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October 1, 2006
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カテゴリ:特撮映画
 ときどき、初代ウルトラマン、ハヤタ隊員役の黒部進さんを、渋谷駅でお見かけする。渋谷まで、山手線の同じ車両に乗り合わせたこともある。そんなとき、年甲斐もなくドキドキする。話しかけたくなるし、サインしてもらいたいし、一緒に写真だって撮らせてもらいたい。周囲の人は気がついていないので、大声で「ここにハヤタ隊員がいますよ!」と教えてあげたかった。
 失礼ながら黒部さんは大スターというわけではない。しかし、子供の頃にリアルタイムで見た「ウルトラマン(1966~67)」は、衝撃的だった。スーパーヒーローとは、ウルトラマンとハヤタ隊員が分かちがたいだけでなく、演じる役者さんにまでイメージを重ねてしまう。同じ時期に、黒部さんは、東宝映画「キングコングの逆襲(1967)」や「怪獣総進撃(1968)」に出演している。違う作品でお姿を拝見しても「あ、ハヤタ隊員だ!」と興奮した。
 「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟(2006)」には、ハヤタ隊員はもとより、ウルトラセブン=モロボシダン(森次晃嗣)、帰ってきたウルトラマン=郷秀樹(団時郎)、ウルトラマンエース(高峰圭二)と、当時の配役が勢ぞろいする。そして、当時のままの変身ポーズを披露してくれる。ウルトラファンの感涙を狙ってるね。
 敵役にも、ザラブ星人、ガッツ星人、ナックル星人、テンペラー星人、異次元超人やプールなどが復活する。彼らは、当時よりもスタイルがいい。四十年間の着ぐるみ技術の進歩が感じられる。
 ところが、ウルトラマンの顔は昔に戻っていたのだ。初代ウルトラマンは、マニアなどの間では、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプと呼ばれる3つのマスクがある。Aタイプは、技術的なものやウルトラマンの設定などから、表面がゴテゴテしている(Bタイプからはツルツルになるのだが)。今回は、ゴテゴテ顔をウルトラマンの個性とし、意図的にそのAタイプをつくったわけだ。
 さらに、当時の演出を思い出させてくれたのは、ザラブ星人だ。登場シーンには懐かしい音楽が流れるだけではない。ザラブ星人といえば、ニセウルトラマンに化けて街を破壊し、正義のヒーローに汚名を着せようとした。今回も、性懲りもなくザラブ星人は、ニセウルトラマンメビウスになって神戸を襲う。「なぜメビウスが・・・!?」驚愕する神戸の人々を尻目に、その様子を見た防衛隊の隊長は「あいつはニセモノだ。よく見ろ、目つきが違う」と言う。たしかにニセモノは陰険な顔つきをしているのだ。
 かつてニセウルトラマンが登場したとき、こいつも目が吊り上っており、視聴者にはすぐにニセモノとわかった(そのようにつくってあるのだが)。ところが、テレビの中では、「ウルトラマンの乱心だ!」などといって、だれもニセモノと気づかない。子供心に「なんでニセモノとわかんないんだよぉ」と悔しい思いをしたものだ。今回は、四十年を経て、隊長が仇を討ってくれたようなものだね。
 四人の先輩ウルトラマンたちは、20年前にヤプールを封印して、ほとんど力を使い果たしていた。だが、孤軍奮闘するメビウスのピンチに、残り少ないエネルギーで命を賭けて、ウルトラ戦士として立ち向かっていく。この場面は、実際に俳優さんたちが、何十年も年齢を重ねておられるので、じつにリアルな悲壮感が漂っていた。
 新旧のウルトラマンが向かっていっても、蘇り、パワーアップしたUキラーザウルスには敵わない。そこへお約束のように助けに駆けつけるゾフィーとタロウ。「エネルギーをもってきたぞ」って、おいおい、そんなに簡単にチャージされたら、さっきまでの悲壮感がぶっ飛ぶじゃないか。
 ゾフィーは、かつてウルトラマンがゼットンに敗れたとき、「M78星雲に帰ろう」と迎えに来た(それがゾフィーの初登場)。ウルトラマンは、「自分はハヤタから命を借りているので、もし帰ってしまったら、ハヤタが死んでしまうことになる」と拒む。すると、ゾフィーは「大丈夫、命を二つもってきた!」だって。ひえーッ。当時から、ゾフィー兄さんは、そういう達観したお方なのです。
 ゾフィーは、ウルトラ六兄弟の中で、唯一地球人としての顔がない人です(地球に住み着いた経験がない)。けれど、タロウは、東光太郎の顔がある。だから、タロウについては、声だけでも、オリジナルにしてほしかったな。タロウが話したときに、篠田三郎の声が流れたなら、こんな行き届いた演出はなかっただろうに。
 ラストの怪獣とのバトルについて。それぞれのウルトラマンが連続して得意技を見せるなどして、わくわくさせられたが、CGシーンは、テレビゲームをやっているみたいな映像で、ちょっと残念だった。元祖円谷英二のあくまでも実写を使った特撮を愛好した世代にとっては、VFX(デジタルによる映像効果)は、絵空事に見えてしまうのです。もちろん、ウルトラマンたちが空中で静止して浮かんでいるような体勢は、昔のウルトラマン人形をピアノ線で吊った映像より、違和感なく受け止められるけれど(その違和感だって、手作りの一生懸命さが伝わってきて好きだった)。
 この映画は、単なるオールドウルトラマンファンの回顧的な趣味を満足させるだけのものではない。静かな場面の締めくくりを必ず異変につないだり、子供の挫折から立ち直りを無理なく描いてたりして、飽きさせない展開だった。子供の観客へのサービスはあるが、おもねっている様子が感じられないのはすがすがしい。少年の成長とか、愛と勇気とか、監督の見栄を押しつけてくる様子もなく、安心して見ることができた。
 ウルトラ兄弟は、エネルギーを使い果たしたことから、「最後のバトル」を強調していた。そういいながらも、往々にしてまた復活してくるのは、プロレスラーの引退とカムバックのパターンに似ている。けれども、今回のような充実感のある作品だったら、許す!
 





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Last updated  October 1, 2006 06:52:05 AM
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