リトル・ダンサー
テレプシコーラの影響はまだつづいていて、バレエをする子供の映画ってなんかない?とさがしていたら、バレエ少年の物語がありました。リトル・ダンサーストで揺れる貧しい炭鉱町の一家や 才能をみいだした女のクラシック・バレエの先生が 11才の主人公の少年ビリーを奨学金のでる王立バレエ学校におくりだすまでの人情味あるお話。 といっても 少年のきちんとしたクラシック・バレエは期待しないでください。マッチョなお父サンの 「男の子がバレエ?」 という うろたえぶりが面白い。先生と父さんの口論のなか、ビリーのタップもとりいれた いらだちまじりの自己流ダンス・シーンが傑作。まずは形よりも、踊りたいという 内的な衝動 こそが 才能のもとなんだ、というテーマもあるようだ。T・REXのロックが よくBGMでつかわれるのもそのせいだろう。COSMIC DANSER, GET IT ON、に RIDE ON SWAN。ときた。ナイス選曲に 微笑んでしまう。学校の入学オーデションの日、緊張のあまりうまく踊れなかったビリーだが選考委員に 踊ってるとき どんな気分?ときかれる。ビリーはぽつぽつと 考えながら自分の言葉で答える。これが素晴らしいのです。どうやら これで採用になったらしい。「さあ・・・いい気分です。・・最初はからだがかたいんですが、ほぐれてくると、なにもかも忘れて・・すべてが消えるんです。自分がかわって・・ 体のなかに炎が・・鳥のように自由に・・・電気・・・そう電気のように。」 たくさんの アーチストやスポーツ選手や宗教家が そのピークの経験をそんなふうに 言ってってきたことを思い出した。しかし そういうイメージを見たという話ではなく もともと人間の本質が なにかそのようなものではないのかとまで ふと思えてしまったのである・・・。 少数派の日本のバレエ少年も見てほしいものですね。