小さいおうち
超久々に試写会に行って来ました作品は小さいおうち。山田洋次監督作品です。ストーリーは…大学生の健史(妻夫木聡)は亡くなった大伯母:タキ(倍賞千恵子)の遺品の整理を手伝っていた。タキは健史宛に小箱を残しており、その中には執筆中の自叙伝が入っていた。一人暮らしのタキを健史はたびたび訪ねていて、書きかけの自叙伝を読んでは、いろいろ話を聞いたり意見を述べたりしていたものだったのだ。昭和初期、タキ(若い頃のタキ:黒木華)は山形県から東京のお屋敷に奉公に出ていた。奉公先の平井家は赤い屋根が素敵な小さいけれどモダンなお屋敷だった。おもちゃ会社の重役の旦那様:雅樹(片岡孝太郎)、奥様の時子(松たか子)と小さい一人息子の恭一。モダンで裕福で絵に描いたような幸せな一家の元で、タキは時子からいろいろ学び、幸せを感じながら仕えていた。ある日、旦那様の会社の人たちが平井家を訪ねてきた。その中で一人、新入社員の板倉(吉岡秀隆)は他の男達と違った空気を放っていた。芸術家肌の板倉は、時子やタキと仲良くなり、しばしば平井家に通うようになった。そして板倉と時子は次第に距離を縮めていくのであった。しかし、第二次世界大戦が激化する中、板倉に召集令状が届く。血相を変えて板倉に会いに行こうとする時子をたしなめるトキ。タキは時子にある重大な提案を持ちかけるが…松たか子さんはお育ちがいいので、昭和初期の裕福なお家のマダムが本当に良く似合います。第二次世界大戦が始まる前から戦後にかけての話と、現代の部分が行き来する話です。戦争シーンは殆ど出てきませんが、いろいろ象徴的なシーンで戦争の惨さは表しています。久々に、恒例のネタバレ♪下の行に背景色と同じ色で書いてあるので、見たい方はマウスをドラッグして反転して見てね。若き日のタキは大好きな奥様とやはり好意を持っている板倉(同じ東北出身)の不貞に気付いて、かなりの葛藤があったのではないかと。平井家を守りたい気持ちと、板倉に奥様を会わせたくない気持ちがあって、やむなく自身が犠牲になって秘密を背負い込んだ。それが結局、数十年にわたって彼女を苦しめる事になってしまった。そして、大伯母の思いを知った健史の涙。なんとも切ない気持ちになりました。試写会から数日後、本作がベルリン国際映画祭に出品される事が発表になりました。古き良き日本の姿と戦争の悲惨さを描きながらも、どこかほのぼのとした作品です。山田洋次監督ならではの作品かも。上映時間は2時間16分。感動あり、くすっと笑える場面ありで長さを感じませんでした。1/25ロードショーです。小さいおうち公式サイトhttp://www.chiisai-ouchi.jp/opening.html