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テーマ:DVD映画鑑賞(14214)
カテゴリ:特撮映画
控え目に言って、ぼくの原体験は怪獣だ。あるいは、DNAに怪獣がすりこまれているかもしれない。とにかくぼくのエモーションは怪獣、モンスター類に反応する。低予算怪獣映画だって、じつに楽しい。 『昆虫怪獣の襲来』はかなり時代を反映している。 ときは、有人宇宙飛行が実現する前のこと。人間が宇宙空間に出る前に、まずは動物実験というわけで、サルやスズメバチをロケットに乗せて打ち上げていた。 ところが、スズメバチを乗せたロケットが故障し、アフリカの密林地帯に落下する。そして、宇宙線を浴びたスズメバチが、どうやらモンスター化したらしい。 責任を感じた科学者のブレイディとモーガンは、アフリカに飛ぶ。 そこからが長い。とにかく、目的地まで、約一ヶ月歩いていくのだ。当時アフリカとはそんな場所だったのだろう。その間に、一行は原住民に襲われたり、病人が出たり、と、昆虫怪獣の襲来までにはずいぶん気をもたせる。 ぼく自身にも覚えがある。この頃の怪獣映画については、いつ怪獣が出るか、どんな怪獣が出るかといった単純な興味・関心・期待で見ていた。怪獣映像が貴重な時代だったのだ。だから、展開がまどろっこしくても、固唾を飲んで見守っていたと思う。 さて、いよいよお待ち兼ねの昆虫怪獣の登場だ。 なかなか造型がいい。おそらく、『放射能X(1953)』の巨大アリと同じように、大きなはりぼてスズメバチを作って撮影したのだろう。けっこう迫力がある。デザインも単なる大きなスズメバチではない。ずいぶんがっしりしている。デフォルメされていたり、羽が小さかったりするのは、製作上の問題かもしれない。けれど、全体ロボットのような質感で、モンスターとして納得できる。 そして、岩陰からのっそりと姿を現す超巨大スズメバチは、光学処理がしょぼいんだけど、怪獣の大きさが感じられて嬉しい。 何よりも、スズメバチと大蛇の対決がすばらしい。この部分は、ストップモーションで撮影されている。大蛇がスズメバチの脚などに巻き付いていくのだけれど、針で刺されて絶命する。 科学者たちは、新型強力手榴弾で巨大スズメバチと闘うが、全然敵わない。あわやというところで、九死に一生を得る。そのあたりの展開は、かなりおざなりな印象があった。 しかし、『昆虫怪獣の襲来』は、見ていて幸福感を感じた。昆虫怪獣の部分だけ、何度も見たい。 昆虫は、拡大写真などで見ると、ずいぶんロボットのようなシルエットをしている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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