お歳暮は未だ大丈夫かな?
母がいなくなったので、この世の義理術はやめようと思ったが、やはりしなければ心が落ち着きませんので、今日買って送りたいと思っています。 夜半に寒さで目覚めた。 布団を掛けずバスタオルを腹の上に乗せたままで寝ていたのですが、幾らエアコンを 高温に設定していても、自然の力には抗し難い。 で、仕方なく布団に潜り込みましたが、亡き大叔母のことが浮かんだ。 相馬市の南西にある開拓地に住んでいた大叔母を訪ねて母と行ったのですが その住まいにびっくりしました。 まるで雨月物語か清少納言のあばら家かと思うほどの有様。 ちょうど、晩秋の寒さも募る頃、壁は崩れ落ちてすすきの原が見える。 天井は穴が空いていて月が顔を覗かせている。 「おばちゃん、独りで住んでいて大丈夫?」と聞くと、笑って 「大丈夫だよ、布団に入れば温いし」と言う。 早速、帰って一人息子に知らせました。 それから、幾月もへずして大叔母の訃報が届いた。 豪農の長男に嫁いで一子をもうけましたが、夫が戦死したためにその家族から 家を出されて苦労した人でした。 考えてみれば、大叔母はたくさんいましたが、幸せな人生を歩んだ人がいなかった。 懐かしき古き昔は、不幸と哀しみに満ちた時代でもありました。