに露呈した。・・・どのぴんころさまだ、このアホ娘がぁっ。りろりろ♪どころか「ぴきっ・・・どべばーん」なんていう乾いた雑音しか出ないぢゃないかーっ。偶然出るのは完璧なまでのふ・きょ・う・わ・お・ん。ガ━━(*′Д|||)━━ン!しかし学祭は半年後に迫っていた。「やっぱりゴリ押しでボーカルの座を奪っておけば・・・」などとつべこべゆってる場合ではない。ここから文字通り、血のにじむような努力が始まった・・・いやぁーしかし後にも先にも、あんなに真剣に何かを練習したことはないです、あたし。そうやって、つたないながらも3年続け、嬉しくも卒業までに超人気バンドへと成長した愛しのKETCH-UP(ケチャップ)が「スポットライトの下ってきんもちい～い♪」「皆と楽しく盛り上がりた～い」ぴんころ人生の“はぢめのいっぽ”なのであります。うん、音楽で何とかおマンマが食べられるようになった今も、ステージに向かうときの心持ちはあの頃と何ら変わっちゃいないのですから。ところでその後17年間、ギター弾きながらコーラスしたり、ギターボーカルなんて時もありましたが、今や楽器はリビングのインテリア、FどころかCさえアヤシイ手つきのぴんころ。才能か根気、どっちかが欠けていたと思われる。・・・多分両方だ。