カテゴリ:旅行記
予告したとおり、今日は熊野古道について。 去年世界遺産に登録された熊野古道。 以前はあまりその存在を知られていなかったようだけど(私も知らなかった)、 世界遺産となってから観光客は増えているという。 熊野古道は平安時代にはじまった、熊野詣の道。 熊野三山へ向かう、道だ。 伊勢神宮は、身分の高い人しか参詣の許されない場所だったけれど、 熊野はあらゆる人々に開かれた参詣の場所だった。 岩波新書の『熊野古道』によれば、 「信、不信を問わず、浄、不浄を選ばず」 という言葉があるらしい。 特定の宗教・信仰に拘わらず、また「汚れている」とされた身体障害者やハンセン病の人々にも参詣の許された場所。身分の高い低いに拘わらず、人々が救われようと必死で歩いた道。その門戸の広さから、熊野古道にますます魅力を感じた。 「誰でも平等に救われる」っていうのは、重要だよね。 特定のものを無条件に信じなければ救われないとか、身分に左右されるとか、そんな話は嘘っぽい。特定の人に利害が絡むのでなければ、全ての人が救われることに誰も困るはずがないのだから。 新仏が結びついた、熊野権現の宿る熊野三山。あらゆる人々に開かれた場所。 それに象徴されるように、昔は、仏教も神道も混合していた。明確な区別はなされていなかった。「近代」の、明治時代に入る前までは。 <つづく> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 4, 2005 01:16:27 AM
コメント(0) | コメントを書く
[旅行記] カテゴリの最新記事
|
|