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テーマ:洋楽(3395)
カテゴリ:70年代洋楽
エドガー・ウィンター。 アメリカはテキサス出身のアルビノ・キーボーディストである。 '46年生まれのエドガーは十代の頃から兄のバックで演奏しており、70年代に入ると自身のグループを率いて活動するようになる。 ブルース&ロッキン一筋な兄に対して、弟のエドガーはポップでバリエーションのある音楽を展開していく。 バンド名こそ自らの名を冠したものだったが、決して彼のワンマン・バンドではなく、そのメンバーにはロニー・モントローズやダン・ハートマンなどがいた。 プロデューサーにリック・デリンジャーを迎えて作った'72年のアルバム『They Only Come Out at Night』(※)は、各人の力量が遺憾なく発揮された傑作で、ここからは「Frankenstein」という全米ナンバーワン・ヒットも生まれている。 『Shock Treatment(恐怖のショック療法)』はその勢いを受けて作られた、'74年のアルバムである。 プロデュースは前作に引き続きリック・デリンジャー。ここではロニー・モントローズに代わって、ギタリストとして正式加入もしている。 ここに至ってバンドは、エドガー、ダン、そしてリックという歌って曲が書ける人間を三人かかえたことになる。 また、前作はポップであると同時にアメリカン・ロックらしいワイルドネスと泥臭さを持っていたのだが、本作はよりキッチュでギラギラした感覚が強調されており、そういう意味ではむしろイギリス発のグラム・ロックに近い。 ジャケットに映るメンバー達のファッション(化粧もしている)はそれを象徴するものだ。 このアルバムは発売当時、日本でも非常に評価が高かったらしく、クイーンも傑作2nd『Queen II』と並んで音楽雑誌で取り上げられていたという。 自分も"過去の名盤"集めを始めたころ、ガイドブックに載っていた本作に興味を惹かれたのだが、当時はまだ日本盤CDが出ていなかった。 ネットもなかった時代に、輸入盤を求めてCD屋巡りをしたあの頃が懐かしいです^^(結局通販で手に入れた)。 で、ようやく手にした本盤を聴いた時は、予想以上の内容にぶっとんだ。 キャッチーでヘンテコなリフの応酬、全編に配されたポップなメロディ。「駄曲なし」という言葉がぴったりなクオリティには、タイトル通りショックを受けましたね。 その中でも特に自分が好きなのは「Maybe Some Day You'll Call My Name」という曲だ。 ダン・ハートマン作のミドル・テンポのバラードで、ヴォーカルもダンがとっている。 メロウで分かりやすいメロディが印象を残す曲で、聴いた瞬間、歌えるようになってしまったことを思い出す。 ダンの歌声も、美男子とは言えないお顔に似合わぬ流麗さ(笑 リック・デリンジャーはバッキングに徹した上でいいプレイを聴かせる。 そして間奏では、エドガーの弾くクラヴィネットが華麗に跳ねまわる。 きらびやかなその音色はまるで宝石のようだ。 「Hoo Hoo Hoo... I Love You~♪」という部分で聴けるファルセット・ボイスにもグッとくるなぁ。 エドガーの演奏、リックのプロデュース能力、そして後にソロとしても活躍するダンのポップ・センスが見事に溶け合った名トラックです。 この曲に限らず、アルバムの半数以上の曲はダン・ハートマンの作、リード・ヴォーカルとなっている。そういう意味ではエドガーというより"ダン・ハートマン・グループ"といった方がしっくりくるのだが(笑)、フロントマン級の才能が火花を散らすでもなく自然なバランスで同居しているところがこのグループの魅力だ。 エドガーはもとより、彼の名を冠したこの"バンド"が僕は大好きです つーコトで「Maybe Some Day You'll Call My Name」を聴くにはここをクリック! 気に入ったらアルバムも買おうぜ アルビノ万歳!\(´ー`)ノ ※ ポム・スフレのメインHPではエドガー・ウィンター・グループの名盤『They Only Come Out at Night』について取り上げています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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