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• ミイとスナフキン

  先日友人が遊びに来てくれた。友人と言っても初めてお会いする二人、ネット上での友達だ。と言ってもnaraさんに練習仲間の友人だから、友達の友達はみな友達だ。お土産のひとつにスナフキンのフィギュアを貰った。私がムーミン特にスナフキン好きと知ってのプレゼント。ありがとうございます！このブログの最初の頃に書いたが、スナフキンはミイの異父弟である。お土産を下さった友人はミィにどこか共通した所がある。その友達の人気ブログにもそんな事が書いてあった。ミイ（μ）は『歯に衣きせぬは発言と、思うがままの行動が小気味いい、ムーミン童話のスパイス的自由人』『自由というものをよく知るミイの他人のつきあいかたは、相手をそういう人だとみとめて好意をもちながら、しかも無関係である』『ミイは頭がよいうえに、するどい観察力をもち、直感的にものごとの本質を見ぬく。そして現実を冷静に受け止める』好奇心が強いという所も共通しているように思う。友達は友人も多く慕われているのに、一人でもバンバン行動するタイプ。スナフキンは『たいへんなもの知りだが、決して知識をひけらかさない』（カッコイイ！）『したいことがわからなくなって悩んでいる人たちが、自分からしたいことに気づくようにうまくしむけ、またさりげなく助言する。スナフキンは人の気持ちや性格を見ぬくのがじょうずなのでとてもうまくいき、そのうえ相手はスナフキンのおかげだとはまったく気がつかない』友人は他の人のブログなどで、悩んでいる人やちょっと落ち込みそうな人にさりげなくコメントを寄せている。それも押し付けがましくない。そこはスナフキンっぽいかも。ところで写真左のスナフキンのフィギュア、snufkin twenty-four children。『二十四人の行き場のない森の子供たちにたよられ、結局いっしょに旅をするはめになった。ひとりならば気にしない食べもの、洋服、寝場所を心配し･･･』自由・一人が好きなスナフキンだが、自由に生きられなくなっていると気になり手を差し伸べてしまう。ムーミンが『スナフキンに手紙を書くときは、「要点だけを短く書き、約束ごとや感情的なことはいっさい書かない。そして、最後は、げらげらわらいだすようなことで結ぶ」ということを知っている』私もブログなどはこのようなトーンを目指しているがなかなか難しい。『　』内はムーミン童話の百科事典からの引用。

  2006/11/22

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• 『ら』抜き文章の考察、『注文の多い料理店』

  昨日コミュニケーションをコミニュケーションと間違って書いた。後で読み直してあれ違う？と思い、調べたらやはり間違っていた。英語できないんです。日本語もですが。最近『ら』抜き文章が当たり前になってきている。口語体は勿論、文章でも当然。言葉は移り変わるものだから当然と言えるだろう。私は小さな頃「～でさぁ」というと母に叱られた。語尾に「さ」をつけてはいけませんと。なので、日本語について決して詳しくないが少し保守的かもしれない。平成教育委員会という番組で、アナウンサーが「作れるようになったのは」と言った（と思う）。文字スーパー「作られるようになったのは」と書いてあり間違いだ。アナウンサーが、ましてや教養を扱う番組なのに。が、ちょっと考えてみた。氷が作ることが出来るようになった時は、という事を言いたかったのだが、「作られるようになったのは」というと、出来るけれどもしないという意味にも取れる。一方「作れるように」の場合は、「作る事が出来る」との意味に取れる。そこで思い出したのが宮沢賢治の『注文の多い料理店』だ。有名なこの作品、「食べられます」がキーワードになっている。らが「可能」と「受身」のどちらの意味にも取れる事を利用している。食べる事ができます、（あなたが私に）食べられます、と。普通の生活では前後の意味で判断するのだが、この小説では森の中の西洋料理店。自分が獲物だとの考えは人間の頭には無いから、受身の可能性は自然と消えてしまう。だが、銃などの武器を持たない人間は弱い動物だなのだ。私は、宮沢賢治の大きな世界観が好きだ。しかし、日本語って難しい。

  2005/09/01

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• 『当世の悪魔の辞典』

  昨日久しぶりに新どっちの料理ショーの後半を見た。少数意見の人間は、切り捨てられるという世の中の掟のもと成り立っている番組だ。今回のテーマ『牛肉　ＶＳ．マグロ』マグロ好きでない私でも、マグロを選ぶだろうと思ったら、まぐろの勝ち。やった！、、、でも食べられないけど。魚の方がストーリー作りやすいものね。海の男　対　巨大魚って。牛で物語を作りすぎると、『ドナドナ』っぽくなりそう。前半みていないので、どのような展開されたのかわかりませんが。ところで別役実の『当世の悪魔の辞典』。日記を書き始めた頃、面白いとのコメントを戴いていた。本屋で目に飛び込んできたのでお買い上げ。〔食べ物〕たべものかつてクジラは食べ物の一種であったが、現在では我々の仲間である。つまり「食べ物」とは、進化して知識を身につければ、やがて我々の仲間となるもののことである。〔動物〕どうぶつ人間は≪動物≫を食べてもいい。一方≪動物≫は人間を食べてはいけない。ただ最近、この考え方にはやや反省がみられ、人間が食べてはならない≪動物≫の存在をいくつか認めることになった。しかしまだ、人間を食べてもいい≪動物≫の存在はみとめられていない。このあたりは、不公平ではないだろうか。とある。前書きが面白い。要約正しい読み方はないが、「こう読んで欲しい」というのはあると書いてある。辞典であるので、どこから読みはじめてどこでやめてもかまわないということ。一番いいのは、本を空中に放り投げ、落ちて開いた頁を読む。この方法の長所は、読書家が陥りがちな運動不足を解消してくれる。欠点はその所作が面白くなり、読む事がおろそかになること。そうしているうちに本は読み終わると同時に本でなくなる。さっぱりする。内容が気に入って蔵書にしたい場合、もう一冊購入すればいい。面白さの秘訣はマジメ（本人は笑っていない）に書いている所だ。

