『はなれ砦のヨナ』『惑星大怪獣ネガドン』『カクレンボ』を観た
『CWフィルム作品集』と銘打たれた短編映画を集めたビデオを借りた。1本30分程度の映画が3本収録されている。『はなれ砦のヨナ』○ストーリー少女ヨナは迫害を避け,兄と2人で〈はなれ砦〉に住んでいる。だが成長したヨナの能力を評価し,王国の役人たちは勧誘を始めた。王国から派遣された少年は,ヨナの兄に盗賊と間違えられて捕らえられてしまう。だが?------------CGアニメとしては見事な出来栄えだ。けれどもヨナが迫害されている理由,兄がかたくなにヨナが外の世界に出ることを拒む理由などが分からない。最大の欠点は,『ファイナルファンタジー』っぽいキャラ,風景,質感。とにかく印象が薄すぎる。------------『惑星大怪獣ネガドン』○ストーリー昭和100年。火星から飛来した怪獣〈ネガドン〉に東京の街は蹂躙されつつあった。老博士は封印していたロボット〈ミロク弐号〉に乗り込む。------------昔の実写特撮作品をCGで丸ごと再現してしまった,という不思議な作品だ。街や人物は昭和レトロだし,宇宙衛星,ロボット,怪獣などは,ピアノ線で操作しているような微妙な揺れ方をしている。途中までは新鮮かつシニカルで大喜びしていたんだけど,どこまでも同じトーンで物語が進むので,ちょっと食傷してしまった。もうヒトヒネリあると思ったんだけどなあ。------------『カクレンボ KAKURENBO』○ストーリーアジアのような日本のどこかの街で,鬼が出るという夜に,子供たちがカクレンボをする。度胸試し,一攫千金,あるいはいなくなった妹を捜すため。だが4匹の鬼が現れ,子供たちは1人また1人と消えていく。------------大友克洋風に背景をギッチリと書き込んでいて,香港のような垂直に積層された和風な街が構築されている。ラストの衝撃もなかなか良いので一番のお気に入りだ。どこかで観た雰囲気だと思って調べてみたら,ドンぴしゃり!大友克洋プロデュースの映画『ショートピース』の中の『九十九(つくも)』を作ったYamato Worksというチームの作品だった。