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テーマ:洋楽(3357)
カテゴリ:70年代洋楽
ソングライターとして当初から非凡な才能を見せていた人で、全英2位を記録したトラフィックの2ndシングル『Hole In My Shoe』や、ジョー・コッカーにも歌われた名曲「Feelin' Alright」はデイヴの作品である。 ジミ・ヘンドリックスとも仲のよかった彼は、ジミの3rdアルバム『Electric Ladyland』にも参加。ボブ・ディランの「All Along The Watchtower」(※1)をジミに教えたのもメイスンだといわれている。 トラフィック脱退(正確には二度目の脱退)後の彼はアメリカに渡り、エリック・クラプトンやジョージ・ハリスンと共にデラニー&ボニーのツアーに参加する。 そしてアメリカ音楽に魅せられた彼は、スワンプ・ロックと英国的メロディ・センスをブレンドした名作『Alone Together』('70年)を発表。以後も70年代を通じてすぐれたソロ作を連発していく。 一時はエリック・クラプトンからデレク&ドミノスのメンバーとして誘われていたというメイスンは、プレイヤーとしても有能だったことが分かる。 結局、クラプトンのような人気は得られなかったものの、ヴォーカリストとしてもギタリストとしても味のあるミュージシャンだった。 上に写っているアルバムは、自らの名をタイトルにした'74年の作品『Dave Mason』だ。 プロデュースも自身で行った本作は、すがすがしいジャケットが示すようにウェスト・コーストの空気をたっぷりと吸いこんだ佳曲ぞろい。 派手さはないもののツボを押さえた味わい深い一枚となっている。 ファンキーでメロディアスな「Show Me Some Affection」、ジミヘン・ヴァージョンをさらにメロウにしたような「All Along Watchtower」などどれもいいが、個人的にいちばん気にいってるのは三曲目の「Every Woman」だ。 デイヴの作詞、作曲によるカントリー風味のナンバーで、前作『It's Like You Never Left』('73年)にも収められていた作品だが、早くもここで再録している所をみると彼にとって"こだわりの一曲"なのだろう。 ここでのヴァージョンはさらに洗練されており、ポップなメロディと清涼感あふれるサウンドが素晴らしい名トラックとなっている。 リチャード・ベネットのペダル・スティール・ギター、マイク・フィニガンによる澄んだ音色のピアノが実に気持ちよい。 まろやかな音色のストリングスはニック・デカロのアレンジによるものだ。 メイスンの歌声はソウルフルでいて親しみやすい。 サビで聴けるキャッチーな旋律と豊かなコーラス・ワークにも耳を奪われる。 間奏では、短いながらも彼のギター・ワークが味わえるのが嬉しい。テクニカルとはいわないが、一音一音を大切にしたコクのあるプレイだ。 三分三秒という演奏時間もいさぎよい。 メイスンの魅力がコンパクトにまとめられた、代表作と呼ぶにふさわしい佳曲だと思う。 メイスンはこの後「We Just Disagree」(米12位)などのヒットを放つが、80年代に入ってからは急激に低迷してしまう。 90年代以降、オリジナル・アルバムのリリースはないようだが活動は続けており、今年('08年)の9月末には新作の発表も予定されているとか。 とりあえずは『Alone Together』や『Dave Mason』、『Certified Live』(※2)といった70年代の名盤を聴こう ちなみにこの人、'80年のシングル「Save Me」ではマイケル・ジャクソンとデュエットしているそうです。ほげ~(爆 つーコトで「Every Woman」を聴いて、メイスンの世界にふれてみよう。 ここをクリック! ※1 ジミのヴァージョンが世間的にはいちばん有名。 ※2 ポム・スフレのメインHPではデイヴ・メイスンの名盤『Certified Live』について取り上げています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.09.22 07:00:50
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