  2005/07/15

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• 『オウムガイの謎』

  ピーター・Ｄ・ウォード／著内容紹介：先史時代からの「生きている化石」を捕えるため、太平洋の深海に挑んだ三世紀にわたる科学的冒険の記録。謎にみちたオウムガイの生態を解明するため、生命を賭してフィールドに挑む。感動のノンフィクション。潜水艦というと『ノーチラス号』という名前が浮かぶ。ノーチラスは、オウムガイのこと。絶滅したと思われていたオウムガイは深海にすんでいるが、時々海の上に浮いてくる。まさに潜水艦。オームガイの貝殻にその秘密が隠されている。と本には書いてあったが、10年前に読んだので、詳細は忘れた。でも面白かったです。造形的にも、アンモナイトやオウムガイは好き。ある人と別れたときにオウムガイの貝殻をもらった。何か記念になるものを貰ってくれと言われたので、気に入っていたオウムガイをいただいた。掃除の時に落としてかけてしまった。かわいそう。ずっと昔初めての一人旅で行った『鳥羽水族館』にオウムガイがいるようだがその時もいたのか、記憶にない。夏に向けてオウムガイをイメージしたデザインに変えてみました。

  2005/07/01

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• スナフキン　トーベ・ヤンソンの命日

  ６月２７日はムーミンのトーベ・ヤンソンの命日。亡くなって４年が経つ。私の北欧への憧れは、小さな頃の絵本のアンデルセンやムーミンのアニメの影響だと思う。トーベ・ヤンソンは画家です。+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + ++ + + + + + + + + + + + + + + + + +スナフキンについて　　　ムーミン童話の百科事典より直訳すると『かぎタバコ野郎』、でも吸うのはパイプたばこ。今では嫌煙家に嫌われそうですね。私はタバコは吸わない、昔っから。嫌煙家の多くは喫煙者だったりするから不思議。全く吸わない私がタバコの煙平気なのは、鈍いから？内田百けんの随筆にも彼が幼稚園の時から喫煙していたとあるし、現在のような煙たがられる存在ではなかったよう。話は元に戻ってスナフキンは『自由と孤独を愛するボヘミアン』。持ち物は最小限、テントとハーモニカなど。雷雨も好き。大変な物知りだが、決して知識をひけらかさない。人は悩むとスナフキンに相談にくるが、一人で居ることが好きな彼には迷惑な時もある。或る時２４人の行き場のない森の子たちに頼られ一緒に旅することがあった。一人ならば気にしない食べ物、洋服、寝場所を心配しなければならないが、結局世話をした。スナフキンは人の気持ちや性格を見抜く事が上手で、助言がうまくいき、助言された相手はスナフキンのおかげとは気づかない。スナフキンの嫌いなもの、それは看板や立て札。『禁止』をあらわす言葉がかいてあるから。スナフキンは哲学者で詩人で政治家だった、ヤンソンのかつての恋人がモデルだ。+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + ++ + + + + + + + + + + + + + + + + +埼玉県飯能市のあけぼの子どもの森公園にはムーミンの世界が広がっている。お洒落なアイアンや珪藻土、ヒノキなど自然素材を使ったムーミン屋敷などがある、大人でも十分楽しめる場所。家を造る時、ここを参考にして外壁を珪藻土にしようかと悩んだ。結局『ジョリパッド』というものにしたが。日記の最初の頃に書いたが、今日は親友が旅立って４年。夢でいいからたまには会いたい。

  2005/06/27

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• ピノコ

  ハンドルネームは『ぴのこ』を使かっている。ご想像のとおり、ブラックジャックの『ピノコ』から拝借している。ピノコは余りにもカワイイ響きで、薹が立っている自分に使うのは申し訳ない気もしている。８０年代に発見された『ピロリ菌』なんかも、実態は可愛くないのに名前はカワイイから、私も許してもらうことにしよう。ピノコは元相方（roadmanさんの呼び方お借りします_(._.)_）がつけた愛称だ。私は手塚作品をよく読んでいたが、彼は絵が苦手らしく、読んでいなかった。私に感化され読むようになり、内容の面白さに後には手塚作品を沢山買うこととなった。彼は『ピノコ』というキャラクターを大変気に入ったようだ。多分、自分を『ブラックジャック』のような、、、と勘違いしていかもしれない。ピノコは奇形嚢種だった。ブラックジャックが合成繊維と人造皮膚を使って、ピノコを人間に仕立て上げた。完全な人間でないピノコだが、とても人間らしい。多分ＢＪはロリコンなんだろう。『ピノキオ』の文字を見て思った。ＰＩＮＯＫＩＯからＩを抜けばＰＩＮＯＫＯ。手塚治虫はピノキオからきっとピノコを命名したのだ！と思った。そうでないかも知れないし、みんな、気づいているかも知れないけど。

