没後30年 高島野十郎展
旅行記最後の遠野を書く前に先週末に行った美術展を。『没後30年 高島野十郎展』Naraさんの会社からすぐなので夕方「サイクルハウスイシダ」で待ち合わせ。お店はあたかもモダンな美容室のような感じ??のデザインにリフォームされたばかり。なかなかこんなにお洒落な自転屋さんはお見かけしません。イシダさんにはNaraさんが大変お世話になっているのですが世の中寡黙な自転屋さんが多い中、とても社交的な楽しい方でした。高そうな自転車があったりして、目の保養をさせて戴きました。で野十郎。三鷹の駅から直ぐですが、駅前のビルの5階という環境。通りすがりの人は入るよしもありません。が、結構盛況です。このようなギャラリーでこれだけの人は珍しいかも。夜8時までやっているのは、働く人たちに優しいです。最近遅くまでやっている所が増えました。入口を入ると何点かの自画像。岸田劉生とかを(私が勝手に)彷彿させます。自己の強い人で、ナルシストであったかもしれません。その後の植物たちはゴッホを、風景画は淡いパステル調、蓮などが印象派を思い起こさせます。基本的には私の好きな画ではないのです。が、『月』を描いた画、照明を落とした中に浮かび上がる『蝋燭』は圧巻です。宗教画、と言った感じでしょうか。暗闇の中に蝋燭の炎が浮かび上がるといったシンプルな構図がいくつも並んでいて異空間を表現しているのです。これらの画では、ラトゥールを思い出しました。蝋燭の画は売り物ではなく、お礼にと皆さんに差し上げたものだそうです。生前余り知られていなかったこの画家の画を、仏壇に飾られている方もいるようです。売り物じゃないから特にいいのかなあ。野十郎は以前ブログに書いたように孤高の人でどの派にも属せず、画壇とも無縁でした。以前、美術関係の仕事をしている友人から、画壇の方の出世欲・名誉欲などの話を聞いた。まるで『政治家』のよう。(政治家さんごめんなさい、イメージです)そんな事から関係なく生きてきた彼の生き方が、強烈な印象の画に何か感じるものがあるのかも知れません。画は100点にも及び見ごたえのあるものでした。その後、吉祥寺方面へと歩きメキシコ料理屋さんでご馳走になりました。普段食べないエスニックはいいね。吉祥寺はそうした店が多いです。今度はトルコ料理にしましょう。