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テーマ:洋楽(3394)
カテゴリ:70年代洋楽
クラトゥって、知っとぅ?(by ローリー寺西) ジョン・ウォロシャク、テリー・ドレイパー、デビッド・ロングらによって結成されたこのバンドは、カナダ出身の三人組だ。 彼らは70年代後半にマニアックな人気を得た、ある意味伝説の音楽ユニットである。 その理由は……このバンドを知ってる方なら言わなくてもお分かりだろう。 '76年にリリースされたクラトゥのデビュー・アルバムには、メンバーの名前、顔写真はいっさいなく、そのベールは謎につつまれていた。 そして、どこから出てきたのだろうか、当時の音楽ファンの間では「ビートルズのメンバーが匿名でやっている」という噂が流れたのだ(レコード会社が宣伝のためにデマをしかけたという説が濃厚)。 うーむ、思わず「ホントかよー」と言ってしまいそうなハナシ。 まあ、音楽だけを聴けば分からないでもない(?)し、誰もが持っていたであろう"ビートルズ再結成幻想"がヘンな形で肥大化した都市伝説だったんでしょうね。 そんなクラトゥの作品でいちばん人気が高いのは、おそらく先述の1st『Klaatu』だろう。 ビートルズを思わせるメロディ、シンフォニックかつハードなポップ・サウンドが破綻なくまとめられた内容は確かに上質。 カーペンターズにもカバーされた「Calling Occupants Of Interplanetary Craft」を含むそのアルバムは、ポップ・ファンなら聴いておいてソンはない。 楽曲やサウンドがよりスケール感を増した2nd『Hope』などは、プログレ系ファンからの評価も高い、興味深い作品だ。 だが、自分がいちばん好きなクラトゥのアルバムは、'78年に発表された3rdの『Sir Army Suit』(上ジャケット)である。 曲の出来は1stにも劣らないし、てらいのないサウンド、コンパクトにまとめられた楽曲の数々も個人的にはツボだ。 「A Routine Day」は、そのアルバムの冒頭をかざるミドル・テンポのナンバー。 クレジットはメンバー全員の共作となっている。 シングルとしても発売された代表作のひとつだ。 雨のSEの中からピアノの音がこぼれ落ちる。 静かに語りかけるようなヴォーカルは、なんともロマンティックな気分にさせてくれる。 マッカトニー直系のメロディ・センス、ふくよかなストリングスとおおらかさを持ったシンセの音色が素晴らしい。 お約束の手拍子にも頬がゆるむ。 ギターの響きがちょっとジョージ・ハリスンっぽいのも嬉しい。 後期ビートルズのキャッチーな部分を強調したようなこの曲は、クラトゥの持ち味がよく出た名曲だと思う。 全体的な感触としては、ビートルズ・フォロワーの代表格である10ccやパイロットなどに近く、むしろそっち系のファンにおすすめかも。 ビートルズ好きはもちろん、パワー・ポップやソフト・ロックのファンにも聴いてほしい名曲です。 アルバム『Sir Army Suit』は、これのほかにも素晴らしい曲がいっぱいにつまった名盤(くわしくはこちらを参照)。 '05年にはオリジナル・メンバーで再結成されたというクラトゥ。 彼らの音楽には、アホな都市伝説とは関係なく高い評価が与えられるべきだと思う。 つーコトで「A Routine Day」を聴くにはここをクリック! アニメを使った情緒あるPVです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.09.02 06:34:22
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