  2005/06/24

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• 童謡の謎３

  図書館で続きを借りて読んだ。この頃になるとネタも尽きてきたような気がするが。『村祭り』村の鎮守の神様の今日はめでたいお祭り日どんどんっひゃらら、どんひゃらら～♪この歌は学校で教えなくなったそうだ。（本出版時点）なぜか？昭和３７年兵庫県で４５年には香川県で『村』が無くなった。教科書は全国的に使われるので村が存在しない県があるので、時代にそぐわない歌とされた為。なんとお役所考えなのだろう。行き過ぎた平等は弊害を与えるように思う。運動会で順位をつけないとか。。。私は、運動が苦手で『運動会』が中止になったらいいと思っていた。でも、トップがいればビリもいる。そんなの当たり前だ。変な平等主義には疑問だ。『黄金虫』黄金虫は金持ちだ～♪作詞は野口雨情。彼の出身地の北茨城では『チャバネゴキブリ』を黄金虫と呼んでいた。その昔、ゴキブリはお金持ちの家にしかいなかったのだ。愛知県にも似た話が残っていてゴキブリのいる金持ちの家の玄関先には「油虫売ります」の貼り紙があったそう。愛知の方スミマセン。本に書いてあったので。何十年か前までゴキブリは目の敵にされていなかったのだ。写真は昨年愛知を旅した時見かけたもの。コオロギ生産、それも１匹１０円、誰が買うのだろう・・・。

  2005/06/16

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• 作家の思うところ

  『交渉人　真下正義』写真は全く無関係。市川雷蔵のポストカード。いやぁ～、男前だねー！私は『片岡千恵蔵』が好きだけど。おかしいじゃないか！と思うところは多々あったのだがこの際気にしない。ただひとつ、結局犯人がわからない、謎のままなのだ。私は余韻を残した、すっきりしない映画が好きだが、これは手抜き？としか思えない。重要な役どころである犯人は誰か！予算もだいぶカットできたであろう、脚本も楽できただろう。柳葉主演の続編ができているようであるから、そこで解決？商売上手！なのかもしれない。内田百けんの『居候そうそう』は新聞の連載小説だったが、新聞社倒産の憂き目に合い中途半端なところで終わっている。連載を始めるにあたって内田百けんは、終わりでまとまりがつかなくなったら登場人物を皆殺しにしてしまおうか、と書いてあったが、正直で好感が持てる。ついでに新聞連載時の挿絵は、『谷中安規』（4/23日記参照）でこの仕事が続いていたら餓死せずともすんだのではないか？もう少し生き延びれば、仕事が待っていたのだから、などと余計な事を思ったりした。時期が違うだろうから、多分お金使っちゃうと思うけれど。

  2005/06/11

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• 白洲次郎という男

  魅力的な男だ。私は安部公房が近くにいたらきっと直ぐに恋してしまうだろうと思っているが、白州次郎の場合、それとはまた違う、凄い魅力の持ち主だ。男が憧れるような男ではないだろうか。がまだ、白州次郎について良く知らない。近くの本屋には置いていないので、ジュンク堂にでも寄った時に探してみよう。私は移り気だ。４月には澁澤龍彦が気になり何冊か読み、今度は内田百けん、どんどん興味は移っていく。でもいいのだ、小説『檸檬』じゃないけど、何やってもダメな時ってあるし。白州次郎について知ったのは昨年夏、青山のインテリアショップIDEE。『白州次郎』『風の男 白州次郎』本が平積みされていた。表紙の写真、白髪なのにかっこいい。白州という名で『白州正子』を思い浮かべたが、やはり彼女の夫だった。白州正子についても良くは知らない。彼女の訃報に接し、年齢を重ねても凛としたステキな女性がいたと知った。人と一緒だったので長くその場にとどまる事は出来なかった為、本を読むことはしなかったが、気になっていた。最初にジーンズをはいた男と言われ、白のＴシャツ＋ジーンズ姿がいいのだ。一方で三つ揃いのスーツの似合うこと！神戸出身、イギリスに留学、ケンブリッジに学ぶ。イギリス貴族も乗れないような車を２台も所有。日本人が持ちがちな欧米人へのコンプレックスは感じられない。第二次世界大戦当初より日本の敗戦を見抜き鶴川に移住、農業に従事する。戦後、吉田茂首相に請われてGHQとの折衝にあたるが、GHQ側の印象は「従順ならざる唯一の日本人」。高官にケンブリッジ仕込みの英語をほめられると、返す刀で「あなたの英語も、もう少し勉強なされば一流になれますよ」とやりこめた話は有名。晩年までポルシェを乗り回し、軽井沢ゴルフ倶楽部理事長を務めた。田中角栄が首相の時、ゴルフをしたいとの申し出を会員でないからと断った。田中角栄に対して特別な感情があったわけではない。彼が逮捕された時、それまで彼を持ち上げていたマスコミが手のひらを変えた様子を批判している。そして遺言は「葬式無用、戒名不用」。彼を評するにある小説家は重厚にして　自由気まま 毒舌家にして　友情にあつく 紳士にして　野生的 窮地にいたっても、くじけない 型破りな男 と表現している。動かない人なのだ、まわりに流されない。人に迷惑をかけないで。そういう人に憧れる。（3/9日記の南方熊楠など）他の人を気にしたり、比較したりしないで動かな人。晩年、コーヒー好きの彼はコーヒー店に寄っては、冗談を振りまきながら、 深入りの極細挽きを 買っていったそう。 店の人は、彼の事を知らず「冗談好きの“白州”というおじさん」 と言ってた。彼の訃報に際し、写真付きの大きな報道を新聞を見て初めて知り涙したそう。白州次郎は間違いで、正しくは白洲次郎でした。

