庭いじりとサーフィン
隔週コラム KUNI庭いじりとサーフィン既にたいぶ散ってはいたけれど、うっそうと様々な木が生える森の中で咲く桜はさりげなくはみ出し者のようで、何気ない林道に暖かさを感じる。春が待ちどおしかったのは人間だけじゃないと強い主張を感じるほど、庭の植物たちはとっくに目を覚まし活き活きとし始めている。そんな植物たちに背中を押されるように庭いじりを始めるとこんな面白かったっけ?というぐらい次々と絵が浮かびあれもこれもと想像が膨らむ。夏にはうっそうとする雑草をひたすら抜き去ると、馴染んでいない髪形のようで、何だか管理された感がでてしまうし、はみ出した枝をきれいに刈られた角刈りの軍隊のような庭木になってしまう。中途半端な手付かずも・・・普通なんだけど普通じゃないような、全然頑張ってる感じがなく・・と絶妙なバランス感覚の面白さに拍車がかかりのめりこんで行く。打ち果てた人工物を飲み込むように生えるアンコールワットの植物。大切にされながらも雑に育った歴史を感じさせる巨木。月面世界の感じさせるバオバブ。そんな事を思い浮かべながら庭いじりをしていると自分の思い通りにいかない自然や同じ型のない波をどうメイクするかを楽しむ波乗りの奥深さに似てると思えてきた。