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カテゴリ:イベント & 旅行記
金曜の夜は、はしご酒でついつい飲み過ぎてしもうた。しかし、土曜の朝は6時半にはなんとか起きて、旅支度を整えて、7時ちょうどに出立いたした。めざすは真田の所領「浅間隠山」である。
17号で高崎へ、高崎からは406号で西北西に針路をとる。 406号は、街中を抜けると信号の少ない快適なドライビングロードじゃ。ナビの到着予想時間がどんどん減っていく。彩度の低下した烏川沿いの山々を眺めながら、このような佳き日に山に登れることの喜びをかみしめる。 現在の真田の庄の景色も、幸村らが暮らしていた頃とたいした変わらぬのではなかろうか。400年なんぞ、たいした時間差ではない。 急坂を自転車でぐいぐい登っていく小学生を追い越す。彼もまた草の血を継ぐ者であろうか。 浅間隠温泉を過ぎると、道はどんどん痩せていく。途中で冬季閉鎖の重い鉄製バーを開いて、登山道へ向かう。登山口には15台くらい止められそうなスペースがあるのだが、1台も止まっておらなんだ。 09:40 身支度を整えて、登山口から歩きだす。 沢を横切ったあとは、ひたすら登りが続く。斜度の変化が少ない坂をひたすらに登る。富士山型の稜線のきれいな山は、アップダウンがなく延々と同じような登りが続くのが特徴である。 葉の落ちた木の合間から、山頂が見える。 黙々と登り続けるのはつらいけれども、山頂が徐々に近づいてくるのが励みとなる。 10:54 しゃくなげ尾根。狭くやや危険な尾根道の両側に、しゃくなげの木が密生している。花が咲く春には見事な光景であろう。機会があれば、その時期にもまた訪れたいものじゃ。 さらに、ひたすらに登る。脇に生えている木の皮がズルリとむけている。く、く、熊?? ザックに忍ばせたiPodのイヤホンを抜き、最大音量でポップな曲を流す。といっても、ポップな曲なんてエディ・ブリッケルくらいしかない。っていうかこれってポップっていえるんじゃろうか。エディ、熊の相手はおぬしにまかせたぞ。 黙々と急登。地図では第2ピークから西のコルを経て登頂するらしいのだが、踏み跡は直登コースのようじゃ。 自信がないが、踏み跡を信じて心臓を躍らせながら登る。ふと人声が聞こえたと思ったら、いきなり頂上に出た。 11:42 登頂 1757n 狭い山頂には、大勢の登山客がいて驚いた。全員が反対側の二度上峠から登って来たのであろう。そっち側から登ると、わしが登った半分の時間で山頂にたどりつけるらしい。 50人くらいが、それぞれのグループで山頂あたりの隙間を見つけてランチをしており、わしがゆっくりと休憩するスペースなどない。 激しい違和感を感ずるが、それを無視して設置してある方位盤を頼りに360度見える山々を同定する。 西南西には、浅間山が雄大な姿をさらしている。ゴルフ場の傷が痛々しい。東を向けば、榛名山たちの独特な風貌が見える。遠く北には、日本アルプスの峰々が浮かんでいる。 サウスルートからは、どんどん登山客が登ってくるので、のんびりなんぞしておられん。ささっとスケッチしたら、さあ降りようぞ。 12:12 下山開始。 下りは、落ち葉のラッセルというらしいが、登山道には紅葉を過ぎて落ちた葉っぱが降り積もっており、踏むたびガサガサと音を立てるのが楽しい。 ついついクロカン気分で小走りになってしまい、沢に戻る頃には膝がガクガクになっておった。 13:19 沢にはまる。 足元危うい沢渡り。見事にバランスを崩し、右足がざっぶ~んっ。 お江殿の笑い声が聞こえてくるようじゃっ。しかし、不幸中の幸いとでも言おうか、もう右足はどんなに濡れてもいいと思えば、残りは楽に渡れた。ゴールまでもうわずかだし。 13:26 登山口に帰着。 湯を沸かし、カップめんをくう。 浅間隠温泉の中にある鳩の湯「三鳩楼(さんきゅうろう)」に寄る。帳場ではお江殿と又五郎殿がのんびり談笑しておった。平和な世となり、二人とも隠居して旅籠なんぞ営んでおったか。 湯は誰もおらず、ゆったりとはいることができた。やや濁り、入れば沈殿していた薄茶色のものが舞いあがる。真田太平記の、幸村とお江殿が初めて出会うシーンが思い起こされた。 15:15 三鳩楼をあとにし、帰路に着く。 実は、真田昌幸殿が上州攻略の基点とし、そののち信之殿の支城となった、かの有名な岩櫃城がすぐ近くにある。またいつか、岩櫃山にも登ってみたいものじゃ。昌幸殿や信之殿にもご挨拶せねばなるまいし。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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