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テーマ:洋楽(3395)
カテゴリ:70年代洋楽
ソリッドでたたみかけるようなリフ、単純で躍動感にあふれた楽曲と演奏は、レッド・ツェッペリンとKissを足してさらに分かりやすくしたような感じだ。 それはある意味、「ロックの本質を純粋培養したもの」と言うこともできるかも。 ランドセルに半ズボンという小学生スタイルでギブソンSGを弾くアンガス・ヤングも、"ギターをかかげた曲芸師"という感じで大好きだ。 そんなAC/DCの音楽性は、基本的にデビュー以来ほとんど変わっていない。 '80年の加入以降、現在までフロントをつとめるブライアン・ジョンソンもいいボーカリストだ。 だが、彼らの明快な魅力と迫力は、故人であるボン・スコットをボーカルに据えていた70年代の作品に、より顕著だと思う。 かつては『Back In Black』や『For Those About to Rock We Salute You』などを聴きくるっていた自分だが、今聴くのはほとんどボン時代の作品だ。 '78年発表の『Powerage』(上ジャケット)は、世界規模で発売された四枚目のアルバムである。 ヴォーカルはボン・スコット。 ギターはアンガスと彼の兄であるマルコム・ヤング。 ドラムにフィル・ラッド、ベーシストは本作から加入したクリス・ウィリアムスだ。 代表作とされる次作『Highway To Hell』('79年)には劣るものの、本盤もなかなかに捨てがたい一枚となっている。 「Riff Raff」は、アルバムの四曲目に置かれたハード・ドライヴィングなナンバー。 「T.N.T」、「Dirty Deeds Done Dirt Cheap」、「Whole Lotta Rosie」と並ぶ、初期の代表曲中の代表曲だ。 いきなりアンガスとマルコムが豪快にギターをかき鳴らす。 続いて、ドラムとベースが地響きを立てるように湧き上がってくる。 すさまじいイントロだ。これだけでも期待感で背筋がざわざわしてくる。 シンバル一発で準備をととのえた後は、もうノンストップ状態。 アンガスのSGが轟音をまき散らす。 クリスとフィルのリズム隊が暴走機関車のごとく突進する。 シンプルなリフのカッコ良さはロックのお手本。スピード感はパンク・ロックにも負けていない。ギター・ソロも燃える燃える。 そして、凶暴なバックにのせて、ボン・スコットが本能のままにシャウトする。 「Riff Raff! I'm only in it for the laughs (ha ha ha)」と。 なんというエナジー。なんという爆発力。 そのボルテージの高さは、さわれば感電死しそうなほど。 目の前で演奏されているような生々しさもタマらん。 ヘヴィでありながら、全体を包む解放感も素晴らしい。 体中の血が頭にのぼっていくような気にさせられる、最強の5分15秒である。 このアルバムには、ほかにも「Rock & Roll Damnation」、「What's Next To The Moon」、「Kicked in the Teeth」など、ガツンとくる曲がてんこ盛り。 「理屈ぬきにカッコいいロックが聴きたいなぁ」と思うアナタはぜひどうぞ。 ライヴ盤『If You Want Blood You've Got It(ギター殺人事件)』もお忘れなく つーコトで、ボン・スコットに敬意を払いつつ「Riff Raff」を聴くのだ。 ここをクリック。 何度聴いても血がたぎるぜ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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