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釈迦楽

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December 9, 2023
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カテゴリ:教授の追悼記
アメリカの俳優、ライアン・オニールさんが亡くなりました。享年82。

 ライアン・オニールと言えば、やっぱり『ある愛の詩』でしょうねえ。「詩」と書いて「うた」と読む。私はまだ小学校に入ったばかりという頃でしたが、日本でも大ヒットしたこの映画、ポスターが街のあちこちに貼り出されていて、嫌でも目に入る、という感じでしたなあ。あの、オニールとアリ・マグロ―(当時の表記だと「マックグロウ」)が背中合わせに立っている奴。「愛とは決して後悔しないこと」ですよ。

 私なんか単純だから、ああ、今、自分は小学校に入ったばかりだけれども、大学生になるということは、こういうきれいなお姉さんと背中合わせになることなんだと思って憧れましたもんね。実際に大学生になってみたら、なかなかそういうことにはならなかったけれども。

 多分、多分ですけど、この映画が出てから四半世紀後、日本で『冬のソナタ』ブームが来た時、あれに夢中になったのは、40~50台の中高年女性だと言われておりますが、あれは大学時代に『ある愛の詩』を見て夢中になりつつ、自分の身にはそういうロマンチックなことが起こらなかった女性たちが、『冬のソナタ』を見て、その頃のことを思い出していたのではないかと。

 ライアン・オニールの顔って、やっぱりちょっと特徴があるというか。当時人気のあったポール・ニューマンとか、スティーブ・マックイーンとかとはちょっと違って、どこか甘さがあるというか。甘さというのか、緩さというのか。しっかりしてない感じ?  なんとなく頼りなくて、守ってあげなきゃ的な感じを抱かせるというか。

 だから、『ペーパー・ムーン』のような、詐欺師役はピッタリなのかもね。

 あと、その頼りなさをなるべく出さないように、クールな二枚目を精一杯頑張って演じた『ザ・ドライバー』は、あれはあれで良かったけれども。

 まあ、今から見ると、いかにも「70年代的なスター」だな、って感じがする。テレビドラマなのか、映画なのか、その両者の区別があまりなかった時代のアメリカ映画のスター。『ザ・ドライバー』の画質とか、ほとんど『刑事コロンボ』と区別が付かないもんね。『ダーティー・ハリー』とかもそうだけど。

 1970年代って、私にとっては小学生から中学生時代でありまして、本当に幸せな日々だった。だから、その頃に輝いていたスターって、問答無用で懐かしい。

 そんな時代のスターだったライアン・オニールのご冥福をお祈りしたいと思います。合掌。



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Last updated  December 9, 2023 01:07:25 PM
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