一番多いのは、
●寝つきが悪い(入眠障害)ですが、
●途中で目が覚めてしまう(中途覚醒)、
●睡眠時間のわりには、ぐっすり眠った感じがしない(熟眠障害)、
●朝早く目が覚めてしまう(早朝覚醒:高齢者に多い)
などがあります。
そのどれにあたるかにより、治療法・対処法も異なります。
また、不眠になった原因を探ることも大切です。
ちょっとした心配ごとや悩みがあって眠れない、
旅行先で眠れなくなったなど、
一時的な環境の変化や心理的ストレスで
数日間眠れないものを一過性不眠といい、
1~3週間持続するものを短期不眠といいます。
これらの不眠は原因が解決すれば、やがていつも通りに
眠れるようになることがほとんどです。
一方、1ヶ月以上の不眠は長期不眠といい、
なかなか改善されないときは、特別な疾患の可能性もありますので、
医師に相談してください。
背後に内科的な病気(喘息、心不全、膠原病)や
精神的な病気(うつ病、精神分裂病、神経症)などが
隠れていることがあります。
また、服用中の薬が原因で眠れなくなることもあります。
不眠は、体調に悪影響を及ぼしたり、
昼間の眠気のために事故などを引き起こす恐れがあります。
「眠れないだけ」と軽く考えるのは禁物です。
生活のリズムをチェックして、睡眠の質を向上させましょう。
ストレスをためないよう注意し、
適度な運動も心がけてください。
運動をしっかりしている人は不眠が、
少ないこともわかっていますので、
運動する習慣をつけると睡眠の質が改善されます。
その他、コーヒー、お茶など
カフェインの摂取は睡眠を障害します。
また、アルコールは寝つきを多少よくすることもありますが、
睡眠の質を悪くさせますので、注意してください。
睡眠と体温は非常に密接な関係があり、
体温が下がると眠くなり、
体温がある程度の高さに上がると目覚めることから、
寝付きを良くするには寝る3時間前に入浴などで
体温を上げておく事が大切です。
また、これまでの研究で、ヒトの生体リズムの調整には
光が重要な役割を果たしていることが明らかにされています。
朝の光にあたる時刻で、夜眠くなる時刻が決まるのです。
つまり、夜眠たくなる時刻を決めているのは、
床につく時間ではなく、
朝起きたときに光にあたる時刻ということがわかっていまので、
目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオンし、
夜は明るすぎない照明にしましょう。
網膜を通して体内時計に関係する
脳の視床下部に光の刺激を受けることで、
生体リズムが整えられていきます。