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カテゴリ:腎ネフローゼ奮闘記
数年前、腎ネフローゼが再発して入院しているとき、
70歳前後の糖尿病患者の女性と同室だった。 彼女は火傷した足の指が壊死して、手術で指を切るために入院していた。 ゆでたお蕎麦が落ちかけた時、 何とか『お蕎麦を助けようとして』、火傷したのだそうだ。 火傷した後も、すぐに処置せずに、お蕎麦を片付けたのだろう。 糖尿病は足が壊死しやすい。 彼女はとても無念だったのだろう。 お見舞い客が来るたびに、こう言い続けた。 「私、お蕎麦助けちゃったの・・・ 思わず(自分のことよりも)、お蕎麦を助けちゃったの。 お蕎麦を助けようとして、火傷をしたの・・・」 何回も何回も言う彼女。 彼女が見舞い客に言うたび、 同室の私達は、同じことを黙って聞き続けた。 お蕎麦を助けようとしなければ、指を失うことはなかっただろうに。 何かをする時に、何が一番大切なのか。 最も優先すべきなのは何なのか。 優先順位を考えることが大事だというが、まさにそう。 本当に身近な例で垣間見た気がした。 あれ以来、たとえ些細なことでも、何か決断する必要があるたび、 心の中で「私、お蕎麦助けちゃったの・・・」という言葉が浮かんでくる。 自分にとって、本当に大事なものは何か。 一番大切なものは何か。 どちらが大切か。 優先順位が劣るものをさっさと切るようになった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.01.01 14:47:12
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