【4月4日】
岡口基一・仙台高裁判事が訴追されたSNSへの投稿について殺人事件をめぐる9件のうち7件は、度重なる投稿で被害遺族に苦痛を与え続けたとして、国民の信託を受けた裁判官にあるまじき「非行」として、不服申し立てができない弾劾裁判において判事罷免の判決があった。昨日の判決が出るまで1年間を要した。
弾劾裁判で裁判官の役を担う裁判員は衆参国会議員14人で構成される。その裁判員3分の2以上の賛成で罷免される。
ところで今回の弾劾裁判の報道を見ると、朝日新聞(4月4日朝刊、遠藤隆史記者)は次のように報じている。重要な点なのでそのまま引用させてもらう。
〈岡口氏は裁判の途中で、10年ごとにある裁判官の再任を希望しないと表明。罷免されなくても今月12日の任期満了で退官することになっていた。判決は、こうした点を踏まえ「罷免には疑問が残る」などの少数意見があった、とした。〉
私が呆れたのは、この「少数意見」に対してである。この意見を提出した裁判員が誰であるかは不明だが、この人たちは弾劾裁判の「本義」を完全に誤解している。誤解というより、理解していない。
弾劾裁判は「辞職」勧告ではないのである。この判決は在任中の言動に対するいわば処罰であって、裁判官としての名誉を剥奪するか否かの問題である。したがって、当人が再任を希望しないとか、任期満了を控えているなどということは、なんら無関係である。そんなことは一切考慮する必要がない。判事として国民の信託に反する非行があったか否かを綿密な証拠をもって審議すればよいのである。これが弾劾裁判の「本義」である。
今回裁判員となった衆参国会議員の幾人かから提出された「少数意見」は、まったくトンチンカンな意見。程度が低いのは判事連中ばかりではないことは、私は常々思っていたが、弾劾裁判という重大な場でここまでアホなことを言う国会議員がいるとは、・・・この国、危ないよ。
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Last updated
Apr 4, 2024 10:10:31 PM
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