  2005/06/04

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• 『檸檬』

  梶井基次郎の短編小説『檸檬』。初めて読んだのは高校生の教科書でだった。梶井基次郎は繊細な文章に似合わない面立ちの方だ。柔道選手を思わせるような。がっちりした方、偏見ですね。健康そうな見た目と違い、病弱で肺結核のため３１歳死去。夭折の作家である。昔のドラマ宇野千代の自伝『生きていく私』で梶井基次郎役を村田雄浩が演じていたと記憶している。なるほどと思わせる配役だった。新潮社のＨＰでこの小説が読めるサイトがある。私の気持ちをこんなにあらわしている小説があったとは！と驚いた。私にも時々やってくる、「えたいの知れない不吉な塊」「私を喜ばせたどんな美しい音楽も、どんな美しい詩の一節も辛抱がならなくなった。」強く惹かれるものとして「見すぼらしくて美しいもの、風景にしても壊れかかった街」「汚い洗濯物が干してあったりがらくたが転してあったりむさくるしい部屋が覗いていたりする裏通り」「安っぽい絵具で赤や紫や黄や青や、様ざまの縞模様を持った花火の束」「びいどろという色硝子で鯛や花を打出してあるおはじきが好きになったし、南京玉」「あのびいどろの味程幽かな涼しい味」等を挙げている。私の惹かれるようなものである。私が好きな食物はと聞かれれば『レモン』と答えるだろう。主人公は街を歩き八百屋の店先で檸檬を見つける。「レモンエロウの絵具をチューブから搾り出して固めたようなあの単純な色、あの丈の詰った紡錘形の恰好」が好きなのだ。それを買い、暫くすると不吉な塊が消えていく。「――つまりはこの重さなんだな。――」「疑いもなくこの重さは総ての善いもの総ての美しいものを重量に換算してきた重さ」なのだ。檸檬の冷たさ、香り、色、形。梶井基次郎の小説は色彩的で詩的だ。ずっと入れないでいた『丸善』にも今日は入れそうだと思い、入ったみたが心を充していた幸福な感情は逃げて行く。歩き疲れとおもったが、大好きだったアングルの本まで堪え難い。本の色彩をゴチャゴチャに積みあげて、その城壁の頂きに檸檬を据えつけた。「檸檬の色彩はガチャガチャした色の諧調をひっそりと紡錘形の身体の中へ吸収してしまって、カーンと冴えかえっていた。」檸檬を爆弾にみたてて、十分後には丸善が美術の棚を中心として大爆発をすると思い描いた。「そうしたらあの気詰りな丸善も粉葉みじんだろう」同級生のほとんどが「意味がわからない！」と言っていた。今なら「爆弾」に見立ててしまう辺りで、危ない人のようにとられてしまうかも知れない。だが私にとっては、最高の小説。

  2005/05/30

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• 『匂いのエロティシズム』

  よくお伺いしているブログの中に安めぐみはかわいい。とあった。多くの男性、いや女性の皆さんもそう思うだろう。私もカワイイ！と思います。安めぐみさんは、臭いフェチで、何日も履いた靴下とか最高！と言ってたそうだ。（無断借用スミマセン。）天然なのか、他のアイドルとの差別化を図る計算なのかはわからないが、私もそういうの好き。本題の『匂いのエロティシズム』集英社新書 鈴木 隆著媚薬、フェロモンからブルセラ、ボンデージ、果ては人類の性進化までをも「匂い」を論じている。いやー、かなり面白かった。嗅覚は疎んじられやすいが、生物にとって原始から発達した機能だ。上野の科学博物館では『恐竜博』が開催されているが、ティラノサウルスの小さい脳の半分は嗅覚系で占められていると聞いた。（うる覚え）麝香（ムスク）は、オスの麝香鹿の麝香腺分泌物を乾燥させたもの龍涎香（アンバー）はマッコウ鯨の腸内にできる病的結石。最近は消臭ブームで少しでも自分の匂いを消すことに躍起になっている。その一方で、自分たちが消したがっている匂いと同種のもので作られた上記のような媚薬と言われる香水をつける。若い頃付き合っていた年上男性は、いつもコロンを付けていた。名前も知らないが、今でもあの匂いがすると鮮明にあの頃の事が思い出される。目や耳もそうだが、鼻は脳に近い場所にある為、記憶との関係が想像以上に強いように思う。生物学的とか文化人類学的とか、アプローチが違うと見方も様々である。紹介しきれないが内容は多岐に渡って興味深い。本の中に『ウェブやぎの目』という人気サイトの『匂いカミングアウト』が紹介されている。私も随分前、友人から教えてもらって知っていた。匂いは生物系と化学系？の２つとがある。耳周辺の匂いが好きという人が多いそうだ。この本で初めて知ったのはラバーフェチなるものだ。普通は理解されないであろう、このフェチシズム、著者は、幼児期のゴム製品との因果関係を述べている。ラバーフェチの多くは母乳ではなく哺乳瓶でそだったのではないか、と。乳児の頃、お腹が空いて吸い付く哺乳瓶、それに哀愁郷愁を覚えてもおかしくはないだろう。この説を友人に話したら却下された。哺乳瓶を使った人がラバーフェチになるのではない。彼らは小さな頃からラバー製品と深く関わっただろうと考えられるということだ。逆に言えば小さな頃ラバー製品に関わらなければそうはならないということだ。この本の話をした友人（女性）は耳の匂いが好きと話してくれた。友人（男性）は北海道出身という事もあってか、石油の匂いが好きで脱いだ靴下の匂いは嗅ぐものだ、あなたも必ず嗅ぎなさいと言われた。「えー、臭いのいやだもん」で話が終わらない友人がいてくれて幸せ。

