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テーマ:今日の出来事(292894)
カテゴリ:教授の追悼記
錣山親方、元関脇の寺尾さんが心臓疾患のために亡くなられました。享年60。私と同い年。あまりにも早いお別れでした。
寺尾の親父さんである鶴ヶ嶺さんは現役時代、両差しが得意でね。両差しになれば相撲は圧倒的に有利になるので、普通は相手に両差しを許すことはない。だから、実際の取り組みでは右四つか左四つに組むのが普通で、両差しが得意というのは非常に珍しいわけね。 ところが鶴ヶ嶺のDNAは息子たちに引き継がれ、たとえば逆鉾も両差しが上手かった。胸を突き出すようにバーンとあたって、わちゃわちゃやっているうちに、いつの間にか両差しになっているという。あの芸は井筒部屋独特のものでありました。 だから、逆鉾の弟である寺尾だって、その血を引いて両差しが上手かったのかも知れませんが、彼はそういう四つ相撲は取らなかった。徹頭徹尾、突っ張り。マックス116キロの小兵でありながら、あの威勢のいい突っ張りは、見ごたえがありました。突いて引く、突いて引く、というのではなく、最初から最後まで相手を突き出すことだけを考えての突っ張りでしたからね。あんな無謀なまでの突っ張りをする力士って、最近では見ないなあ。その意味で、富士桜、麒麟児の伝統を受け継ぐ最後の力士だったかもしれません。 千代の富士を突っ張りでさんざん苦しめて、最後の最後、吊り落としをくらったあの名シーンも、リアルタイムで観ていた私の目に焼き付いております。 これこれ! ↓ 千代の富士対寺尾戦 そして、寺尾はハンサムだった! ハンサムな力士は寺尾の他にも何人もいましたが、私が50年以上相撲を観てきたところから言うと、やっぱり寺尾が図抜けてハンサムだったのではないかと。 それにしても井筒三兄弟、58歳で亡くなった逆鉾をはじめ、揃いも揃って若死にするとは・・・。特に寺尾は私と同い年だけに、本当に残念でたまりません。 気風のいい突っ張りと、角界一の美貌で、勝っても負けても拍手喝采を浴びた往年の名関脇、寺尾さんのご冥福をお祈りいたしたいと思います。合掌。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 18, 2023 05:11:53 PM
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