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February 25, 2007
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カテゴリ:特撮映画
 身近な人の中に、仲のよい兄弟姉妹を知っています。お互いの家庭を訪れて食事会を開いたり、一緒に旅行にしたり。かと思えば、兄弟姉妹の壮絶な悪口を聞くこともあります。啀み合い、憎み合っているのです。二つのパターンとも、よく理解できません。なぜ、兄弟姉妹でそこまで仲がよいのか、あるいは悪いのか。私にも弟がいますが、会っても、特に話すことはありません。双方の近況を話したいとも聞きたいとも思わないし。もしかしたら、無言でずっと顔をつきあわせているかもしれません。それぞれみんな、どんな子ども時代をすごしたのでしょう。
 ウォルターが、パパとキャッチボールに興じている。25球投げたところで弟のダニーと交替を告げられると、ウォルターは不満を残す。パパがダニーに、優しくボールを投げてやったりするとますます不満だ。親にしてみれば、小さい子にはていねいに接しているだけなのに、大きい方の子どもには不公平に映ります。けれど、やっぱり下の子どもは、小さいだけに親からかわいがられる面はあるのです。上の子のひがみもあるのでしょうが、客観的に見ても、親は下の子をかわいがる傾向が確かにあります。
 ウォルターとダニーは、まだまだパパと遊んでほしいのだが、パパには仕事がある。「パパの体は一つしかないんだ!」ついにパパが怒った。パパも忙しいのだろうけど、子どもの気持ちを考えてほしいよ。同じことを言うにしても、違う言い方があると思いますよ。この後、兄弟はママのところへ行かなければならない。二人の両親は、別居か離婚か、週のうち3日はママで4日はパパと一緒に過ごすことになっているらしい(3日もしくは4日は週によって入れ替わる)。大人の都合だね。
 パパが出かけた後で、ダニーはウォルターに遊び相手になってもらいたい。けれど兄は、父から優しくしてもらっていた弟とは遊びたくない。そんなときダニーが投げたボールがウォルターの顔に当たり兄は大激怒、ダニーを地下室に閉じこめてしまう。そこでダニーは古ぼけたボードゲーム“ザスーラ”を見つける。ダニーがゲームを始めると、なんと家ごと宇宙に飛び出してしまったのだ。ゲームの進行に合わせてカードを引き当てると、そこに書かれている通りに、隕石が降ってくるわ、ロボットやエイリアンの襲撃を受けるわ大騒ぎ。ゴールのザスーラに辿り着くまでゲームは終わらない。
 前作「ジュマンジ(1995)」のゲームはジャングルを舞台とし、ゲームに合わせて動物が出現するなどしました。今回は、宇宙ゲームです。宇宙の方が、夢は広がる(好みの問題ですが)。
また一枚カードが出てくる「宇宙飛行士、漂流。ただちに救出せよ!」。兄弟は、長い間と宇宙を漂っていた一人の宇宙飛行士を助ける。宇宙飛行士は、子どもの頃に弟と一緒にザスーラのゲームをやったという。願いを叶えるカードをひいたときいつもケンカばかりしていたから「弟を消してほしい」と願ってしまった、そのことを後悔していると語るのです。
 私自身、幼稚園に入る前から、いつも弟ばかりがかわいがられていると思っていました。そういうことを口に出したり態度で示したりすると、親は余計にかわいくなくなるのでしょう。小学校の高学年になって、私は、何か苛立つ毎日をすごしていました。弟に当たり散らしていたように思います。あるとき、カッとなって弟にお椀を投げつけたことがありました。弟の頭にあたって、血が流れました。
 「流れ星、飛来!願い事を祈れ」願い事のカードが出た。ウォルターは、「宇宙飛行士の弟を返して」と祈ります。すると現れたのはダニーなのです。つまり、宇宙飛行士は、ある種のパラレルワールドにおけるウォルターの成長した姿だったと考えられます。
 ケンカばかりしているウォルターとダニー。現在子どもである方のウォルターだって、「ゲームでズルばかりする!」と腹を立てていました。だから、危うくダニーが消えることを念じかけていたわけです。しかし、大人になったウォルター自身が子どものウォルターを諫めたといえるでしょう。
 宇宙での冒険や誤った選択をした場合の自分自身を見ることなどを通して、ウォルターも逞しくなりました。「おれは兄貴だ。兄貴は弟を守るためにいるんだ」。ダニーも答えます「ズルしてごめん」
 やはり子どもは、葛藤に出合い、自分で問題解決することで成長するのです。それを子ども任せにしてしまうのではなく、大人が見守らなくてはいけません。
今、大人になった私自身は、子どもの頃の自分に戻って、弟にけがをさせたことを謝りたいと思います。時間はたってしまいましたが。


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Last updated  February 25, 2007 07:04:31 AM
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