  2005/05/25

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• 『やっぱり、ひとりが楽でいい！？ 』

  岸本葉子さんのエッセイ。親友にいただいた本。「この人、ぴのこに似ているよ」と。似ているといわれた人シリーズ第２弾。私は人に話題を合わせるのも比較的得意な方だと思う。いつもニコニコして明るい、と言われがちだが決してそうではない。親友だからよく判っていらっしゃる。結婚前だったし、付き合っている人もいたんだけれど。彼女には、私が結婚が向いていないとわかっていたのか。デートの帰り「今日は楽しかったわ。」と言っておきながら、部屋に戻り一人になるとほっとする。「あ－ぁ、疲れた～！」という感じ。ここ１０年以上、年に数回、泊まりで遊びに行く友人たちとさえ、その度便秘が酷くなり、ガス？でお腹がぱんぱん！ガスぴたんという商品が売られているのもわかる。未だに緊張しているのだろうか？？大工の友人は、日に数回お通じがあるというし、こんなに食べていないぞ！と思うほど出ると言ってた。羨ましいです。あっ、下世話な話題になってしまった。話は元に戻る。岸本葉子さんは外出するのにお化粧などきちっとするが、ぴのこはしないところが違うけどね、と親友には言われた。本の内容は私にとっては目新しいこともなく、今で言ったら「負け犬」のエッセイということになるのだろうか。他の人と生き方を比較するくらい無駄なことはないと思うが、たまには、してしまうよね。

  2005/05/19

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• 面白すぎるぞ！新明解国語辞典

  長く生きているが、面白いこの辞典を今日初めて知った。きっかけは１８歳の少女監禁事件でのニュースだった。「兵庫県赤穂市の当時１８歳の無職少女が約３カ月間監禁された事件で、無職小林泰剛容疑者（２４）が少女とインターネットで知り合った当初、悩み事の相談に乗るなど優しく接していたことが１４日、警視庁捜査１課の調べで分かった。少女が自分に好意を抱いていると分かると態度を一変させるなど、巧みに硬軟を使い分けていた。他人を心理操作することに習熟していたとみられ、捜査１課は監禁に至る経緯を詳しく調べている。『習熟』？言葉のニュアンスに違和感を感じた。心理学でも習っていたのだろうか。もって生まれた才能（この場合は負の方向なので才能という言い方は変かもしれない）ではないのだろうか。警察等は何かと理由などをつけたがる。で『習熟』について調べてみた。『習熟』　：　習い覚えて、よく通じていること。by三省堂やはり習いとある、しかし実際は習ってはいないのではないか？Bookshelf Basic version3で調べてみる。―するその事に慣れて△上手に（そうする事が習慣と）なること。ちょっとニュアンスが違う。Bookshelf Basic version3の国語辞典は新明解国語辞典 第五版 (C) 三省堂のようだ。同じ三省堂なのに。 気になったので『新明解国語辞典』について調べてみた。Amazonのカスタマーレビューに≪語義の客観性を排除してしまっている書物と言える。≫と書いてある。他のサイトを見ていると新明解国語辞典の下記のような事が書いてあった。新明解国語辞典で恋愛を調べてみると。れんあい【恋愛】　特定の異性に対して他の全てを犠牲にしても悔い無いと思い込むような愛情をいだき、常に相手のことを思っては、二人だけでいたい、二人だけの世界を分かち合いたいと願い、それがかなえられたと言っては喜び、ちょっとでも疑念が生じれば不安になるといった状態に身を置くこと。（第６版）と普通なのだが、第５版ではれんあい【恋愛】　特定の異性に特別の愛情をいだき、高揚した気分で、二人だけで一緒にいたい、精神的な一体感を分かち合いたい、出来るなら肉体的な一体感も得たいと願いながら、常にはかなえられないで、やるせない思いに駆られたり、まれにかなえられて歓喜したりする状態に身を置くこと。（第５版） 常にかなえられる人もいるしなぁ。稀って・・・著者の恋愛体験が目に浮かぶよう。れんあい【恋愛】　　特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持ちを持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる・（まれにかなえられて歓喜する）状態　（第４版） 辞書なのに合体ですよ！合体。恋愛はピンク色にしてみました。がったい【合体】　１起源・由来の違うものが新しい理念の下に一体となって何かを運営すること。　２「性交」の、この辞書でのえんきょく表現。　　（第４版） この辞書って！かなり主観的なのですね、びっくりです。あー、面白い発見した！

  2005/05/14

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• 『二十歳の原点』

  以前、元同僚と二人でお酒を飲んでいる時に 二十歳の原点の作者、高野悦子さんに似ていると言われた。年下だが先輩の当時とても仲の良かった男性の同僚だった。本のことは知っていたが、読んだことはなかった。顔は全然似ていないので、物の感じ方がということだろうが、どういう意味だったのだろう。とふと思い出した。どころで先日の根津神社の裏の根津Ｓ字坂にあった下見板張りの洋館は内田百けんの下宿先であったとネットで知った。世の中不思議とリンクしているものだ。

  2005/05/05

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  内田百けんと谷中安規

  先日の日記でも書いた内田百けんと谷中安規。谷中安規の版画の挿絵の入った内田百けんの本を調べてみた。池袋の『ジュンク堂』は日本最大級の本屋だが売っていなかった。重版未定？となっていたような気がする。全集と呼ばれるお値段の高い本ならあるのだろうけれど。アマゾンで調べたら文庫の在庫があったので内田百けんの本を２冊購入。内田百けんは読んだ事がない。黒沢明監督の『まあだだよ』で初めて知ったくらいだ。童話『王様の背中』の序には「この本のお話には、教訓はなんにも含まれておりませんから、皆さんは安心して読んでください。どのお話も、ただ読んだとおりに受け取ってくださればよろしいのです。それがまた文章の正しい読み方なのです」と書いてあり内田氏の人柄が伝わるようだ。内田氏は猫が好きだったようだが、谷中（場所）にある私の大好きな朝倉彫塑館には朝倉文夫氏の好きだった猫の彫刻が沢山展示してある。とてもリアルなものだ。ここは彫刻が素晴しいだけでなく建物、庭がいい。ところで本の版画はどれもファンタスティック！だ。 ちょっとナンシー関を思い出した、単なる版画つながり。亡くなった翌年に青森で行なわれたナンシー展も古い民家で行なわれてたなぁ。東北キャンプの帰りに立ち寄った。薄ら寒いお盆の青森。またそれは後で書こう。

