|
テーマ:洋楽(3357)
カテゴリ:70年代洋楽
そんな彼が、Small Facesに続いて結成したグループがハンブル・パイである。 パイというと自分の場合、ピーター・フランプトンとの双頭バンドだった前期ももちろん好きだが、どちらかといえば、後続ギタリストであるクレム・クレンプソンを据えた後期の作品を聴くことが多い。 『Smokin'』('72年)、『Eat It』('73年※)などは、70年代ロックの名盤としてそのテのファンにはおなじみだろう。 「Tunderbox」は、'74年のアルバム(上ジャケット)のタイトル・ナンバーで、マリオットとクレム・クレンプソンの共作。 数多いパイの名曲の中でもとびっきりの一曲だ。 キャッチーで歯切れのよいギター・リフは、有無を言わせぬカッコよさ。 リズム隊も負けじとグルーヴ感たっぷりに突き進む。 黒人女性シンガーによるコーラスもとても色っぽい。 クレンプソンによる豪快なギター・ワークは、ピーター・フランプトンに劣らぬ素晴らしさだ。 そしてスティーヴ・マリオットのシャウトである。 小柄な体からしぼり出される、しわがれたハイトーン・ヴォイスが全篇にわたって炸裂する。 ソウル・フレイヴァーと熱さがほとばしるその歌声は、いつ聴いても鳥肌が立つ思いだ。 ハーモニカの音色も、煙が立ち込めてきそうなくらいブルージーである。 これしかないぜ!、とでも言いたくなるカッコよさ。 黒人音楽とハード・ロックの美点を見事に融合したこの曲は、ある意味、白人ロックのひとつの到達点かもしれない。 これでメロディがもっとポップだったら、もっと知名度があっただろうが、マリオットのヴォーカルにはそんなタワゴトを言わせぬパワーがある。 これを聴くと、寝タバコで焼死('91年)してしまうという彼の最期がことさら悔やまれる。 それもまた人生か つーコトで「Thunderbox」を聴くにはここをクリック。 マリオットのハード&ソウルな歌声に燃えろ! ※ポム・スフレのメインHPでは、ハンブル・パイの名作「Eat It」について取り上げています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[70年代洋楽] カテゴリの最新記事
|