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カテゴリ:教授の追悼記
昨日、絵本作家・中川李枝子さんの訃報がありました。享年89。
そのニュースのことは知っていたのですが、『ぐりとぐら』の作者として紹介されていたので、ピンとこなかった。『ぐりとぐら』って、名作絵本として有名ですが、実は私は読んだことがない。だもので、この人に対する思い出がないなと思っていたんです。 ところが! 中川さんは『ももいろのきりん』の作者だって言うじゃなーい? これは私が子供の頃、愛読した絵本なのよ。 ヒロインのるるこちゃんは、どういう理由だったか、大きなももいろの紙を手に入れるんですな。で、これで大きなきりんを作ることにする。で、完成した紙のきりんに目とか口とかをクレヨンで描き込むと、なんとその紙のきりんに生命が宿るわけ。で、るるこちゃんはこのももいろのきりんに「きりか」という名前を付け、二人は友達になります。 その後、夜になって寝ることにするのだけど、なにしろきりんだから頭が天井につかえちゃう。するときりかが、僕は窓から首を出して寝るから大丈夫、とか言って、とりあえずそういうことにすると。 ところがその夜、雨が降るのよ。で、首から先がぬれてしまって、なんとも惨めなことに。 そこでるるこちゃんは、きりかの長い首を洗濯ばさみで物干し竿に留め、天日干しをするの。で、段々首が渇いて来ると、きりかのパワーも復活! しかし、雨できりかのももいろの肌が禿ちゃったので、るるかちゃんはピンクのクレヨンで塗り直してあげるのだけど、なにしろきりかは大きいので、小さいクレヨンがすぐなくなってしまう。 そこでるることきりかは、遠くに見える、クレヨンの木が生えているところにいって、好きなだけクレヨンを塗ろうと旅に出る。ところがクレヨンの木のところには色々な動物がおり、ちょっと意地悪なゴリラとかもいて、きりかにピンクのクレヨンを使わせてくれないの。 さて、るることももかは、このピンチをどう乗り切るか?! まあ、うろ覚えだけど、そんな話。 これ、好きな絵本だったのよ。私は子供の頃から大人びていて、「け! 子供だましの絵本なんか、誰が読むかよ!」と、見向きもしなかったんだけど、たまたま親が誰かにもらったかなにかで私のもとに回って来たこの絵本は面白くて、何度も繰り返し読んだの。たわわに実るクレヨンの木とか、最高じゃん。 だから、中川李枝子さんは、私にとって数少ない、親しみのある絵本作家だったのよね。その人が亡くなったとなれば、私としては、追悼せざるを得ない。 『ももいろのきりん』で私を夢中にさせてくれた絵本作家、中川李枝子さんに感謝しつつ、そのご冥福をお祈りしたいと思います。合掌。 これこれ! ↓ ももいろのきりん (福音館創作童話シリーズ) [ 中川李枝子 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 18, 2024 12:05:12 PM
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