  2005/05/02

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• 小説の中の美味しそうなもの。

  最近復刊された？『ちびくろサンボ』のホットケーキ。サンボはただの名前だと思っていたのだが、黒人の方の差別があるとの事で絶版になっていた。トラが出てくるこのお話、舞台はインド辺りのアジア、サンボという名前はあると聞いている。言葉は難しいが、逆に気にしすぎる方が差別しているようにも思える。昭和のダッコちゃん、カルピスのマークなども消えた。カルピスのマークはちょっと妖艶な雰囲気があって素敵だったけれど。そうそう、ホットケーキ。なんでトラが溶けるとバターになるのかは、さて置いてそのバターで作るホットケーキの美味しそうなこと！小さな頃挿絵をみながら、バターのたっぷり入ったホットケーキの味を想像したものでした。教科書にのっていたスタインベックの『朝めし』。夜明け頃の綿つみの季節労働者？のテントでの朝食作りの場面。作者が通りかかり、朝食をご馳走になる。ベーコンのジュウジュウ焼ける音、パンの焼けるいい匂い。そして豆のスープ（ポークビーンズ？）。肉汁にパンをつけて食べる。暖かいコーヒーが湯気がでて美味しそう。コーヒーを飲まない私でもそう思う。カップはきっと大きくてシンプルなものだ、アウトドアで使うあのコップが目に浮かぶ。実は小説の中には豆のスープは無かった。月日が経つにつれ、つい脳内で足してしまったようだ。開拓中のアメリカに豆はつきものなので。ダフネ・デュ・モーリアの『レベッカ』。学生時代に読んで大変面白かった。お金持ちのマキシムに見初められた、心優しく内気な主人公「私」は名前が一度も出てこない。対してレベッカはマキシムの死んだ才色兼備の前妻の名前で姿はない。マキシムが所有する大きな屋敷マンダレイは、イギリスらしく広大な庭の描写が美しい。銀の食器などにご馳走が次々とでてくるのだが、私が心惹かれたのは「キュウリのサンドイッチ」。アフタヌーンティーでいただくのだ。なんとも美味しそう。英国はやはりアフタヌーンティーだ。あの３段重ねのハイティースタンドにサンドイッチ、ケーキ、スコーン。そして美味しい紅茶。美しい庭でお茶が飲めたら幸せだろう！蓼科のバラクライングリッシュガーデンではその雰囲気が味わえた。この小説、ヒッチコックが映画化した。ヒロインをジョーン・フォンティンが、マキシムをローレンス・オリビエが演じている。ローレンス・オリビエは「風とともに去りぬ」のヒロイン、ビビアン・リーの元夫。ジョーン・フォンティンは「風とともに去りぬ」のメラニー役のオリビア・デ・ハヴィランドの妹。ついでにこの姉妹は東京生まれ。

  2005/04/13

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• 童謡と戦争

  先日の日記で書いた合田道人氏の童話の本から。明治以前の童歌などには隠語で書かれたものや比喩で書かれたものが多いように思う。お上の意に背くわけにはいかないが、世間の口に戸はたてられぬところがあり、様々な出来事が童歌などで語り継がれているものもあるようだ。明治維新後、日本は大きな戦争を何度もした。その中で童謡が戦争を盛り上げる為に作られた時代もあるのだ。「靴がなる」当時は音がするような靴（革靴）は庶民は履いていなかった。靴は軍靴なのだ。軍靴が”ざっざっざっざっ”と行進する音はカッコ良かったのだろう。だがこの歌、アメリカでも流行ったらしく、昔の名子役「シャーリー・テンプル」がレコード化し大ヒットしたそう。また「汽車ポッポ」の最初の歌詞は♪汽車　汽車　ポッポ　ポッポ　シュッポ　シュッポ　シュッポッポ　兵隊さんを乗せてシュッポ　シュッポ　シュッポッポ　ぼくらも手に手に　日の丸の　旗を振り振り　送りましょう　万歳、万歳　万歳　兵隊さん　兵隊さん　万万歳・・・「兵隊さんの汽車」という題名だった。戦場に赴く兵隊さんを送る歌だったのだ。時は第二次世界大戦。子供の童謡歌手川田正子さんが歌い、人気を博した。しかし日本は敗戦に終わる。戦後、紅白音楽試合が放送される。後の「紅白歌合戦」だ。川田正子さんも人気の「兵隊さんの汽車」で出演するはずだったが、ＧＨＱ民間情報教育局が軍国主義のこの歌を歌う事を許さなかった。本番の４日前、今の「汽車ポッポ」の歌詞ができ、明るい歌詞に皆がうきうきし、大好評となった。そして「兵隊さんの汽車」は忘れ去られていった。

