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October 7, 2007
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カテゴリ:カーアクション
アメリカから日本に追いやられた車好きの若者が、ドリフト走行をマスターして、宿敵とのマッチレースに勝利するまでの話。

「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT (2006)」

監督:ジャスティン・リン
出演:ショーン:ルーカス・ブラック ニーラ: ナタリー・ケリー

 ドリフト族ってのは、いい印象がありません。暴走族、ローリング族とか、その手の族は恐い。こちらが安全に走っていても、無謀な運転をする奴らに巻き込まれたらおしまいだ。
 いつだったか、夜、首都高の右側の車線を走っていたら、もの凄いスピードで迫ってくる車があった。左側によけたのだが、そちらにも車が来ていた。結局右車線の車は、あっという間に追い越していって見えなくなったが、左側から来た車が一旦私を追い越して前に出ると、ノロノロ運転を始めた。車種はランサー、あきらかにこちらの走行を妨害している。
 どうやらその2台は競争をしてきたようで、私が左車線に入ったことでランサーが負けてしまい、その腹いせに私の車をじゃましているらしい。追い越してやろうかと思ったが、同乗者が「へたに刺激すると、何してくるかわからない」というので、しばらくそのまま走った。
 さすがに、ランサーは低スピード走行は飽きてきて、突然にスピードを出して行ってしまった。カーマニアなのか、ドライヴィングテクニックに自信があるのかどうなのか知らないが、フツーの、交通機関として車に乗っている者を脅かさないでほしい。

 だから、街道レーサー系の映画は、好きじゃない。アメリカあたりの広くてどこまでも続くハイウエイだったらいいけれど、日本じゃね、とばしてもすぐ限界が来るでしょう。

 じゃあ、なぜこの映画を見たかというと、「TOKYO DRIFT」というタイトルに惹かれたから。外国映画に映る日本は、とてもおもしろい。日本人の中には、そんな映画を見て、「国辱映画だ!」と怒る人もいるけれど、外国人が感じる日本を表現すると、日本的なものがあきれるほどデフォルメされるわけです。見ているこちらとしては、日本でありながら日本でないような、不思議な日本の一面を見ることができます。
 そこが実に映画的。映画なら、現実にはいない大怪獣が出てきても受け止められるのと同じように、変な日本や日本人が出てきても、そういう世界として楽しめるような気がします。

 特に今回は、あの東京で、激走レースが予想されます。アメリカは、ロサンゼルスにしろニューヨークにしろ、映画の撮影にはとても協力的です。反対に、日本、東京は、なかなか撮影許可が降りないので有名。それに、いつも渋滞の一般道は考えられないから、レースは、当然首都高でやるしかないでしょう。

 カリフォルニアの高校生ショーンは、一般道での無茶なカーレースで何度も逮捕され母親から見放される。そして、軍人の父を頼って日本にやってくる。といってもショーンは、ツッパリ系ではありません。アメリカの不良をツッパリとはいわないかもしれません。あるいはツッパリってもう死語か?いずれにしろ、言わんとするところはわかるでしょ。
 日本家屋での父の暮らし、言葉や文化等の違いに戸惑うショーン。そうね、学校でウワバキ(上履き)を履くなんてことは、アメリカ人には想像もできなかったでしょう。

 車は禁止されているショーンであるが、これは宿命なのです。仲間に連れられて、深夜の東京で行われる裏レースに足を踏み入れる。東京に、こんなふうに豪華な車が集う場所あったのか、なんか東南アジア的な雰囲気なんだが。車依存症とも思えるショーンですから、辛抱はできません。いきなりDK(ドリフトキング)と呼ばれるタカシと立体駐車場で勝負。しかし、ドリフト走行を知らないショーンは、車をボコボコに損傷し、惨敗してしまう。
 
 ショーンは、車を弁償するために闇世界の借金取り立てを手伝いながら、ドリフト技術を教わっていく。ヤクザや彼らの裏金との関わり、そして宿敵DKとの最終対決など、スリリングに話は展開します。

 ショーンがドリフト走行を身につけていく過程がいいですね。カードライヴィングの天才という設定ではなく、努力しながら課題を乗り越えるところには好感がもてます。こういう技術は、頭で考えながらやっているうちは、ダメなんですね。段取りを追っているから、ひとつ間違えるとうまくいかなくなる。しかし、一旦身につけてしまうと、日常的な動作と変わらなくなる。そこまでには、限りない反復練習が必要です。
 
 見所のひとつは、ヤクザの裏金を巡って、市街での激しいカーチェイス。これが期待したシーンです。新宿から渋谷方向へ、車が走るところを見ていると、明治通りを来るのがルートだと思うが、いきなり道玄坂方向から現れた。これは画面映えするシーンとしてまあいいでしょう。
 しっかし、よく東京でこんなカーアクションがとれたものだ。スピンはする、クラッシュはする、炎上はする。渋谷駅前のスクランブル交差点、人の波にあわや突入の危機もあったけれど、あそこだけじゃないでしょう、危ないのは。一般道であんなふうに追いつ追われつ、抜きつ抜かれつつなんて、やりたくてもできない、いつも車だらけ、人だらけだから。
 いつ、どんなふうに撮影したのかな、と思ったら、なんとロサンゼルスに東京の街並みを再現したのだそうです。それで道路もちょっと広い感じがしたのですね。なるほど。

 クライマックスは峠でのレース。首都高は、重要な場面では使われませんでした。予想は、はずれ。

 映画のラストに、「撮影にあたっては、プロのドライバーが車を操作しました。決して真似をしないでください」という内容の注意書きが表示された。そう、一般道でレースとか危ないテクニックの練習とかしないでくださいよ。日本の道は狭くて、車がいっぱいですからね。


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Last updated  October 14, 2007 05:21:15 AM
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