  2005/04/12

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• 「遇客婚」

  「知的な痴的な教養講座」知性と痴性をブレンドした開高健の本。お酒のＴＰＯ、宗教、哲学、ファッションなどを語った教養エッセイが５０章。「一本のワインには2人の女が入っている。1人は栓をあけたばかりの処女。もう1人はそれが熟女になった姿である」と本の紹介には書いてあったけれども一番興味深かったのは北モンゴルの遊牧民、モイ族の「遇客婚」だった。３０人ほどの部族で遊牧しているが、たまに出会う旅人にご馳走やお酒を振る舞い歓待する。旅した色々な国の話を聞きながら夜も更けて心が通じ合う頃、首長が「大変お疲れの所申し訳ないけれども最後にこれを召し上がっていただけないでしょうか」といってテントの隅を指すとそこには首長の奥さんが毛布をもって旅人をまっていると言う。「接遇」＋「客」＋「結婚」＝「遇客婚」。人数の少ない部族では血が濃くなっていくばかりなので血を薄める為の生きる知恵なのだ。その風習は今でも残っているらしく、色々な人種の子供がいるらしい。中には肌の黒い子もいる。それはそれで何か素晴しい気がする。子供の頃に読んだ漫画で記憶に残っているものがある。連載では無かったように記憶している。その中に目の大きなをした天然パーマの愛らしい女の子が出てくる。彼女は自分は結婚できないの（子供が生めない）という。なぜなら私のお父さん（だったと思う）は黒人だから！とあった。舞台は日本だ。かなり昔なもので、今では考えられないような差別的な内容だ。私にとって黒人の方のキュッと上がったお尻、長い脚などは羨ましくて仕方ない。上を向いた睫も素敵なこと！と言っても黄色人種にも色々あるように、黒人の方にも色々あるが。漫画は、色々な国の色々な人種の人たちが結婚すればいいじゃないか！混血していけばいいじゃないか！みたいなことで締めくくられた記憶がある。植物でも動物でも純粋種は生命力が弱いと思う。色々な血が混ざったら世界が一つになるのかな、と子供心に思った。

  2005/04/11

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• 童謡その１

  上野の花もいいけれど谷中の墓地の桜も綺麗。土曜の夜は仲間と花見。谷中ではない。５時から１０時半まで飲んだ。ここのところ一気に桜が咲いたと思ったら散るのも早い。帰りの電車は酔っ払い顔で、頭に桜の花びらが。私は花見帰りですー、と言っているようなもの。でも本日花見の人は多いだろうな。最近「童謡」についての本を何冊か読んだ。イギリスのマザーグースや日本のわらべ歌は怖い歌詞が多い。と気になっていたところに図書館で合田道人氏の「童謡の秘密」と「童謡の謎２」を借りて読んだ。「童謡の謎１」は貸し出中。その中からひとつ。「どんぐりころころ」は２番までしか歌詞がない。泣いてはドジョウを困らせた、で終わり。ドングリは種だから土にないと意味は無い。でもドングリは乾燥に弱く、ドングリ拾いをした後に、３日位水につけてから植えるらしい。だから最初は池も快適なわけだ。だが水に漬かり過ぎるとふやけて腐ってくる。ドジョウは冬眠をする雑食性の生き物だ。だから冬眠前に軟らかくなったドングリを食べてしまうというのだ。ドングリは縄文時代の遺跡から発見されていて、私たちの祖先は食糧にしていた。或る本には、土器が発達して煮炊きができるようになってドングリなど硬い木の実が食べられるようになったとあった。今でも九州や四国の山間部ではドングリの一種のでんぷんからコンニャクを作るそうだ。世の中知らないことだらけ。

  2005/04/09

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  クラフト

  私は手作りが好きだ。でも細かい作業は苦手。模型つくりなどいかにも楽しそうだが、楽しいのは始めるまで。一番得意なのは編み物、修正が効くし、大きくても小さくても多少は融通がきくから。洋服を作るよりも小さなスペースで出来るし、いつでも何処でもテレビを見ながらでも出来る。編み物の場合、ただの表目裏目は編み針は見ない。ビーズも良く作る。こういった手芸は意外と理系向きだと思う。編み物でもビーズでも作り方を見て立体を頭の中でおこす作業が楽しいのだ。そんな中、学生時代にはまった、マジックハウスと言われるとびだすペーパークラフト。東工大の建築科の教授の出版した本「マジックハウス」の三重塔の写真（右）。これとは違い一枚の紙に切り込みをいれ、山折谷折で教会やホワイトハウス、タージマハルなんかを作っていた。テレビで初めて目にして、イメージした物を直ぐ出来ると思い、作り始めたところなかなか巧くいかない。自分の無能さに唖然。写真左は「フランス仕立てのフレーミング」という本から。素敵な「額装」によって普通の写真も、絵もグレードアップする。ここでは４５度カッターなど使用していたので、御茶ノ水のLemonにて購入した。まだ使っていない。ちゃんと使えなさそう。まだ額も簡単に出来るー！と甘くみていたらなかなか出来ない。後ろのはめ込み部分の切欠きがうまく出来ない。ノミを使ってやるもビリビリと木が裂けてしまったり。なんとか誤魔化してようやく完成した。塗装はオイルステイン。色は濃い目の茶が好きなのでチークやオークを選ぶ。色でアジアンテイストになったりヨーロッパ調になったりする。ニスはかけない。ピカピカしているのは好みではない。色の出方は木によってまるで違う。思うように行かないのも逆に考えれば楽しい。

  2005/04/07

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• 「日々の暮し方」

  別役実のエッセイである。ＢＢＳに書き込みをしてくださったかむいさんのプロフィールの好きな作家に別役実とあって思い出したので。随分以前の演劇好きの彼の本棚に「別役実」や「野田秀樹」の本があった。遊びに行っては借りて読んだ。別役実は戯曲家だがエッセイが面白い。「鳥づくし」「道具づくし」とづくしシリーズも面白かったと思うが「日々の暮し方」の中の「正しい風邪のひき方」と「正しい立小便の仕方（だったと思う）」が印象に残っている。「正しい風邪のひき方」は職場等で一番先に風邪をひくと、風邪を持ち込んだ人なのでよくない、また皆ひいた後で最後にひくのも、同情を買ってもらえない。（流行に乗り遅れ？）正しい風邪のひき方は２番目にをひくこと。まだ被害にあっていない周りの人が、風邪をうつされた人をかわいそうと思うからだ。「正しい立小便の仕方」の立小便は'たちしょうべん'ではなく'たちしょんべん'が正しい発音の仕方。（漢字変換は出来ないけど）'しょう'では勢いをを感じないが、'しょん'は勢いがいいからみたいな事などが書いてありました。何かもっと面白い事が書いてあったと思うけれど。

  2005/03/12

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• 南方熊楠ってカッコいい!

  生物、民俗、鉱物、文学、宗教学などほとんど独学で学んだ偉大な博物学者。研究粘菌類の標本では世界一といわれている。粘菌類の存在は熊楠によって初めて知った。だいぶ前、漫画の題材にもなったようで一時ブームだった。新宿かどこかのデパートに「南方熊楠展」を見に行った時、２ｍを遥かに超える人がいた。よく見ると５０センチ以上の高下駄を履いているのだ。さすが「南方熊楠展」と思った。熊楠は今は当たり前のエコロジーの観念や自然保護の先駆者だ。宮沢賢治もそうだが、多彩な人が好きだ。しかし優等生ではない。熊楠は顔もいい、写真でみるかぎりだが、若い時の眼光の鋭いこと。年齢がいってもその表情は変わらない。奇人扱いされているのもいい。自分をしっかり持っているのもいい。南方熊楠の生まれ育ったあたりの熊野は去年世界遺産に登録された。以前から行ってみたいと思っていた。今年はいけたらいいなぁ。「那智の滝」も行きたい。滝が好きだ。気持ちがいいから。頭痛がとれるし。黒沢明監督の「八月の狂詩曲」で子供たちが滝壺で泳いでいてうらやましかった。伊豆の「浄蓮の滝」というところで撮影したらしいが、実際には入れないらしい。滝の裏に洞窟があったりしたら楽しいだろうなぁ。話は戻って「那智の滝」は華厳の滝、袋田の滝とともに日本の三大滝だ。ところで三大○○って曲者だと思いませんか？

  2005/03/09

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• 石

  宝石には全く興味がない。でも原石は結構好きだ。上野の科学博物館は大好きで常設展示でもワクワクする。ショップには石の標本があってとても綺麗。アンモナイトなどの化石もいいが、他にも色々ある。砂漠のバラや砂漠の花は造形的にも美しい。グリーンの美しい八面体に蛍石。１０年以上前、富士山の近くの「奇石博物館」に行った。（ＧＷで半そで姿だったが富士の５合目には雪が残っていた。）博物館には色々な石があった。石は硬いものばかりと限らない、曲がる「こんにゃく石」石の下にある字や絵を、表面に浮かび上がらせる「テレビ石」石なのにふわふわしている「オケン石」。http://www.kiseki-jp.com/japanese/stone-information/collection/collections/okenite.html一昨年、平日でほとんど誰もいない花巻の宮沢賢治記念館＋童話村＋イーハトーブ館を楽しんだ。宮沢賢治は詩・童話だけでなく農業や音楽や絵画、科学、天文学にも造詣が深く仏教やキリスト教も詳しかった。地学にも詳しかった賢治は北上川の川岸を「イギリス海岸」と名づけた。で、童話村の中に石の展示があり鉱石ラヂオがあった（ように思う）。友人は、子供の頃ラヂオを作り二段ベットの下で懸命に音を拾ったものだと言っていた。私も「大人の科学」の付録で作ったみたが聞こえない（失敗！?）と、石にも色々あり見ると結構楽しい。追加オニオングラタンが好きだが玉ねぎをあめ色になるまで３０分位炒め続けるのは面倒。でローストオニオンをコンソメスープの中に入ると簡単に出来る。

  2005/03/07

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• ムーミン童話の百貨事典

  という本を持っている。今日もムーミンネタ。社会人になってから本を読まなくなったが、本屋を覗くのは大好きだ。これはだいぶ以前、会社からの帰り今は移転した日本橋の丸善で見つけた。最初から読まないで、気に掛かったところだけを飛ばし読みするタイプだ。その中で気になったもの。「蟻」。童話の中では害虫として表現されることが多い。イソップとは違う。ムーミンが秘密の隠れ場所を探してたところ、そこには蟻が既に住んでいた。蟻にはこの場所の素晴しさが分からないだろうから、引っ越してもらおうと思うが手段が分からない。ミィに相談した所、エレベータを作ちの手伝いと交換に蟻を追い払ってくれると言う。暫くしてムーミンがその場所を訪れると蟻は一匹もいなくなっていた。土を掘り返すと、灯油をまかれて蟻は焼け死んでいた。ミィに話した時にこうなることは予想できたと思い後悔した。ミィも分かっていたはずという。ムーミンはその場所にお砂糖をまいて供養した。

  2005/02/27

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• スナフキン

  意外だがスナフキンはミィの異父弟だ。北欧は行った事が無いのに、私の原風景に思える。ムーミンに出てくる暗くて冷たくてそれでいて清らかな風景が好きだった。作者のトーベ・ヤンソンは４年前に亡くなった。同じ日に大切な大切な友人を失った。その日には「アパートの鍵貸します」で有名なジャック・レモンも亡くなっている。

  2005/02/26

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